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小さな会社・お店のための 値上げの技術|辻井 啓作|値上げ=客足が遠のくと思っている経営者へ

小さなお店にとって原材料の高騰などによる値上げなどの悩ましい問題はたびたびおこる。それでも付加価値を加え、売り方を変えて値上げに踏み切ったことで逆に売り上げが上がる事例も!値上げ=客足が遠のくと思っている店主や小さな会社の社長に贈る書籍。値上げは技術!

値引きしないのも値上げのひとつ

ここからは「値上げの技術」についての話に入っていくのですが、その前にもうひとつ確認しておきたいことがあります。それは、値上げの反対、「値下げ・値引き」についてです。深く考えないで値下げをして、目先の売り上げは上がったものの、その後、どんどん業績が悪化、廃業になるような店や会社は数多くあります。ここでは、まず値下げの恐ろしさについて知っておいてください。なお、「値下げ」と「値引き」は、どちらも最初に決めている値段より低い値段にして売ることです。厳密に言葉の使い分けが決まっているわけではありませんが、一般的には、あらかじめ値段を下げておくことを値下げといい、販売時点で値段を下げることを値引きといいます。店の売り場の表示や、価格表にある値段を下げている場合は値下げ、レジや営業の成約時に値段を下げる場合は値引きになります。本書でも、それを意識して使い分けていますが、それほど大きな違いではありません。最初に知ってほしいのは、 普段から値下げして販売することが当たり前になっている業界であれば、値下げしないで販売するだけで、実質的には値上げしたのと同じように、粗利が増え、業績が改善する ということです。もちろん、値下げが常態化しているということは、取り扱っている商品が「値下げしないと売れない商品」になっている可能性が強いので、今日値下げして売っている商品を明日から正価で販売することなどできないことが多いかもしれません。その場合には、商品そのものの見直しや、アレンジが必要になりますが、実際に中小企業を見渡してみると、必要がないにもかかわらず、店や会社の側が勝手に値下げして、利益を損ね、経営に苦労しているような例も少なからず見られます。ですから、営業や販売の際には、その値下げが本当に必要なものかをしっかりと考え、不要な値下げをしないということを意識しなくてはなりません。

スーパーに売っている商品のように消費期限があるものならまだしも商品の値引きをしてしまうことに対しては慎重になった方が良い。あなた方のその商品すでに値引きをしないと売れないほど魅力を失った商品ですか?そこのところを理解しないと値下げによる粗利の現象で経営は逼迫します。商品にまだ色褪せぬ魅力があるのなら売り方が間違っているのかも。

自分より大きな相手に価格勝負は挑まない

この本では、値下げして売り上げを伸ばしてはいけないと提唱していますが、その中でも特にしてはいけないのが、自分の店や会社より規模の大きなライバル店、ライバル会社に対して値下げして勝負を仕掛けることです。何度も書いているとおり、値下げは利益率を悪化させます。自分の店や会社とライバル店、ライバル会社がお互いに値下げ競争をすれば、どちらも利益率が悪化し、それが続けば、お互いに利益が出ない状態で競争を続けることになってしまいます。競争に完全に勝ち、相手がその競合する商品の販売を諦めるまで、徹底して勝負を行い、相手の売り上げを奪うしか決着のつけようがありませんから、利益が出なくても、この勝負から降りることはできません。ところが、ライバルの店や会社が自分の店や会社より大きな規模の場合、相手に打ち勝つことはほぼ不可能です。規模の大きな店や会社は、こちらと競合しない場所に店を持っていたり、こちらが取り扱っておらず競争がない商品も取り扱っているからです。競争がない店や商品で利益を上げて、競争するところは利益なしで価格勝負をする。こんなことをされたら、規模の小さな店や会社はひとたまりもありません。さらに、規模の大きな店や会社は、これまでに蓄積してきた資金も豊富です。体力勝負でも勝ち目がないのです。 大規模なチェーン店に対して、価格で挑んで敗れた店が数多くあるのは、このような理由からなのです。では、自分の店や会社より規模の大きな店や会社から価格競争を挑まれた場合には、どうすればよいのか。実はその答えが、この本の内容である〝値上げ〟なのです。

あなたのお店の近くに突如できた大規模チェーン。そんな巨人に価格で勝負を挑んではなりません。相手は大量に原材料を仕入れることにより商品の価格を抑えることに成功しているので、絶対価格設定では勝てません。

実際に値上げしてみる

いざ値上げをする時に、どれくらい値上げするのかは誰もが迷うところです。ただ、結論から言うと、どれくらいの値上げ幅がいい、という基準はなく、商品やサービスの分野、価値、対象とするお客さん、売る側における値上げした商品の位置づけなどにより変わってきます。特に意識してほしいのが、値上げした商品の位置づけです。売れ筋商品と並行して価格差別商品として販売していくのか、値上げして新たなカテゴリーの商品として売り出すのか、売れ筋商品を値上げして新たな売れ筋にしていくのか。会社や店がどのようにしたいのかにより、値上げ幅は変わってきます。 《価格差別で売るなら》 価格差別の効果を利用して売る、つまり売れ筋商品の高級バージョンとして値上げした新製品を発売し、お金に余裕のある人に売っていくのであれば、値上げ幅は強気で設定してください。商品分野にもよりますが、2割や3割の値上げは十分受け入れられますし、場合によっては2倍の値段をつけることも可能になります。

商品に眠っている付加価値をしっかり見極めること。例えばラムネを製造する会社では「懐かしい」という付加価値(復刻版)で値上げに成功しています。

ピンチの時こそ、値上げを検討してみては?商品価値をあらゆる角度から再考して値上げを行えば案外客はその付加価値にお金を払うもの。

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