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逃げられない貧困の中、生きていくためのサバイバル術を伝授

若者の貧困と高齢者の貧困は密接につながっている。若者たちへの支援が十分でないと、彼らが年齢を重ねて高齢者になったときの生活状況が、悲惨なものに。すべての人がいずれ老人になり、体が不自由になり、年金や生活保護を活用することになる時期がやってくる。高齢者の問題は、若年層、中年層の明日の問題であり、生活の根幹にかかわる問題といえるだろう。今ここで対策を打たなければ、「一億総下流社会」が到来することは目に見えている。いわゆる相対的貧困が拡大する中、この国で生きていくためのサバイバル術も伝授。

貧困の連鎖から抜け出そうと‥‥

貧困から抜け出すために、高校、大学へ進学し、なるべく安定した就職先や有利な雇用、より多くの生涯賃金を得ていきたいと考える。高校や大学生活を維持するため、朝から夜まで学費や生活費を稼ぐために、バイトを掛け持ちして、遊ぶどころか睡眠時間さえ取れないまま学生生活を続けている。卒業すれば、祝福の代わりに、奨学金という名ばかりの〝借金〟を押し付けられて、いつまで続けられるかわからないブラック企業の脅威に怯えながら仕事をしなければならない。先輩たちは長時間労働やパワハラの末に、傷つき疲れ果て、早々に離職していく。次は自分の番かもしれない。そうならないうちに転職先を探すが、どの企業もだいたい同じような境遇だ。逃げ場がない。

このような若者が多く存在する事実。東南アジアのスラムの子よりマシであると言った事を言う人がいるが、これは「絶対的貧困」と「相対的貧困」かといった問題。路上で寝なければならないような壮絶な絶対的貧困、日本ではそうではない健康で文化的な生活ができないようなもの、相対的貧困が拡大しているのだ。少し前に、今年度の有名大学(東大、慶応、早稲田)の推奨パソコンが発表され話題となった。入学金やなんかで色々と金がかかる(少子化により大学志願者は減り、授業料で稼げなくなった大学は値上げで持ちこたえている。1969年と比べると授業料は44〜45倍値上がりをした。)上、勉強するのに必須なアイテムとしてMacが推奨されている。これでは学生の負担が大きすぎで、裕福な家庭に育った学生はいいがそうではない学生には痛い出費となる。効率よく稼いで資格を取ったり留学を考えている学生の中には、風俗店で働き出すものも後をたたない。風俗業界もこうした学生たちの流入により平均年齢が下がり、28歳ぐらいになるともう客がつかないなど死活問題になっているそうだ。

SNSの匿名に隠れて貧困バッシングする人々

子供の貧困が見えにくくなっているのは、「××国では路上に寝ているストリートチルドレンもいるのに」という絶対的貧困との中途半端な、間違った比較により相殺されているからではないだろうか。そして、何より相殺に勤しんでいるのは、日本ではSNSの匿名に隠れて貧困バッシングする人々なのである。(中略)貧困なのだから映画を見てはいけない、アニメグッズをそろえてはいけない、という人々は支援されるべき貧困を「絶対的貧困」と考え、「貧しいものは貧しくしていろ」という懲罰的態度を無自覚に持っている。この傲慢さは、貧者を「劣った者」と見なし、隔離した16世紀以降の英国の貧者隔離思想、労役場への強制収容すら思い起こさせてしまう。

安い衣料品などのメーカーも増え、小綺麗にしているため、一見貧困とはわかりづらい人たちも多い。しかしこういった相対的貧困は、病気や怪我、勤務先の倒産、離職などでたちまち困窮に陥ることも多々ある。この見えにくい「相対的貧困」を可視化していく必要がある。絶対的貧困と比較して生活保護バッシングをやめない人は自分が勤務先の倒産やリストラにより転落した時、セーフティーネットが機能しなくても良いのだろうか。ストリートチルドレンのいる国に多額の寄付をしたりしているのだろうか。SNSの匿名に隠れて貧困バッシングをする人はいわゆるノイジーマイノリティだろう。気にする必要はない。

「頑張れ」と励まされても頑張れない

「がんばればみんなが豊かになった」時代は、人口が爆発的に増加していく1960年代半ばから30年くらいの間しか続かない。日本でも、夫の給料で妻子を養えた高度成長期は、せいぜい1990年代前半までだった。

こういったことを理解していない親世代は、その成功体験から、頑張りが足りない、僕らの若い頃は長時間労働も厭わなかったなどという。だが、現在は事情が違う。電通の新入社員が長時間労働で疲弊し自殺した件やヤマト運輸の残業代未払いなど。昼休みもろくに取れず、配達中の車中でパンやおにぎりをかじる。スマホの普及により、ネットショッピングの成長はまだ続いているため減らない荷物。声を上げたところから徐々に働きかた改善に向かっていくのだろうが、中小だとそうもいかない現実もある。

後半には貧困を生き抜くサバイバル術として「医療ソーシャルワーカーの助けを借りよう」「生活保護は相談ではなく申請を」「病気で無収入になった時、制度の組み合わせで切り抜ける」「奨学金には猶予制度がある」などが紹介されています。明日転落して自分が貧困に直面するかもしれない現代、知っていて損はない内容となっております。

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