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「アマゾンと物流大戦争」ロジスティクス・カンパニーの巨人アマゾン

      2017/02/13

アマゾンが強力な磁石を持ちあらゆるビジネスを変えて行く。特に日本では、アマゾンが関わる世界とは無縁ではいられません。なぜアマゾンの急成長に危機感を覚えるのか。その理由は、彼らの本質が「ロジスティクス・カンパニー」であるからです。ジェフ・ベゾスが公言する通り、ロジスティクス(経済において、原材料調達から生産・販売に至るまでの物流を企業が合理化するための手段)こそが彼らの強み。気鋭の物流コンサルタントが、日米ビジネスの最前線からレポート。

なんでも扱うエブリシング・ストアへ

2016年7月に行われたアマゾンのセールでは、日産自動車の「GT-R」2017年モデルが限定1台(車両本体価格:1170万5040円)で売られましたが、無事に買い手がついて「在庫切れ」となったことが話題となりました。1000万円を超える商品をネット通販で買う時代が今訪れているのです。

GT-Rといえば僕ら世代の憧れの車、そのせいか、古い型の車両でも未だに高額で取引されている。そんな国産高級車がアマゾンで売れた。これは車離れが進んでいると言われて久しい現在、面白い試みである。日産はこのほかにも、Kindleで新車のカタログが無料で読めるよう配信したりアマゾンをフルに活用している。カタログをもらいにディーラーに行くとアンケートと称し、住所などの記入を求められしつこく営業を受けることになり、嫌な思いをすることもある。しかし、Kindleで無料でカタログを配信すればそういったハードルがなくなる。現在、全35車種のカタログが配信中です。買う気がなくてもカタログは見ているだけでも楽しいので、興味のある方はどうぞ。

利益度外視の先進性

2015年11月に発表された、注文から最短1時間で商品を届ける「プライム・ナウ(PrimeNow)」にも、日本の多くのビジネスパーソンは度肝を抜かれました。品揃えは卵や牛乳、ヨーグルトといった生鮮食品を含む2万点弱で、スマートフォンで専用アプリをダウンロードすれば、すぐに利用することができます。

このサービスを提供するにあたり、小型物流センターを次々に設置。もちろん利用者が増えなければ物流センターの管理維持費は重い固定費となってのしかかり赤字となってしまう。配達を担当する配送業者からは一部悲鳴も。便利は便利だが、2500円以上買わなくてはならず、ちょっと足りないものを買い足しという使い方はできないのと、欲しい商品が検索でヒットしないなどの不満も残る。アマゾンで普通に買い物しても翌日配送なのでそれで十分な気もするが、およそ2万点の商品の中、どんな商品がラインナップされているかがわかると意外と使い勝手がいいかもしれない。

拡大するネット通販

小売・サービス業に占めるECの割合(EC化率)は、4.75%と前年から0.38ポイント上昇し、引き続き増加傾向にあります。(中略)ECが先行している英国12.4%、米国7%と比べても低く、日本のEC市場はまだまだ大きくなるでしょう。

最近では実店舗で商品を手にとって見て、購入はネット通販で最安値のお店からなんていう人も増えている。今まで試着ができないため敬遠されがちだった洋服や靴も返品やサイズ変更を無料で行うECサイトやサービスも増えており実店舗のメリットも薄れつつある。僕の場合、最初のうちはネット通販で買ったりするとサイズが合わなくて返品することも多かった。しかし最近では、買った洋服や靴のサイズなどをブランドと共にメモしEvernoteにガンガンぶち込んで蓄積したデータから自分に最適なサイズをECサイトのデータから導き出せるようになり返品することもほぼなくなりました。

それでも好きになれない楽天のユーザーインターフェイス

楽天市場が伸び悩んでいるという話題になると、よく「楽天のサイトは商品が買いにくい」という話を聞きます。欲しい商品を検索すると複数の同じ商品が表示されたり、送料も店舗ごとに異なるため価格だけで比較することができず、そもそも店舗によりデザインが全く違うので使いづらい、というのです。しかし、サイトのデザイン自体は昔から大きく変わっておらず、それで売り上げを伸ばしてきたことを考えると、楽天市場の売り上げが伸びない理由をサイトのデザインや使い勝手だけで語るのはミスリードでしょう。

それでも好きになれない楽天のユーザーインターフェイス。好んで使おうとは思わないし、5000ポイント付いても〝楽天カードマン〟にもなりたくない。無駄にカードが増えるのは嫌だし。使うのは欲しい商品がアマゾンや他のECサイトで見つからず楽天でしかヒットしなかった場合のみ仕方なくww

楽天の失敗は、ロジスティクスを短期で買えるもの、つまりコストだと考えたこと。アマゾンはこれを長期で構築する投資だと考えたところに決定的な違いが現れた。モール型ネット通販か総合ネット通販かという違いもあるがロジスティクスが今後の成否を分けることは間違いない。

他にも富山の置き薬商法と似たオフィスグリコの成功や、アスクル成功の要因、寡占が進む宅配業界、深刻なトラック不足と「再配達」問題など物流大戦争の様相が事細かに論じられていて面白かった。

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