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『時間とはなんだろう』科学が示す驚きの〝時間観〟とは?

      2017/11/08

「時間とはなんだろう?」おそらく、普段の生活の中でこんなことを大真面目に考える機会はほとんどないと思います。なにしろ時間はあまりに身近すぎます。改めて「なんだろう?」と言われても、「時間は時間だよ。ほら時計が動いてるでしょ?アレのことだよ。そんなこと考えてもしょうがないじゃない」というのが正直なところでしょう。そんな曖昧な存在だというのに、私たちは「時間」に対してかなり具体的なイメージを共有していたりする。決して逆回しにできない、宇宙全体を流れる何かといったところでしょうか。科学が示す驚きの〝時間観〟を紐解いていきましょう。

時の流れを感じるということ

現代を生きる私たちは、ほとんど無意識に「時間が流れているからものが動く」と考えてしまいますが、自然な発展の順序からいえばこれは逆です。ものが動くから時間を認識できるのです。実際、何でも構わないので、「時間が流れているな」と感じる状況を想像してみて下さい。今の私であれば、目の前のパソコンではカーソルが点滅しています。開けっ放しドアの外では、同僚が忙しそうに歩いています。窓の外を眺めると、自動車が1台通り過ぎていきました。

これら全てに時の流れを感じる「物の動き」が伴っている。時の流れを感じる風景を切り取った結果、その中で物が動いている。皆さんが思い浮かべた「時間の流れを感じる何か」も何らかの動きや変化を伴っているはず。

絶対的に止まっている

例えば今、あなたが街のカフェでコーヒーを楽しみながら外を眺めているとしましょう。外にはたくさんの人が忙しそうに歩いています。あなたは当然、自分は止まっていて外を歩く人たちが動いている、と認識するでしょう。次に視点を変えて、歩行者の一人に、「あなたとそこでコーヒーを飲んでいる人、どちらが動いていますか?」と聞いたらどう答えるでしょう?あまり忙しそうな人に聞くとシバかれそうなので注意が必要ですが、十中八九「私(歩行者)が動いています」と答えてくれるはずです。

「絶対的に止まっている」。このような日常生活の中では誰からみても動いていたり、止まっていたりすることがこう表現できる。私たちは、暗黙の内に「地面」を想定しています。地面に対して止まっている・動いているというのが日常生活の運動となり、無意識に「地面」という基準の存在が運動の絶対性を担保してくれます。

私たちが感じる「時間」の本質は?

私たちは五感で世界に触れるときにも、考えているときにも時間を感じます。このような「感性が捉える時間」の方向が、これまで考えてきた「運動と共にある時間」の方向と一致するのはどうしてでしょう?

例えば視覚から入ってきた情報(木の映像)が意味を伴わない形として脳内のメモリに蓄えられたとする。この段階でメモリの情報量が増えます。その情報にアクセスしたCPUはその形と「木」という名前付きで記憶されている別の情報の両方を参照し、意味のなかったその形(木)が「木」という名前であると判定し、メモリにフィードバックする。こうしてメモリの中の「木」という名前と映像がリンクし、情報量が増えて行きます。

「時間方向」という視点

今の私たちには、光速(秒速30万km)という誰からみても変わらない速さがあります。すると、「1秒という時間は30万kmという距離に換算しなさい」というルールを誰に取っても共通に設定できるようになります。

全ての物体に時計がくっついていることを想像してみてください。今設定したルールによると、その時計が1秒経過すると、それは時間方向に30万km進んだことを意味するので、時計の表示を最初から「メートル」表記しても良いことに。これは光速が誰がみても普遍だからこそ可能になったことです。1秒経過で時間方向に30万km移動することから、「静止状態の物体は時間方向に光速で移動する」とも言えるのです。

一般相対性理論が語る時間の正体

さて、これまであたかもオリジナルのアイディアのように話を進めてきましたが、もちろんそんなことはなくて、この章でお話しした思考プロセスに誰よりも早く到達したのがまたしてもアインシュタインです。特殊相対性理論を発表してから10年間、アインシュタインの辿った道は紆余曲折を経ましたが、最終的に、重力の原因が時空の歪みにあると看破しました。これが有名な一般相対性理論です。

一般相対性理論は、物体が時空を曲げて「重力場」を作ることで重力が発生することを明らかにした。時空は重力のいわば仲介役。こういたことも、「時間とはなんだろう?」という問いへの答えの一つとなる。

宇宙とはなんだろう?

一般相対性理論が予言する運動に伴う作用の大きさがプランク定数と比較できるくらい小さくなるような領域が一般相対性理論の限界です。(中略)「プランクスケール」と呼ばれるこの値は、陽子や中性子のスケールである1フェムメートル(1000兆分の1メートル)から比べてもさらに20桁小さい数です。大雑把な評価とはいえ、この結果から、通常の素粒子の運動について知りたいだけなら、重力の量子論を考える必要は全くなく、普段考えている時空を安心して使って良いことがわかります。仮に重力の効果を考えたい時でも、有効理論である一般相対性理論を使えば十分です。

「時間とはなんだろう?」という問いは量子重力理論を鍵として「宇宙とはなんだろう?」という問いと同じ様相を呈することに。

普段の生活のバックグラウンドで絶え間なく動き続ける「時間」という概念を掘り下げた書籍。時間とはなんだろう?という問いに答えてくれる内容となっております。

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