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「アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!」知っておいた方が良いTTPの真実

      2019/03/01

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TPP協定は本文、附属書、交換文書を入れて6,300頁もあるが、政府は国会での審議が始まるまで、日本語訳は出さないという。国民には「遺伝子組み換え食品も国民皆保険もこれまでと変わりありません。大丈夫です」と嘘をついて、ほんとうのTPPの内容を一切知られないまま、国会承認、批准までしてしまうつもりだ。このままでは日本は破滅に向かう。TPP反対派の急先鋒である元農水大臣の山田正彦氏が、専門家たちによる分析チームを結成して6,300頁のTPP文書を精査しTPPの恐ろしさや問題点を分野ごとに解説した書籍。

TPP批准に向けて

TPP協定は署名から2年以内に、GDPの85%を占める国であって、6カ国以上の批准がなければ発効できない。アメリカか日本のいずれかが2018年2月3日までに批准しなければこの協定は流れるのだ。アメリカでは、合衆国憲法で大統領には通商の交渉権限はなく、連邦議会から大統領へ通商交渉権を与えるTPA法案の採決が上院、下院の多数決で採決しなければならないことになっている。このTPA法案の採決が今回のTPP協定のアメリカでの批准の前哨戦だったと言える。TPA法案可決は難産だったがたった1票差で可決された。その裏では企業の政治献金などで製薬会社などのロビイストが活発に動き回ったに違いない。ご存知の通りアメリカでは政治献金は青天井なのだ。

米国連邦議会ではTPP協定は批准されることはない

TPP署名前までは積極的に賛成していた議員までもがいまや反対に回っている。それに加え、TPPを推進してきた農業団体、製糖業界、酪農団体からも不満の声が上がっており批准に際して纏まってはいない。それどころか、民主党の大きな支持基盤である全米労働総同盟の会長は「TPPに賛成する議員は今年の11月の選挙で一人残らず落とす」と断言しているほどだ。

韓国に次いで日本の畜産業の7割は廃業に追い込まれる

韓国の生協幹部にお会いすることができたので、韓国の現状を尋ねたところ「韓国で焼肉を食べに行っても全て米国産の牛肉で、野菜は8割中国産で、コメだけが韓国産です。」と語っていた。

豚肉にしても40%ほどやすい値段で流通することとなり、肉品質において差別化が難しい状態で米国産との競争にされされる。何万頭も飼育する業者は別として、2,000頭規模の中小業者は現在でさえ赤字経営なのに追い打ちをかけることとなる。

ISD条項で投資家とのバトル勃発

ISD条項とは多国間における企業(投資家)と政府との、賠償を求める紛争の方法を定めた条項のこと。 Investor State Dispute Settlementの略語で、ISDSとも言う。 日本語では「投資家対国家間の紛争解決条項」などと訳されるものでこれが厄介。もし日本が独自に救済措置として行っている様々な施策を不服として、ISD条項により日本が訴えられるといったことになると政府は莫大な賠償金を払わなくてはならない。本書では詳しく例を挙げて書かれているので是非読んでみて欲しい。

日本のコメも長期的には関税撤廃の方向へ

「TPPで日本のコメは関税を守れますか」「それはあり得ない。もしも日本がそのようなことを言い出したら、マレーシアも自動車で例外を求めたい。そうなったらこのTPPの交渉は成り立たなくなる。各国ともそのことはよくわかっている」

TPPに批准すると、我が国のコメもカルフォルニア産コシヒカリなどに代替していくだろう。最初は消費者も国産米を買うだろうが、徐々にカルフォルニア産といったやすいコメに人気が集まるのは必至だ。TPP協定では、協定成立後、4年間は秘密保持義務が課されているので、コメの関税撤廃にも25年〜30年で密約があるのではないかと疑ってしまう。

農産物の関税が撤廃されたら日本はどうなるか

日本の農業は過保護だから、国際競争がなくなって、衰弱してきた。これからTPPによって自由化の競争に晒されればショック療法で〝強い農業〟として1兆円の輸出産業になるのだ」と日本のメディアは盛んに宣伝している。

20ヘクタールの広さでコメを栽培している農業生産法人は、2015年には2,000万円〜3,000万円の赤字を出している深刻な状況にある。コシヒカリなどでは様々な国で栽培されており、インターネットでベトナム産コシヒカリが5キロ50円で売り出されていたという衝撃的な事実も。

遺伝子組み換え商品という表示や産地などの表示ができなくなる可能性も

現在では遺伝子組み換え大豆やトウモロコシなど表示がなされているが、これが不利益となって売り上げが伸びない原因となっていると判断されれば、前述のISD条項により表示されなくなる可能性も出てきた。TPPは一次産業に打撃を与えるだけではなく、遺伝子組み換えや成長ホルモンを注入された牛や豚など食の安全まで脅かされる事態になりかねない。

データ保護期間の延長で日本の医薬品の価格はどう変わるか

アメリカの狙いは、日本の40兆円の医療市場。日本人の人口が世界に占める割合は1.6%に過ぎないが、世界の医療品の4割を消費している。薬好きな日本人はアメリカの製薬会社にとって最高の顧客となりうるのだ。しかしタミフル一錠7万円じゃ誰も買わないよな。日本も病気になっても病院に行けない国になってしまう懸念がある。

TPPに関する様々な懸念や問題点を顕にしたなかなか読みごたえのある書籍だった。理解しながら読もうとすると若干ペースが落ちるが知っていた方が良いTPPの真実がここにある。

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