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「日本エリートはズレている」日本の認識と世界のズレを指摘

ドバイ、中国、韓国で勤務経験がある著者が、「石油が出るというラッキーなだけの国」「反日で物まねのでたらめな国」ならここまでの繁栄は達成できなかっただろうという視点で各国を紹介。グローバルビジネスの最前線では「たまたま」とか「ずるい」なんてことを言っていたらたちまち日本は置いていかれるだろう。日本の認識と世界のズレを指摘していく書籍。

自由度が高いドバイの建築業

ドバイに住む日本人の話も一つ紹介しよう。若手建築家がこう言っていた。「世界に知られた日本の建築家は多いけど、ドバイの建築の仕事の方が私にはやりがいがある。日本は空間と予算が限られ、仕事とは〝無駄を削る〟こと。その発想で図面を書いたら、『君は仕事をしていない。独自のものを作っていない』と言われた。ドバイの依頼主は金があり、一流の資材を支え、とても良い建築、設計をしてくれと言う。実力主義なのもうれしい。有名建築家の弟子でないと良い仕事がまわってこない、なんてことはない」

逆に日本の建築現場の良いところは大工さんや左官屋さんをはじめとする現場の職人がプライドを持って仕事をするところ。ドバイでは手抜きも多く、厳しくチェックしなくてはならないそうだ。やはりクリエイティブな仕事をする人々にとって潤沢な予算を組めることは魅力の一つ。素晴らしい仕事をすればそれがまた次の仕事につながる名刺となる。

国際ビジネスについては中国人の方が研究熱心

「日本人は研究熱心だと言うけれど、国際ビジネスについては、中国人の方が研究熱心です。モノづくりの技術は大事だけれど、ビジネスのいくつかの柱の一つにしかすぎない。日本企業は、外国人の使い方、外国市場のニーズ把握の工夫を、なぜされないのでしょうか」「より根本的に、日本は世界に関心がなくなっている、それが最大の問題ではないでしょうか。中国の若いビジネスマンの方が、海外に関心が強いですね。世界の動き宇賀自分の商売にも自国の評判にも直結するとわかっています。広い世界を知りたい、行ってみたいと、少し意欲のある若者はみな思っています。日本は内向きで覇気がない。世界のことなど関心ない、関係ないというのは現実離れした世界観で、日本の利益にならないのではないでしょうか」

もちろん日本の若者の中にも世界に打って出る気概を持った者もいる。一方、ガラパゴス化した社会と言われて久しい日本では国内で全て完結できる(海外で流行りのものなどもすぐ日本上陸する)土壌があり若者たちの留学なども他の国と比べて著しく少ない。国内の需要が飽和状態にあるビジネスの世界で成長戦略を練るには海外に飛び出す他はない。日本文化の売り込みなどは結構うまく行っていてアニメや漫画などは外国のファンも多い。舞台を世界にシフトすることで得られる伸び代は大きく期待が持てる。

英語は必ずしも生存に必要なツールではない

(日本では)「英語は必ずしも生存に必要なツールではない。英語はある意味、帰国子女など限られた人々が使える贅沢なもの、(中略)海外に行った人が使う風変わりなもの、という位置付けで捉えているように思う」(『殿様経営の日本+皇帝経営の韓国=最強企業の作りかた』United Books)

皮肉な表現だが、僕自身もこう行った考えを持つ人間の一人だ。いくら英語の重要性を説かれたとしても自分には必要ない、身の丈の合わないスキルの一つとしか認識できない。しかし昨今、英語ができないことにより自分が情弱となる時代に突入。インターネットやSNSが普及した今、英語ができれば世界が広がるのだろうなという憧れのようなものは持つようになった。いくら、Google翻訳やSiriが流暢な日本語に翻訳してくれるようになろうとも、複数人数のコミュニケーションでは役に立たない。しかし、何のために学ぶのかがいまいち想像しづらいのも事実。会社が買収され外資となり上司がいきなり外人になる可能性や、社内公用語をいきなり英語にしますなんてのを英語ができないリスクとして語る人もいるがそれも僕には関係なさそうだ。海外旅行にも行こうなんて思わないし‥‥

70〜80年代の強さの上にあぐらをかいていてはいけない

「日本ビジネスも一定分野では健闘しています。でも全体では日本ではなく中韓が実績を伸ばし、力をつけています。大型案件もそうです。地方企業や各国企業を束ね多数の労働者を雇用する、リスクを取れる体力、意欲が日本に亡くなったのでしょうか」

70〜80年代の強さの上にあぐらをかき上から目線になっている日本の本社。中韓が中東に積極的に食い込んで案件を取り、力をつけているのは間違い無いという。日本と違って中国の方が魅力がある理由としてビジネスのサイズが挙げられるという。インフラ投資等の大きな案件でも何とか軌道に乗せてくれ、スピードも早い。価格競争力もあり、ビジネスに柔軟性がある。中国の方が仕事に対して貪欲なのだ。

後半では「外から学ばなくなった日本」「日本の常識と世界のギャップ」「アウェーでの日本発信ーー中・韓・ドバイ現地レポート」と題し世界と日本の差やズレを指摘。庶民の僕にはグローバルエリートの話なんか聞いても実感がわかないが、日本のエリート層には読んでもらいもっと日本を売り込んで欲しいと思う他人任せな僕でしたww

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