勉強効率を上げる睡眠と脳の使い方を紹介。毎日の眠りをちょっと変えるだけで記憶力が高まり脳に良い影響が!!多くの現場で実践されてきた効果絶大な眠り方とは?
睡眠が脳の働きを決める
たとえば、あまり眠れなかった翌日の仕事中や授業中、同僚がボールペンをカチカチ鳴らしていたり隣の人が貧乏ゆすりをしているのが気になって、ちっとも集中できない──そのような経験をしたことはありませんか。
これは、睡眠不足によって、脳の 扁桃 体 という部位が過剰に活動しているサインです。
扁桃体の役割は、見たり聞いたりしたことが、自分にとって害になるものかそうでないかを判断することです。 睡眠不足になると、この扁桃体が過剰に働き、自分に害になることはできるだけ早く発見しようとピリピリしてしまいます。
あなたが人前でスピーチをしている途中で後ろの方に座っている人が伸びをしているのが見えたとします。普段のあなたならば、それが目に入ってもたいして気にならないのに、睡眠不足だとやたらと気になってしまいます。
このように扁桃体が不快なものを見つけたとき、生理的には、心拍数が上がる、呼吸が浅くなる、手や背中にべったりとした汗をかくといった反応が表れます。この生理反応に気がついたあなたは、「不安になっている」「焦っている」と自覚し、ますます生理的な不安反応が強まるというストレスの悪循環が起こります。
睡眠不足だと、たとえストレスがほとんどない環境でも、過剰にストレスを見つけてしまう のです。
その結果として、集中力が低下してしまい、頭の働きが鈍くなります。
このように睡眠不足の脳は、どうでもよいことにいちいちカチンときたり、会話の中の些細な言い回しを聞き流すことができなくなってしまいます。相手のしぐさや言い方が気になったり、生理的に受け付けないと感じたら、それは不機嫌やストレスではなく睡眠不足の可能性があると考えましょう。
よく「ストレスで眠れない」という相談を受けることがありますが、むしろ「睡眠不足のせいでどうでもよいこともストレスに感じている」という状態なのです。
睡眠不足の原因がストレスだとしてしまえば正しい対応はできなくなりますが、むしろストレスが睡眠不足による脳の反応だと知っていれば、正しい対応をとることができます。
僕はほとんどの不調を睡眠で回復するようにしています。便利な体で不安や悩み事なども寝たら忘れます(笑)。ストレスコントロールの方法としては睡眠は秀逸。逆に睡眠不足が続くと体調不良や思考力の低下でパフォーマンスが落ちたりするので要注意。
得意な勉強と苦手な勉強で環境を変える
分かる状況と分からない状況を意図的につくることで、脳の中では、ノルアドレナリンという物質の量が調整されます。ノルアドレナリンとは、脳を目覚めさせる役割を担っていて、私たちが集中するために必要な物質です。
ただ、このノルアドレナリンの量と、私たちの集中力の間には、少し変わった関係があります。ノルアドレナリンは単に増えればよいというわけではありません。
私たちの脳は、ノルアドレナリンが少なすぎても集中できませんが、逆に多すぎても集中できなくなります。
たとえば、単調な口調ですでに知っている内容の講義を淡々とされると、その授業は集中できず、眠くなりますよね?
しかし、知らない分野の専門用語がたくさん登場する講義や、極端に緊張する場面でも、集中力がなくなり眠くなりがちです。
これはノルアドレナリンと集中力の関係を示す現象です。情報量が多いときほど、ノルアドレナリンが出ますが、縦軸を集中力、横軸を情報量でグラフにすると、次ページのようにUの字を逆さにした曲線があらわれるのです。
私の睡眠外来には、「授業中に眠くてしょうがない」という悩みで来院される学生が多くいます。私は、その対策の1つとして、 授業が始まる前に、その日の授業の範囲の教科書を大雑把に目を通しておく ようアドバイスをしています。これは、分からないことが多すぎてノルアドレナリンが増えすぎる状況を防ぐことが目的です。
生産性を上げるためにもぜひサードプレイスを見つけてほしい。自宅と会社以外に集中できる場所を確保していると気分転換になります。どん詰まりだった案件や絞り出そうにも何も出てこないアイデアもそういったところで気分を変えると解決の糸口が見えてきます。
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