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「Why型思考」が仕事を変える|細谷功|鋭いアウトプットを出せる人の「頭の使い方」

「なぜ」を突き詰め見えてきた新しい問題解決のための思考法。「Why型思考」で鋭いアウトプットを出せる人の頭の中を覗いてみよう!!

「なぜ今」Why型思考力が求められるか

昔からあった理由に加えて、「なぜ今」Why型思考力が求められるかについては、以下の二つの環境の変化という理由があります。

第一の環境変化は、世界の中での日本の置かれた状況です。

第二次世界大戦後、奇跡的とも言える経済成長を遂げた日本の成功モデルは、「欧米」を手本として、これを貪欲かつスピーディに学び、これらに日本人ならではの創意工夫をもって「改善」することで、優位性を築き上げることでした。

代表的な製品である自動車や電気製品等についても、基本原理やコンセプト、あるいはそのための大部分は先進国である欧米で確立されたものをユーザーニーズに合わせてきめ細かくチューニングし、そして生産を中心とする個別業務プロセスを最適化することによるコストダウン、いわゆる「オペレーショナルエクセレンス」によって圧倒的な優位性を築き上げて世界を席巻しました。

ところがいまやこのモデルの優位性は、中国や台湾等の新興勢力によっておびやかされています。世界トップクラスの人件費となった日本がこのモデルを維持するには限界があるでしょう。

あわせて、インターネット革命後のビジネスパラダイムは大きく変化してきています。「ローカル→グローバル」「タンジブル(形のあるもの)→インタンジブル(形のないもの)」「個別商品によるシェア争い→プラットフォームによる一人勝ち」といった形で、いずれもこれまで日本が不得意としている領域にビジネスの成功要因は確実に変化してきています。つまり日本人の思考回路を大きく転換しなければ、グローバルプレゼンスを維持することが危機にさらされる時代になったということです。

こうした時代にあたっては、「今あるもの」や「目に見えるもの」から発想するのではなく、そもそもどういう理由で何をやらなければならないかという、目に見えない将来を見越した本質の議論が求められます。これがWhy型思考ということになります。

もう一つの環境変化は、インターネット革命です。検索エンジンで表面的な方法や知識だけであれば素人でもいくらでも入手できるようになり、単なる断片的な知識や情報はいわゆる「コモディティ」(誰でも入手できて差別化要因にならないもの)になりました。ただし、インターネット上の情報というのは、よくも悪くも何のスクリーニングも経ていないものが多いので、自らの頭を使ってその情報が用いられた文脈や背景といった、「行間」を読まなければなりません。

単なる「コピー&ペースト」だけして「そのまま使って」いたのでは、そのこと自体に価値がないことに加えて、とんでもない誤解をしたり情報の誤用をしたりすることになるでしょう。情報や知識というのはいつの時代も重要ですが、それを「そのまま使う」のではなく、本来の目的にしたがってそれを加工していく思考力が求められてくるでしょう。

以上が、なぜ今Why型思考が求められるかという理由です。どんなときにWhat型が必要で、どんな場合にWhy型が求められるのかをまとめたものを章末に示します。明らかに現在の環境変化によってWhy型思考の人が不足していることがわかるでしょう。

経済成長とともに売り上げを伸ばしてきた日本企業だがガラパゴス化が進んで企業の自己満足的な製品が多くなり、真の顧客ニーズに添えていない無駄にハイスペックな製品が主流となり衰退していく日本企業。もちろん欧米諸国の中にはハイスペックな製品を売る企業はたくさんあるがそれはブランド構築のための戦略的なものでリーズナブルなエントリーモデルもきちんと用意されている。あくまで主力はそっちなのだ。

What型人材は「育てられ」(他動詞)、Why型人材は「育つ」(自動詞)

「考える」という行為が極めて自発的な行為である以上、What型とWhy型の人材育成で決定的に違うところは、What型というのは受け身でも育ちますが、Why型の人材というのは本人が自発的にそうならない限り絶対に育つことはないということです。したがって、What型人間というのは他人が「育てる」ことはできても、Why型人間というのはいくら周りが騒いだところで絶対に「育てられる」ものではないのです。

暗記型で知識を詰め込むWhat型教育と自ら考える力を養うWhy型教育とでは成長の仕方もおのずと変わってきます。What型教育における成長というのは、かけた時間にほぼ比例すると考えればよいでしょう。典型的なのはたとえば英単語の習得です。学習の仕方によってもちろん効果は変わってはきますが、基本的にはかけた時間に比例して語彙が増えていくのは間違いありません。あるいは掛け算の九九の暗記というのも同じです。

これに対してWhy型はどうでしょうか。Why型教育の成果というものはあくまでも「自ら考える」ことによるものです。「自ら考える」と口で言うのは簡単ですが、これを習得するには初期段階では時間がかかります。いわば白紙にオリジナルの絵を描いていくということですから、はじめは何を描いてよいのかもわからずにアウトプットが出てこない状況というのがしばらく続くでしょう。しかし試行錯誤の末に自ら考えるという方法論をつかんでしまえば、後は飛躍的にアウトプットが伸びていくはずです。

What型は「押し込む」というプッシュ型でもいいのですが、Why型は最終的に必ず「引き出す」ほうのプル型でなければなりません。そういえば、英語のEducationの語源をたどればラテン語の ex(外へ)ducere(引き出す)という言葉に行き着きます。

従来の日本型詰め込み教育では得られないWhy型。自ら考えることなしに育った僕ら大人世代は若い人に学ばなくてはならない。インターネットが生まれた時からありそれに触れてきた世代は比較的Why型思考が得意。引き出すプル型の教育で育った最近の子たちから中年以上の人たちは学ばなければならない。それができないとただの老害に(笑)

僕らおじさんたちが若者を理解するためにも必要なWhy型思考。これができないと世の中に置いていかれます。詰め込み教育からの脱却と共にこれからを担う子たちが身につけているこの思考型を僕らも理解する必要がありそうだ。

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