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「メイカーズのエコシステム」モノづくりの生態系ってどんな感じ?

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最近CMとかでもDMM.Makeなどが宣伝しているが、同人誌的なハードウェアで少数ロットのものづくり(3Dプリンターとか使うやつ)的なことなのかなという認識しかなく、メイカーのエコシステム(生態系)が書かれているよいうことで本書を手に取った。まずメイカームーブメントとはどういうものなのかも知らなかったので、ウィキペディアで調べてみた。

メイカームーブメント(Maker Movement)とは、ウェブ世代が現実世界と交わるところがあり、世界中のガレージがオンライン化し、「仕事」と「デジタルツールの利用」を同時にすると起こるムーブメントで、デジタルファイルやCADや3Dプリンターなどを使う、デジタル製造の潮流を指すトレンドのことであり、「第三の産業革命」とも言われる。MAKERSの著者、クリス・アンダーソンにより定義された。

メイカームーブメント(Maker Movement)

こういったモノづくりはハードウェア系クラウドファンディングなどで成功しました!みたいなイケイケなイメージを持っていたが、実際は、お金は集まったが、思ったように生産できずトラブルになるケースも後をたたないのだという。量産したけどプロトタイプと姿形が違っちゃった等。無事に開発が終わり出荷できる方がはるかに少ないそうだ。投資家はそのような事実を織り込んで援助するのだろう。

例えば、昔の例を見ると、準備期間が一週間あると少数ロットでは割に合わないので、数万個作り売り上げられるプロジェクトしか存在できなかった。そこで同人ハードウェアと呼べる市場を作ったのがSeeedのサービス。「Fusion PCB」の発注画面で情報をWebページに入力しデータファイルをアップロードするだけで基盤が届く。可能な限り小ロット、数十個でも対応できるラインを備えた機敏に動ける工場を実現したのだ。在庫を抱える心配がないので、同人誌レベルまで敷居が下がったことで、ここから多くのアイディアが商品化された。

一方、基盤むき出しのメイカー向けマイコンでもない限り、製品にはプラスチックなどの筐体が必要。ぬいぐるみの中に電子デバイスがあるようなものだとぬいぐるみ部分もクオリティーが高くないとキックスターターなどで動画を見る人にプロジェクトの魅力が伝わらないのも現実だ。

STEAMという教育法

STEAMとは科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、美的感覚(Art)、数学(Mathematics)を融合した教育法で、これまでの単科ごとの授業では、生徒に活用イメージが湧きにくいという問題を解決し、定められた課題を解くのではなく、問題も生徒自身が考えどのような方法で解決するのか考える。そのために必要な知識や科学、技術、計算、見た目や使い勝手なども自身で試行錯誤し答えを出すことで科目横断的な知識やスキルを体得していく。こういった教育が普及していくと、もはやおじさんの僕のような人は置いていかれるばかり…自分がもう化石みたいな存在なのだなとつくづく思う。

深圳での最先端

深圳で最先端をいっていたのがHAX(ハックス)。スタートアップの立ち上げに協力し事業を大きくするアクセラレーターでハードウェアのスタートアップに特化している。アイディアを出し、起業プランを練り、プロトタイプを実際に作りキックスターターなどのクラウドファンディングで資金を募り最初の製品を作る。その最初の成功を提示し銀行からお金を借り次の製品を作り出荷する。最終的には上場を目指す。これまで起業した会社はほとんど生き残っているのがHAXの売りだ。

日本ではハードウェアからソフトやサービスに移行してきて、ハードウェアの製造現場は身近でなくなっている。ソフトやサービス一辺倒ではなくこういった深圳のような特区もモノづくりにおける生態系の一部として日本にもなくてはならないものなのかもしれない。

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