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興味のあることや本の感想などを綴っていく雑記Blogです。

「生物に学ぶイノベーション 進化38億年の超技術」を読み生物多様性に富む日本を愛でる

      2019/03/01

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変えること、変わることの勇気を放棄したものは淘汰され、絶えず変化する状況に対し、変革・革新を行ったもののみ生き残れる。さらにその変革・革新は、他者とのつながりや環境への配慮といったバランスマネジメントのうえに成り立っている必要がある。この生物と市場競争の中で勝ち残ってきた技術との共通点は、これからの社会のあり方を考えていくうえで非常に示唆的だ。38億年の時を経てきた生物という教師たちから、学び直す楽しさと深さを感じる書籍。

タマムシの産卵の秘密

ナガヒラタタマムシと呼ばれるオーストラリアに生息する甲虫は、数十キロ先の山火事を感知して、火事がおさまったらいち早くその跡に産卵する。山火事の跡には捕食者などの天敵がいないことがその理由だ。タマムシは運河を流れている液体が熱膨張して、この感覚毛が押されるため遠くの山火事を感知できる。つまり、体内の密閉空間をうまく利用して、熱エネルギーを力学エネルギーに変換し情報を得ているのだ。この仕組みからは極めてシンプルな赤外線センサーが開発されている。

盛り上がりを見せる生物模倣技術の研究

人工多能性幹細胞、通称「iPS細胞」を生成する技術を発表し、ノーベル賞を受賞した京都大学教授の山中伸弥氏。

ガン細胞を殺さずに眠らせる昆虫由来の休眠ホルモンを用いた制ガン剤を開発している岩手大学農学部特任教授の鈴木幸一氏。

シロアリの共生細菌の酵素を使い、木質バイオマス(生物由来資源)からバイオ燃料生産を研究する理化学研究所の専任研究員、守屋繁春氏。

最近、日本においてもこうした生物模倣技術の研究は盛り上がりを見せている。こうした人々はいずれも、バイオのパイオニア、「バイオニアーズ」とも呼ぶべき「生物を活かす科学技術」「生物に学ぶ科学技術」の研究者たちだ。あらゆる細胞に変わる「iPS細胞」昆虫由来の「制ガン剤」などはこれからの医療の現場で重宝されそうな興味深い技術だ。少しでも長く生きたいという人間の欲求は時にブレイクスルーとなる技術の発見をもたらす。

汗をかけない蝶のクーラーシステム

蝶の仲間は、飲んだ水は消化管を素通りさせ暑気払いを行う。汗腺がないため、汗をかけないため、このクーラーシステムは単純でありながら理にかなっている。作業現場などで取り入れるところも出てきている着る扇風機的なの(正式名称は忘れた)がこれと似ている。

植物界におけるエポックメイキング

種子植物の登場は、植物界にとって極めてエポックメイキングな出来事だった。というのも、種子植物はタネを使って自らのテリトリーをどんどん広げることができるからである。結果、種子植物は、現在もなお地上植物の覇者としてこの地球を覆い続けている。

種子植物の中でもタネをより広範囲にばらまくため、マツの仲間は羽をつけ、タンポポは綿雲のようなパラシュートをつけた。ヤマゴボウの仲間は、タネに無数のフックをつけることで動物の体表にくっついて遠くに運ばれる方法を採用した。人間でいうとより高収入を得るため必死で働いたり、容姿を少しでもよく見せるため、メイクをしたりファッションに気を使ったりすることで異性の気を引こうとし、うまくいけば結婚をし子供を設ける。無責任に子供だけ設けて逃げ出す輩もいるが、そういった輩からはガッツリ養育費を取ってやりましょう。(そういう輩は養育費の振込からさえ逃げて払わないか)総合的に見てよりスペックの高い人間が子孫を残せるというのは生物の営みの常なのかもしれない。

生物多様性に富む日本。未だ文化の底流に、自然への敬意、利他的科学観が残っている。今に始まった事ではないが、人間が生み出す熱や二酸化炭素で温暖化が進んでいる。自然豊かで生物多様性の富む世界を維持していくことが、巡り巡って人間の暮らしを平穏なものにしていくだろう。

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