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幸せになる勇気を読んでみたら少し勇気をもらった

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ミリオンセラーの「嫌われる勇気」の続編ということで、手に取った。前回は「課題の分離」や「承認欲求の否定」「共同体感覚」というキーワードをもとに書かれていましたが、今回は「愛」と「自立」というキーワードを中心に青年が哲人に食ってかかるお馴染みのスタイルで綴っている。あとがきにもあるがもともと続編を書く予定がなかったが、本作はアドラーの思想を実践し、幸福なる生を歩んでいくための「コンパス」となる一冊です。前作をまだ読んでない方は一読をお勧めします。

まず気になったのは「教育」「カウンセリング」について。生徒や相談者の「自立」に向けて援助する。

行動面の目標は次のふたつ。

①自立すること

②社会と調和して暮らせること

そしてこの行動を支える心理面の目標が、次のふたつでした。

①わたしには能力がある、という意識

②人々はわたしの仲間である、という意識

僕はこれらの目標に到達できず、社会生活に苦しんでる大人の一人なんだなと思う。また、教育、指導、援助が「自立」という目標を掲げる時相手を「尊敬」することが大事だ。

「尊敬とは、その人が、その人らしく成長発展していけるよう、気づかうことである」

それは、最初の一歩を踏み出すための勇気づけにつながるのだという。たしかに教わる立場でも高圧的に上から教わる場合そこには「尊敬」はなく尻込みしてしまうという経験が僕にはあった。それに加え、アドラーは賞罰を禁じる。問題行動を起こす子は叱られることを織り込み済みで行動している。それは良くも悪くも「賞賛の要求」で共同体の中での特権的地位を得るための行動だという。この考え方には驚かされたが、なるほどと頷いてしまった。

カウンセリングについても面白いことが書かれている。「先生のおかげで治りました」と言わせるカウンセリングでは、何も解決しないというのだ。僕の通っている精神科(統合失調症)のカウンセリングでもたしかにこちらから自分で何かをしだすのを待ってくれます。「自立」に向けて、決断を尊重し、その決断を援助するというスタンスは精神科の問診でも同じなんだなと思った。

劣等感と共同体感覚

人間は子どもの頃、何かしら劣等感を持っている。その弱さゆえに共同体を作り、協力関係の中に生きている。孤立したくないという気持ちから「所属感」を求める。僕は病気で離職してから友達もおらず所属しているのは家族という最小限のコミュニティーだけなので、「所属感」を求めカフェに読書しに行ったりする。そこで友達を作ったりするわけではないが、「所属感」が得られることにより安心する。

あなたはまだ、自らを好きになることができていない。そのため他者を信じることができず、生徒たちを信じることができず、交友関係に踏み出せずにいる。

人と違うことに価値を見出すのではなく、私であることに価値を置くことで自らを承認するのだ。

愛されるから愛するへ

ギブアンドテイクの発想ではなくひたすら与える利他的な態度によって交友関係は生まれる。これは「わたし」から「わたしたち」へと主語が変わっていくことで、幸福なる生を手に入れるためには「わたし」は消えて無くなるべきなのだと説く。

われわれは愛によって「わたし」から解放され、自立を果たし、本当の意味での世界を受け入れるのです。

たったふたりからはじまった「わたしたち」はやがて共同体に、そして人類全体までその範囲を広げていく

「愛する勇気」=「幸せになる勇気」を持ち、自己中心性から解放され、他者を愛することでのみ自立を成しえ、他者を愛することでのみ、共同体感覚にたどり着くのだと哲人は説く。

そして最後に、「最初の一歩」を踏み出したら、その後試されるのは、歩み続ける勇気なのだという。僕は統合失調症を発症して十数年経つが、今までできなかったことに「最初の一歩」を何度も繰り返し積み重ねることで、よくなっていくものなのかなと感んじ実践していく勇気をもらった。

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