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「日本で老いて死ぬということ」を読んで「2025年問題」を考える

      2016/11/14

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「2025年問題」というのをご存知だろうか。約650万人いる「団塊の世代」(1947〜49年生まれ)がすべて75歳以上になり、特に都市部で医療・介護の提供体制が追いつかなくなる問題で2030年にはいわば「死に場所難民」が約47万人にのぼり病院のベットが圧倒的に足りなくなる可能性がある、というのです。2025年の神奈川県では6人に1人が75歳以上になるという。厚生労働省もこれまでの、「病院完結型」から「地域完結型」への転換を目指している。そういった取り組みや「看取り」「在宅医療」「介護」の現場をめぐり様々な事例を紹介しながら、問題解決の糸口を探っていく書籍です。

「生きがいを感じる」が8割 60歳以上

2014年版「高齢者白書」によると60歳以上の8割が「生きがいを感じている」と回答。「十分に感じている」と「多少感じている」が各4割で男女別に見ると、男性79.8%、女性83.2%と男性の方が低い結果に。また、ソニー生命の2013年のインターネットで50〜79歳の男女1000人に「生きがい」「やる気の源」についてアンケートをとった結果、「(旅行など)趣味」(61.1%)がトップで、「パートナー(妻・夫・恋人)」(43.9%)、「夢・志」(27.3%)で「ペット」と答えた人も10.6%いて、ペットがシニアにとっても大切な存在であることがわかった。

最後を迎えたい場所「自宅」理想とのギャップ

最後を迎えたい場所としては「自宅」(54.6%)でトップで「医療施設」(27.7%)が続いて2位だが、実際自宅で亡くなった人は12.8%にすぎない。最期まで自宅療養が困難な理由として「介護してくれる家族に負担がかかる」(79.5%)が最も多く「病状が急変した時の対応に不安」「経済的負担が大きい」などが続いた。こうしてみると、介護する家族への気遣いも、在宅死が広がっていかない要因の一つと言えそうだ。

ダブルケア

介護と子育て両方をこなさなくてはいけなくなる場合、未だこういったケースにうまく対応できる支援が行き届いていない。子供が二人以上いる場合などで、同じ保育園に入れたいけど、入所ランク(A〜H)の考え方は「労働」「介護」「通学」など保育ができない要件ごとでダブルケアのように異なる要件ごとの時間は合算されないので優先順位が低くなってしまうのが現状だ。働き方や男女平等、介護保険・保育制度、少子化など、現代の様々な問題を内包している「ダブルケア」。介護や育児のサービスが連携することに加え、男女が共に介護と育児に関われるような柔軟な働き方が必要で、女性に負担がかかりがちなこの問題の解決には、長時間労働を抑制し、男性も介護や育児を担う仕組みが必要だ。

細分化されている介護保険サービスの比較

<小規模多機能型居宅介護>

対象者:介護が必要で、自宅で暮らす人

長所:住み慣れた家・地域での生活を続けられる。いつも顔なじみの職員が対応する

短所:三つのサービス(通い、宿泊、訪問介護)のうち気に入らないものがあっても、それだけ他の事業所を利用することはできない。

<特別養護老人ホーム>

対象者:自宅での生活が困難な人の入浴や食事の介助、排泄などの世話をする

長所:終のすみかと呼ばれ、高齢者が生活する場として位置づけられている。比較的安価で長期の入所が可能

短所:重度の入所者が多く、入所待ちの高齢者も多い

<介護老人保健施設>

対象者:退院後などでリハビリや看護・介護が必要な高齢者が入所

長所:理学療法士や作業療法士らが、リハビリを行う。医師や看護師も配置されている

短所:在宅復帰を目指すため、長期間の入所が目的ではない

<介護療養型医療施設>

対象者:症状が落ち着いているものの、長期の治療が必要な人が対象

長所:医療的なケアが手厚く、看取りやターミナルケアの実施が多い

短所:費用が特養や老健などより割高。2017年度までに制度としては廃止予定で、12年度以降は新設は認められていない

<グループホーム>

対象者:認知症高齢者

長所:少人数で家庭的な雰囲気の中で、共同生活しながら、介護を受ける

短所:介護度が重くなると、住み続けるのが難しくなる

<介護付き有料老人ホーム>

対象者:介護が必要な高齢者

長所:住まいとして位置づけられ、価格やサービスは多様

短所:入居一時金や月々の支払いが高額なところもある

避けては通れない「2025年問題」様々な介護や終末期のケースを見てきたが、これに加え嫁が旦那の親の面倒を見る場合の難しさも身近で見てきた。多様になる終末期の医療サービスなども、これからもっと急ピッチに充実させていかないと増加する高齢者に押しつぶされる危険もありそうだ。

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