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「東京の大問題!」国際競争力が目に見えて落ちてきている東京

今、地方消滅に対する危惧と、地方創生の議論が活発ですが、わが国最大の危機は大量の人口とともに老いていく東京だ。医療、福祉、介護、教育、子育て支援などソフト面と整備から50年以上たった道路、橋、上下水道、地下鉄、地下道、公共施設などのハードなインフラの劣化。金融はロンドン、ニューヨーク、パリはおろかアジアでもシンガポールに抜かれるなど、国際競争力が目に見えて落ちてきている東京。東京が抱える様々な問題を取り上げ論じる書籍。

過去には年間1兆円も減収になったこともある都財政

待機児童解消、特養ホーム建設促進など少子高齢化対策にもっと本腰を入れること。また区部と多摩地域の格差、23区内の地域格差、生活者間の貧困格差、家庭の経済力に伴う教育格差、労働者の3分の1をも占める非正規労働者と正規労働者との格差(雇用問題)をどう解決するか。さらに道路、橋、上下水道など古くなったインフラの更新、いつ起こるかわからない首都直下型地震、集中豪雨に対する防災対策にも大きな投資が必要となるでしょう。

これらの課題解決には膨大な予算が必要だ。都財政は14兆円もあり、「自主財源」が多く豊かであると報じられていますが、実際は景気動向、企業収益に左右される法人2税への依存度が高く不安定なものです。過去には景気の後退で年間1兆円も減収になったことも。なので小池氏は不確定要素も織り込んだ都財政運営を強いられることを意識しなければならない。しっかりとした財政計画のもと、無駄のない、財政規律の保たれた運営が不可欠だ。メディアに映るからと紙の参考書類をタブレットに変えて会議をして、「紙を節約していますよ」とパフォーマンス的な行動を起こしたりする小池氏だが都全体で取り組まなければ効果は薄いだろう。

2040年には東京都では高齢者が150万人も増加

東京五輪の行われる2020年の後に、東京は大きな転換点を迎えます。高齢化が加速し、2040年には、現在よりも高齢者が150万人も増加すると予測されます。高齢者は自己防衛のためどんどん貯蓄を食いつぶし、結果、東京の貯蓄率は低下し、老朽化していくインフラの更新もままならず、都市がスラム化する恐れすらあります。

東京でも独居老人が増え、税金、家賃を負担しきれなくなった多くの高齢者が家を失い、老人ホームは圧倒的に不足。待機児童問題ばかりクローズアップされていますが、こういった待機老人問題もより深刻な状態になるだろう。救急車や消防車のは入れない木造建築密集地帯が多く残る東京の荒川区などでは地震に襲われ火が出ると大火災になる可能性もあり。集中豪雨などで許容水位を声堤防が決壊すると、いわゆるゼロメートル地帯以外でも浸水する可能性が。今、小池都政が進めている東京大改革は「都政大改革」に過ぎない。東京に暮らす人々や関わる人々にとって大事なのは成長する東京モデルを前提に組み立てられてきた、これまでの「揺りかごから墓場まで」に変わる政策の大転換を図ることだ。

ある意味、首相よりも強い都知事の権力

①首相は限られた数の国会議員によって選ばれるが、都知事は約1100万の有権者によって直接選ばれる

②都の予算規模はスウェーデンなどの国家並みの14兆円であり、職員数も17万人と飛び抜けて多いため、そのトップに立つ都知事は裁量の余地も大きい

③都知事は身分が安定しており4年間全力投球できるが、議院内閣制の首相は解散などもあり実質的に任期が不安定である

④閣僚の全員一致を原則とする合議制内閣の首相より、1人で意志決定できる独任製の都知事の方が強いリーダーシップを発揮できる

都知事が持つ実際の権力よりもむしろ〝見えざる権力〟が都知事をより大きく見せている。国際社会における東京が有する影響力、金融ではニューヨーク、ロンドン、パリ、などとともに東京の動きが大きく影響します。日本国内においても首都である東京には、政治。行政、経済、情報、文化の高次中枢機能が一極集中していて、主要テレビのキー局は全て東京にあります。新聞なども同じだ。地方の特産物でさえ、現地で売るより東京を経由した方がよく売れると言われている。都民の市場として愛されてきた築地市場は、水産物業界で「築地ブランド」として全国に知られ世界にも知れ渡っている。だから豊洲移転問題が大きく報じられるのだと理解している。

振り子の論理が働く都政

めまぐるしく都知事が変わる変動の激しい東京の政治ですが、1つ注目すべきは、2017年の夏に行われる都議選です。現在の都議会は自公与党(以前の)で過半数を超える勢力を持っていますが、小池新党云々もいわれる中、どのようにな選挙になるでしょうか。都議選は国政選挙の先行指標ともなりますが、それ以上に今後の小池都政が安定軌道に乗るかどうかを見る上でも重要な選挙です。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックへの準備、老朽化するインフラの整備、所得格差や、年代格差、地域格差などの根深い「格差問題」への対応。石原都政が経済重視・ハード重点だったとこからすると、舛添都政が手を掛けた生活重点・ソフト重点が小池都政に課せられた時代的使命のように思われるが、実際にはどのような政策を打たれるのだろう。

マスコミでは小池新党の話などで持ちきりですが、小池氏は過去にも新党立ち上げに参加したことがあり、どれも短命に終わっていることから、新党立ち上げの難しさは熟知しているだろう。その上でどんな手を打ってくるのか楽しみではある。

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