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『外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」』本当に使える「知的生産の技術」=「行動の技術」

書籍を読んだことで、実生活上、とりわけ仕事における知的生産のクオリティは向上したでしょうか?恐らく、ほとんどの人が、「本を読んだときは、なるほどそういうことか、と膝を打つ思いだったのに、実際の仕事となるとなかなかうまく生かせてないなあ」と感じているのではないだろうか。知的生産というのは、「思考の技術」そのものよりも、「情報をどう集めるか」とか「集めた情報をどう処理するか」といった「行動の技術」いわゆる「心得」によってこそ大きく左右されるもの。本書では劇的に成果が上がる、本当に使える「知的生産の技術」=「行動の技術」を詳しく解説しています。

問いを明確化する

例えば、日本におけるゲーム市場の分析に関連してなんらかの知的生産を行うというケースでは、「日本のゲーム市場に関連して、なるべく沢山資料を集めておいて」というのはダメな指示の典型といえます。こんな指示を出されたらメンバーが途方にくれるか、ありったけの記事やウェブサイトのプリントアウトを前に、リーダーが途方にくれるかのどちらかになるだけです。この場合、出さなければならない指示は、日本のゲーム市場について、

  • どのくらい市場規模があるのか?
  • 市場規模は拡大傾向にあるのか?または縮小しているのか?
  • どのような市場セグメントに分けられるのか?
  • セグメントごとの拡大/縮小トレンドはどうなっているのか?
  • 各セグメントの収益モデルは同じなのか?違うのか?
  • 違うとすればどのように違うのか?
  • 各セグメントの主要プレイヤーは誰か?
  • 彼らの強みはそれぞれ何か?一方で不安要素は何にか?

といった問いに、ある程度答えが見えるような資料を集めておいて、という指示になります。

このように「問い」で指示を出された方が何をすればいいのかが明確にイメージできる。「ここまでやれば及第点」という目安を提示されれば、自分が作業工程のどこまで進んでいるかを把握できるので時間の使い方の判断も自主的にできるようになる「なるべく沢山資料を集めておいて」などという指示はマネジメントとは呼べない。プロフェッショナルというのは80%の力でクライアントを継続的に満足させられる人のことだ。常に100%の力を出そうとするのはアマチュアだ。

強いのは一次情報

そもそも、知的生産の実務においてインパクトのある成果物を生み出すためには大きく二つのやり方があります。一つは、相手が知らないような一次情報を集めて情報の非対称性を生み出すというアプローチです。これが相手にとってインパクトのある知的アウトプットになる、ということはおわかりでしょう。もう一つは、顧客が既に知っている二次情報を高度に情報処理しインサイト=洞察を生み出すというアプローチです。

価値ある一次情報を手に入れられれば知的生産のビギナーであってもそれだけでインパクトのある知的アウトプットを生み出すことができる。ブログをやっていると一次情報の重要性が身にしみてわかる。二次情報だと反応が鈍いが少しでもPVを稼げる記事をと記事を書くかどうかが悩みどころだ。

どうして君は他人の報告を信じるばかりで、自分の目で観察したり見たりしなかったのですか。

ガリレオ・ガリレイ『天文対話』

知的生産に関わっていると多くの情報ソースを当たったが思うように情報を得られず途方にくれるという状況が必ずある。しかしそこで、決して「ありません」「できません」とは言わず逆立ちしてでも何とかしてひねり出す姿勢が大事。イノベーションのほとんどは「思いついた人」ではなく「あきらめなかった人」が実現しているのと同様に。

学習のSカーブを意識する

学習曲線を立ち上げるには一定の臨界量を超えるインプットが必要であり、したがって「少なすぎる情報」はもちろん問題となります。一方で、インプット量がある一線を超えると学習効果は逓減してしまい、時間投資に見合った効果を得られなくなります。分野にもよりますが、高度専門家としてその分野で仕事をはじめる、ということでもない限り、三〜五冊程度の主要書籍・解説書に目を通しておけば、ほぼ十分な情報量が得られるはずです。

既にある程度の知識を持っている領域については、追加でインプットしてもあまり意味がなく、費用対効果が薄い。これは時間的プレッシャーがかかる場面では致命的。ある分野について勉強しようというとき読む書籍はマックスで5冊という目安を持っておけば常時費用対効果の高い情報が得られる。

英国の名門陶器メーカーのエレガントな問題解決法

英国の名門陶器メーカーの事例です。このメーカーはそれまで破損防止のために箱詰めに用いていたおがくずを、コスト削減のために古新聞に変更しました。ところが、資材そのもののコストは下がったものの、箱詰めの作業員が新聞を読むようになってしまって作業効率が低下し、結局、全体としてのコストは以前より増えてしまいました。

この問題の解決策としてこのメーカーが行ったのは視覚障害者を雇って箱詰めを行うというもの。結果、作業効率は大幅に改善し、また障害者の雇用にもつながるというエレガントな問題解決へ。

このほか、非常に難解な本を、歯を食いしばって読んでもそういった読書は不毛な結果に終わることが多く、知的ストックは1ミリも厚くならないなど読書人なら一度は経験したことがありそうな〝あるある〟も載っていて共感できた。

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