50代、会社人生から脱却し、組織人から「個人」へとステージを移すための方法を説く。1万人の話を聞いてきた男による先人たちからのアドバイス「50代を後悔しないためにやっておくべきこと」とは?
「出世競争から降りた人」のほうが楽しそうという現実
出世レースは、すでに 40 代で決着がついてしまっているものです。もし、自分がそのレールに乗っていないとしたら…… 40 代の頃はそれを気に病んだかもしれませんが、 50 代になったら、むしろ幸いだと思うべきです。
というのも私の経験上、 50 代あるいはそれ以前で「出世競争から降りた人」のほうが、最後まで出世レースに参加した人よりも明らかに楽しい定年後を送っている からです。
常に勝ち負けにこだわり、ライバルと張り合い、数字に一喜一憂する生活は、おそらく、人間にさまざまなストレスを与えるのでしょう。それが突発性難聴、パニック障害といった病気として現れた知人は何人もいます。原因不明の病気として知られるメニエール病になった人も、片手では足りないくらい知っています。
出世競争は思いのほか体力、精神力を使います。40代でほぼ決着がついているにもかかわらず、頑なに昇進に執着すると疲れるばかりか精神が壊れてしまう人も多数。これは若い人でも起こることで自分のキャパを超えない程度にやらないと病気を発症したりして最悪の事態に。
やりたくないことを排除したら、仕事が楽しくなった!
例えば、「これだけはやりたくないこと」「苦手なこと」を挙げてみるのです。
「誰かを管理監督、指導するようなストレスはまっぴらごめん」 「数字なんて見たくないから、経理部門なんて絶対に嫌」 「顧客からガミガミ言われたくないから営業なんて無理」 といったものです。
そして、そうした やりたくないこと、苦手なこと以外だったらなんでもいいと割り切ってしまう のです。
一つ事例を挙げましょう。
大手損保で営業部長まで務めたCさんですが、実は管理職に向いていないと常々思っていたそうです。そこで定年後は時給1400円のデータ入力の仕事を選びました。
周りの人は口々に「もったいない」と言いましたが、本人はストレスなく毎日楽しそうに仕事をしています。実は一度、時給を上げるので他の人を指導するスーパーバイザー的な役割を担ってほしいと打診があったそうですが、それも断ったそうです。
このCさんのように、プライドやお金から解放されることで楽しそうに仕事をしている人は意外と多いものです。
僕の叔母は関西の大学で教授をしていたのですが兄弟の暮らす関東に戻るため転職しました。その際、准教授でどうかという打診があったのですが、いえ教授でと譲りませんでした。結果大学の経営にまで参加しなければならず仕事は大変極まりないものに。仕事が趣味という人ならいいが大半の人はお金のために働いているだけかと思います。そこそこの給料がもらえればOKという方は無理して大変な仕事をするよりも簡単な仕事にシフトして余暇を楽しむ方が正解ということもあります。
50歳からをゆるく生きるためのモデルケースを紹介。バリバリ働くだけが人生じゃない。適度に働きよく遊ぶためのもう一つのキャリアプラン。
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