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21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考|ユヴァル・ノア・ハラリ

   

『サピエンス全史』『ホモ・デウス』で全世界に衝撃をあたえた新たなる知の巨人による、人類の「現在」を考えるための21の問い。

テロ──パニックを起こすな

テロへの最も効率的な対応は 、しっかり情報活動を行ない 、テロリストに資金を提供する金融ネットワ ークに対して秘密裏に行動を取ることだ 。だがそれでは 、国民がテレビで観ることができない 。国民は世界貿易センタ ーが崩れ落ちるテロのドラマを目にした 。だから国家は 、それに劣らぬほど見ごたえがあって 、なおさら多くの炎と煙が上がる反撃のドラマを上演せざるをえないと感じる 。そこで 、ひっそりと効率的に行動する代わりに猛攻撃をかけ 、それがしばしば 、テロリストの最も大切な夢をかなえることになる 。それでは国家はテロにはどう対処するべきなのか ?成功を収めるためには 、テロとの戦いは三つの方面で行なわなくてはならない 。第一に 、政府はテロのネットワ ークに対する秘密活動に重点を置くべきだ 。第二に 、マスメディアは釣り合いの取れた見方をし 、ヒステリ ーを避けるべきだ 。テロという見世物は 、世間に知れ渡らなければ成功しえない 。あいにくマスメディアは 、無料でテロの宣伝を行なうことがあまりに多過ぎる 。物に憑かれたようにテロ攻撃を報じ続け 、その危険をやたらに膨らませてしまう 。なぜなら 、テロについて記事を書けば 、糖尿病や大気汚染についての記事を載せるよりも 、新聞が売れるからだ 。第三の方面は 、私たち一人ひとりの想像力だ 。テロリストは私たちの想像力を捉え 、私たちに不利になるように利用する 。私たちは心の中の舞台で何度となくテロ攻撃を上演し 、九 ・一一同時多発テロや最近の自爆テロを思い出す 。テロリストは一〇〇人を殺害しただけで 、どの木陰にも殺人者が潜んでいるかのように一億人に想像させる 。一人ひとりの国民には 、自分の想像力をテロリストから解放し 、テロの脅威が本当はどれほどのものかを自らに言い聞かせる責任がある 。マスメディアがテロにこだわったり 、政府が過剰に反応したりするのを促しているのは 、私たち自身の内にある恐怖心なのだ 。

テロで死ぬ人よりはるかに確率が高い交通事故やなんかに対してはあまり人々は恐れたりしないのにおかしなことだ。マスメディアがこぞってテロを取り上げることで、そうした恐怖心を植え付けているのだろう。過剰に反応してしまうのは恐怖心からということか。

教育──変化だけが唯一不変

大人の脳は、かつて考えられていたよりも柔軟で変わりやすいものの、やはりティーンエイジャーの脳ほど適応性はない。ニューロンを接続し直したり、シナプスを配線し直したりするのは、かなりの重労働だ。だが二一世紀には、安定性は高嶺の花となる。もしあなたが何か安定したアイデンティティや仕事や世界観にしがみつこうとすれば、世の中は轟音を立てて飛ぶように過ぎていき、あなたは置き去りにされる危険を冒すことになる。おそらく平均寿命が延びることを考えれば、その後あなたは途方に暮れた老いぼれとして、何十年も過ごす羽目になる。経済的にばかりではなく、とりわけ社会的にも存在価値を持ち続けるには、絶えず学習して自己改造する能力が必要だ──五〇歳のような若い年齢では間違いなく。

人生100年時代、50歳はまだ若輩者。そう考えると、学習を辞めてしまって、今まで生きて来た以上の知識を求めずにいると世間からドロップアウトすることに。幾つになっても学ぶことを辞めないのがこれからの世界で生き残る唯一の方法であり不変の変化への対応だ。

瞑想──ひたすら観察せよ

脳の研究は、顕微鏡や脳スキャナーや高性能のコンピューターの助けを借りて飛躍的に進んでいる。だが、顕微鏡や脳スキャナーでは心は見えない。こうした機器のおかげで、私たちは脳の生化学的な活動や電気的な活動は検知できるものの、これらの活動と結びつけられている主観的な経験にはまったくアクセスできない。二〇一八年現在で、私が直接アクセスできる心は私自身のものしかない。もし他の感覚ある生物が何を経験しているかを知りたければ、間接的な報告に基づいてそうするしかないが、そうした報告は当然ながら、多大な歪曲や制約を免れない。私たちはさまざまな人から間接的な報告をたくさん集め、繰り返し現れるパターンを統計的手法で識別することなら、間違いなくできるだろう。心理学者や脳科学者はこれまで、そのような方法のおかげで心の理解を著しく深められたばかりでなく、何百万もの命を救うことさえできた。とはいえ、間接的な報告だけを使っていたら、自ずと限界にぶつかる。科学では、特定の現象を詳しく調べるときには、直接観察するのが最善だ。たとえば人類学者は、二次情報源を大量に使うが、サモア諸島の文化を本当に理解したければ、遅かれ早かれ荷物をまとめてサモア諸島を訪れざるをえないだろう。

最近では統合失調症の研究のために脳の神経回路が発作の時どのような動きをするかモニタリングする実験が行われているようで、精神科に診察に行った時その治験者にならないかとバイトを勧められたことがある。お金は結構もらえるのだが、研究所が遠すぎたためお断りしたのだが、これからは脳をスキャンしてその動きを色々解析することで、どんな信号が送られているかがわかってくると、色々な病気が治る信号を人為的に送ることも可能になるだろう。

21世紀に生きる人類のための21の思考。普段身の回りで起こっていることを自分の問題として落とし込むのに必要な知識が学べる。サピエンス全史が過去、ホモ・デウスが未来を語るものだったのに対し、この書籍は今、ここに起こっている問題を取り扱ったものだ。

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