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失敗しない“心のお医者さん”の選び方 かかり方|Tomy|精神科受診の前に必ず読んでおきたい1冊

本当に信頼できる精神科医を見つけるにはどうしたら良いのか?現役医師が精神科を選ぶコツを語り不安や誤解を解いていきます。病名を言わない医師、薬を大量に処方する医師など、質の悪い医師に遭遇しないためのファーストステップ。

薬漬けの患者を産む無責任処方

初診はある意味、ドクターと患者さんのお見合いのようなものです。ドクターが一方的に決めるのではなく、患者さんの話をよく聞き、情報収集し、治療方針を提案し、話し合いながら決めていきます。もちろん、最終的に責任をもって治療方針を決めるのはドクターですが、しっかり説明し患者さんにも納得してもらった上で治療を進めます。

そうしないと、患者さんとの信頼関係が築けませんし、処方された薬について患者さんも不安に思ってしまいます。N子さんのかかったドクターは、それが充分にできていないと思います。

また、初診で6種類の薬が出ているのも、量が多いのではと感じます。もし6種類出ていても、「何の薬なのか、なぜ必要なのか」がしっかり説明されていて、患者さんも納得しているならよいのですが、それがまったくないのは問題です。副作用止めが出てさらに種類が増えることもあるので、自己判断せずドクターに聞いてみるべきです。

僕の場合は初期の頃、統合失調症の症状も重く薬も結構処方されていたが、現在は通常服用するものと、頓服だけに減らしてもらいました。薬は多いと飲み忘れした時の症状の悪化が酷かったりとデメリットも多いので少ないに越したことはありません。説明もなしに大量に薬を処方してくる精神科医は疑ったほうが良いかも。

心療内科「も」診れる、なんちゃって医師

「内科・外科・心療内科」「外科・整形外科・心療内科」などのように、心療内科や精神科と関係ない科を複数書き連ね、最後に心療内科や精神科を書き加えてあることがあります。こういったクリニックは患者さんにとって入りやすいかもしれませんが、心療内科や精神科にあまり詳しくないドクターが、ついでに診ているケースがあるので要注意です。つまり、心療内科や精神科「も」診れますよという意味ですね。

ただ、ドクターが複数いるクリニックの場合、「心療内科や精神科のドクターも診察してますよ」ということがあります。自分が行こうと思っているクリニックが、いくつも科を標榜している場合、電話などで「精神科、心療内科専門の医師もいらっしゃいますか?」とたずねてみるのがよいでしょう。

ちなみにメンタルクリニックの標榜科は、精神科や心療内科が一般的です。どちらかだけ標榜することもあれば、両方標榜していることもあります。では、心療内科と精神科はどう違うのでしょうか?

厳密に言うと「心療内科」は心理的なストレスから来る身体症状、身体疾患を扱います。「精神的な要因」が深く関わっているが、病気としては内科であるもの、たとえば精神的なストレスから下痢や便秘を繰り返す「過敏性腸症候群」のような病気です。一方、「精神科」は、うつ病などの精神疾患を扱います。しかし実際、両者は区別が曖昧で、両方の科でどちらの症状も診ていることがほとんどです。

また心療内科専門の科がある医学部というのは全国でもまだまだ少なく、真の意味での心療内科のトレーニングを受けたドクターは少ないのが実情です。心療内科をうたっていても、精神科医がやっていることがほとんどなのです。

では、なぜわざわざ「心療内科」とうたうのかというと、「精神科」より「心療内科」のほうが患者さんの抵抗が少なく、敷居が低くなるからだと思います。特にクリニックでは軽症を扱うことが多いため、気軽に受診できるように心療内科もうたうのが一般的になっています。ですので、これだけでアブナイクリニックだと判断するほどではないと思います。

やはり精神科医を選ぶ場合は、専門に診てくれる医者を選ぶべきと言ったところかな。内科やその他の病院で片手間に「心療内科」を謳った医者にかかるのはあまりお勧めできません。

心のお医者さんというのはまだまだ敷居が高く抵抗感のある人が多いかもしれませんが、やはりきちんとした医者を選びたいですよね。そんな医者選びのファーストステップを助けてくれる書籍。

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