『引きずらないコツ』『「正しさ」にふりまわされないコツ』和田秀樹著に続き5月中旬に刊行された氏の著作、三連戦の最終戦。前の二作品と内容的にかぶるところもあるが、この類の本ではありがちな事。どうでもいいがこの本のフォントがちょっと変わってた。前の二作品が明朝体系なのに対し、ちょっと丸い感じのフォントで女性を意識しているのかなと思った。表紙もしかり。この本では負の感情に対して「気の持ちよう」「考えから次第」といった解決法ではなく、前頭葉の働きを良くする具体的な行動習慣を詳しく解説している。
セロトニンの減少で起こる症状
セロトニン(神経伝達物質)の減少により前頭葉の働きが悪くなり、うつ病まではいかなくても、意欲の低下やイライラが起こる。前頭葉の働きが落ちてくると、感情がコントロールできなくなり、人を怒鳴りつけたり、思わず手が出たりといった直接的な行動にでてしまう。これをコントロールするのが、心理学の言葉で「アンガーコントロール」だ。「腹がたつが、こんな相手は相手にしないでおこう」と怒りを受け流すのが前頭葉の働きでこれを一般的に「理性」といいます。高齢者と共に最近若い女性にも過度なダイエットによる栄養不足(肉類に含まれるセロトニンの原料になるトリプトファンの摂取が不足する)によるうつ病が増えているそうだ。
脳のコンディションのため体のコンディションを整える
緊張や過度のストレスで頭の中が真っ白になるといった現象。これは一種の思考停止で前頭葉が窒息状態になっているという説もある。血糖値の面から見るとその数値が低いと前頭葉がうまく働かないので、朝食抜きはデメリットの方が多いそうだ。僕は朝食抜きの事が多いので昼前には脳が飢餓状態になっているということか…
「◯◯一筋」という考えをやめる
東大を出て官僚になったような、エリート街道を突っ走ってきた人が自殺すると、「失敗したことがないから、挫折に弱いのだ」とよく言われますが、精神科医の私から見れば、挫折に弱いのではなく、「人生一筋」でその道しか知らなかったために、他に道があると考えられなかったのではないかと思います。
大学を中退しドロップアウトした僕はバイトに精を出し契約社員になったはいいが、その後、店の売り上げを上げて正社員にならねばと息巻いて失敗した。(統合失調症が発病し退職)
新たな知識の入力
食事なら食事、美術品なら美術品、スポーツならスポーツでそれぞれ自分が接するもののレベルを上げていくことです。レベルの高いものほど脳への刺激が強く、人を感動させることができます。刺激のレベルを上げることで、前頭葉を働かせ、新たな知識の入力を容易にしていけるのです。
趣味やなんかでも少し高みを目指すことで新たな知識の入力を行う。そこで少しはお金も使って、若者とは一味違った大人の楽しみを見つけることなども提案している。面白いのはギャンブルや株式投資などの結果が読みにくいものは脳を鍛える上で効果があるということ。もちろん依存症になる程のめり込むのは問題だが、月々いくらまでと決めたり余剰資金で行うぶんには前頭葉を働かせることになる。
自分とは意見の異なる本を読む
自分の意見とは違うからといって、まったく排除してしまうのではなく、あえて違う意見に触れてみることが脳への刺激になります。
僕は乱読派なので、自分と意見の違う書籍を手に取ってしまうことも多々有る。原発反対か賛成か、憲法改正反対か賛成か、安保法制はどうか、嫌韓、嫌中など挙げればきりがない。読んでいてそこまで叩くことないのにと不快になることも昔はあったが、今では一歩引いて読めるようになってきた。
あなたは人の心理ニーズに敏感か
共感能力が高いと相手の感情を理解しやすく、それに合わせた対応も取れるので、相手も好感を持ちやすい。相手の感情の状態が分かった段階で、相手の心理的欲求に応えるために知っておきたい3つのポイント。
- 人は自分のことを認めてくれる相手を求めるということです。人間には自分が他者から認められたいと思う根源的な欲求があります。そうした欲求を満たしてくれる人を求めます。
- 人は自分が理想とするタイプの人の傍にいたいという欲求があります。そうした相手の傍にいると、それが自分に伝染して、自分がレベルアップした気持ちになるからです。俗に言う「虎の威を借る狐」のしんりです。
- 人は自分と同じようなタイプの人と付き合いたい欲求があります。そうすれば自分も人と同じ人間であり、自分が異質なものではないと安心できるからです。
最後に仕事で成功するには過去の問題の真似をするのが近道だという。「人マネ」は良くないと断じて、他の人の成功例や過去の失敗から学ばないのは柔軟性がない、いわゆるEQが低いと考えられる。何事にも柔軟な人間でありたいと思う今日この頃である。
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