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日本はなぜ教育にこんなにお金がかかり、社会保障が脆弱なのか?

日本ではなぜ教育にお金がかかるのだろう、なぜ働く人への社会保障は少ないのだろう、どうしてこんなに税金がいやなんだろう。財政のなりたちをわかりやすく解説し、新しい社会への選択肢を考えます。弱者を生まず、誰もが安心してくらせる社会をつくるためにできることは? いまを生き、未来を若者たちへのメッセージ。

税金は安いのに痛みは大きい

多くの人は「日本の税金は重たい」、そう感じていると思います。ところが、実際には、日本の租税負担は先進国の平均を大きく下回っています。問題はさらにつづきます。先進国の中で租税負担率が大きなことで知られているのがスウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドといった北欧諸国です。事実、日本の租税負担率が二四・一%なのに対して、スウェーデンでは四九・九%となっています。これは消費税増税前の二〇一三年の数値ですが、増税後の負担率も北欧諸国には遠くおよびません。

日本の平均的な収入、世帯年収300万円から800万円くらいまでの中間層に「租税負担をどう思うか?」という質問をすると北欧諸国よりも税の負担が大きいと感じていることがわかる。これは政府の予算の使い方などに不満が多く、自分たちの政府の無駄遣いばかりに目がいっているせいでもある。社会保障や消費税の逆進性、似非累進課税の問題なども税金が重いと感じる要因の一つであるように思う。

社会保険って何?

みなさんは「そもそもどうして社会保険が必要なんだろう」と不思議に思われるかもしれません。なぜなら、いのちや生活にかかわるリスクは、民間の企業が準備している年金保険や医療保険などによって、個人の力でカバーすることができるからです。でも、考えてみましょう。民間企業はお金もうけをしなければなりません。民間の保険会社の場合、本当に必要な額よりも高い額が保険料として設定されるのではないでしょうか。また、その保険料を負担できる、余裕のある人たちだけがリスクをさけられるとすれば、みなさんはどう感じますか。

民間の保険会社による保険のみだと。貧しい人たちは切り捨てられる。そこで国としての社会保障が必要となる。僕も民間の保険に加入しているが、病気になって2度の入院をしたことで保険と社会保障のありがたみがわかった。最近の若者の中には、もらえるかどうかわからないといって国民年金を払わない人もいるが、これは国民の義務として支払っておいた方が得だよと言いたい。国民年金をかけていれば、いざ事故や病気になって障害が残った場合には社会保障により救われることになる。リスクヘッジだと思って国民年金は払っておくべき。

日本全体では障害者の割合は7% 程度。家族を加えると2〜3割の人が障害者となんらかの関わりがあることになります。こう考えると身近なリスクであることがわかっていただけるのではないだろうか。仕事を追われたり、非正規雇用に追いやられたりする中、精神的な病に襲われるリスクもあります。うつ病や不安障害の患者数は2000年代からの10年間で約1.8倍となり、15人に1人が一生のうちでうつ病にかかると言われています。

なぜ教育に対する公的な支出が少ないのか

日本をふくむ東アジアの国ぐにでは、「親が子どもの教育には責任をもち、費用を負担するのは当然のことだ」といった考え方が強いことが指摘されています。これは、南欧を除く多くのヨーロッパの国ぐにで「教育は社会の責任だ」と考えられているのとは、反対の見方だと言えます。

節約して教育費を絞り出すため旅行や、外食、レジャー、衣服などの購入費は削られてしまう。大学に進学する子の中には卒業時に重くのしかかる奨学金を借りるケースも多々ある。教育は社会の責任だというヨーロッパの考えには賛成です。そして、社会に出た後も学ぶのを辞めてしまうのではなく、常に新しいことに挑戦し続けることができる社会が理想です。

貧しい家庭に生まれたら、才能があってもその子供の将来が閉ざされることのないような教育制度の拡充が、ひいては優秀な労働者の獲得に繋がる。それができてない日本で経済成長率が下がっていくのはごく自然なことと言えるだろう。

逆回転を始めた勤労国家

公共投資、特殊法人、公務員や議員の人件費、地方自自体への補助金、生活保護の不正受給、震災復興予算と、次から次へとムダ使いのレッテルが貼られ、削減や抑制の対象とされていきました。僕はこれを「袋だたきの政治」と呼びました。じつは、このような袋だたきの対象となっているのは、地方や低所得者層といった社会的に弱い地域、弱い人たちです。都市部へと人口の集中がすすみ、中間層が貧しくなっていくなかで、こうした弱者への優しさが少しずつ失われていったのです。

それでも公務員の人件費など削れるところは削っていかなければならないと思う。公務員の給料が一流企業の平均程度となっているのはやはり不自然。すべての企業を合わせた給与水準まで落としても、リストラや倒産、合併吸収がない安心感などのメリットは多く残る。

税金を高く取られても、社会福祉や教育など幅広い分野で負担が軽くなればそれはメリットとも言える。しかし、ただただ増税するだけでは、国民は納得しないだろう。増税のたびに、予算の無駄遣いが指摘されるのも仕方ないこと。まずは不公平な似非累進課税を見直し、しっかり富裕層から所得税を取り、株や不動産なども分離課税から総合課税へと変更してちゃんと税金を徴収するようにする方が先。消費増税はその後からでも十分だと思う。国の未来を担う若者たちへ向けた、日本の財政を説明するための書籍。

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