遺伝にまつわる語られざるタブー、知能に関すること、知識社会で勝ち抜く人と最貧困層に堕ちる人。反社会的な人間はどのように生まれるか?見た目で変わる人生、美貌格差。一夫多妻制と一夫一婦制どちらが得か。子育てや教育は子供の成長に関係ないなど様々なタブーについてエビデンス(証拠)に基づき鋭く切り込んでいく思わず「ホンマでっか!?」と言いたくなる書籍です。
一般知能(IQ)や様々な遺伝率
学校教育ではすべての生徒がよい成績をとるよう教育指導していく。そんななか「バカな親からはバカな子が生まれる」という教育に対するタブーとも思われるデータがある。論理的推論能力の遺伝率は68%、一般知能(IQ)の遺伝率は77%だという。知能の違いは親からの遺伝で7〜8割決まってしまう。
どれほど努力しても逆上がりができない子どもはいるし、訓練によって音痴が矯正できないこともある。それと同じように、どんなに頑張っても勉強できない子どももいる。だが現在の学校教育はそのような子どもの存在を認めないから、不登校や学級崩壊などの現象が多発するのは当たり前なのだ。
最近では不登校の子どもに対するケアなども充実してきてるが、まだまだその網からこぼれ落ちる子どもたちが多いのも現実だ。社会保障制度と同じで当事者が自発的にこういったケアの存在を知り、利用しなければならないため、情報格差によりこういった現象が起こる。
精神疾患などの心の病気についても遺伝が強く影響していることが確認されているようだ。実際、僕の母親も精神科にかかっている(うつ病と診断され入院していたが、症状から見ると今でいう統合失調症そのものだ。)因果関係はわからないが僕も統合失調症を患っている。統合失調症の遺伝率は双極性障害(躁うつ病)と並んで極めて高く82%で身長の遺伝率66%、体重の遺伝率74%と比べても高めだ。
セックスのデフレ化とレイプ
以前『最貧困女子』という書籍を読んだがそれに付随して、少子高齢化と価値の多様化(若い男性の草食化)によって、風俗市場が大きく縮小している。それと同時に「体を売る」ことへの抵抗感がなくなり風俗嬢志望者激増している。需要が減って供給が増え、これが「セックスのデフレ化」を生んでいる。かつては月100万稼ぐ女性もいたが、今は週4勤務で25万円程度と居酒屋などの店員とあまり変わらない。
レイプされた女性がオルガズムを感じないことがひとつの対抗策ではないかと述べている。女性がオルガズムを得るとオキシトシンという性ホルモンが分泌され、これによって子宮が収縮し、スポイトのようにより多くの精子を吸い上げる。レイプではこの効果がないため、妊娠しにくいのではないかという。
レイプは妻や恋人間でも起こっていて、不倫や浮気をされた場合嫉妬にかられ犯すというケース。これは進化論的にも合理的でライバルの精子に打ち勝つ可能性が多少はあるからだそうだ。
妊娠について興味深かったのは平均すれば10%の男性は他人の子供を自分の子と誤解して育ってているという。優秀な遺伝子を持つオスの子供を、献身的に子育てするオスに育てさせる狡猾な女性がそんなにいるとは!あな恐ろしや。
幸福を金銭に換算すると?
家族や友人と死別した時の悲しみを埋め合わせる賠償額は、配偶者が5,000万円、子供が2,000万円なのに対し、兄弟姉妹はたったの16万円で友人の130万円よりも少ない。相続が「争続」になる原因のひとつでもある。
美人とブスの経済格差は3,600万円。経済学でこれを、美人は8%のプレミアムを享受し、不美人は4%のペナルティーを支払っていることになる。まさに差別そのものだが、容姿に関係なく幸福・不幸と感じる割合はほぼ半々なので救われる。容姿に関してもうひとつ。顔の長さに対し幅の広いCEOの方が会社の収益が高いなんて面白データも載っていた。
テロの問題はそれ以外の脅威がなくなったから
ISによるテロが問題となっているが、2度の世界大戦やロシア革命、文化大革命、ポルポトの大虐殺、旧ユーゴスラビアの内戦など凄惨な出来事が続いた20世紀に比べ大量殺人は大幅に減っている。悲惨な事件を教訓に平和と繁栄に役立ててきたのだ。
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