明治・大正・昭和を生きた大文豪・幸田露伴が明治末に書いた人生論。多くの人に読み継げれてきた本書は努力論の最も重要な箇所を選び出し現代に即した形で超訳。読みやすい形でお届け!!
「努力している」と思っているうちはまだまだダメだ
努力することは素晴らしいことだ。しかし、自分が努力していると思っているうちは、まだまだダメだ。そこにはまだ自分の中にやりたくない気持ちが残っていて、それでも無理にやっているという不自然さがある。 努力している、あるいは、努力しようとしているという意識をもたず、自分がやっていることが自分にとって自然であると感じられるような努力をしよう。それこそが努力の真髄であり、醍醐味なのだ。
努力を努力と思わないそんな境地に達した時初めて身に付くもの。なんのスポーツでも学問でもそうした閾値があるように思います。それを1万時間の法則のように時間に換算することも。
成功者は運命を忘れ、失敗者は個人の力を忘れる
川をはさんで同じような村があった。左岸の農夫は豆を植え、右岸の農夫も豆を植えた。ところが、秋になって洪水が発生し、左岸の堤防は決壊したが、右岸の堤防は決壊を免れた。 このとき、左岸の農夫は運命が自分に味方してくれなかったことを嘆いた。右岸の農夫は自分が汗水垂らして一生懸命働いたからこそ決壊を免れ、収穫を得ることができたと考えた。 このどちらか一方だけが正しいというわけではない。どちらにも、天運も人の力もあったのだ。 ただ、左岸の農夫は人力のことを忘れて運命のことだけを言い、右岸の農夫は運命のことを忘れて人力のことだけを言ったにすぎない。人力や運命が一方だけにかたよっていたわけではないのだ。
何事もうまくいかなかったときに人のせいにしたがる人は一定数いる。自分の努力が足りなかったと反省する人の方が少ないのではなどと思ったりもする。人のせいにするのは簡単だがそれでは思考停止、成長が止まってしまう原因に。
新しいことがいいとはかぎらない
新しいもの、最新のものであれば何でもよいものであるかのように錯覚する人がいる。実際には古くさいものでも、「新」という字をつければ飛びつく人がたくさんいるのだ。 しかしよく考えてみればわかるように、何でも新しければいいというものではない。 新しくあるべきものが新しいことはいいことだ。ビールは新しいものがいいというのは、新しくあるべきものが新しいからいいのだ。「新しい=いい」ということではない。ビールは新しいほうがいいからといって、ワインも新しいほうがいいということにはならないのだ。
新しいものが良いかというと当てはまらないものも世の中にたくさんある。あえて古いものを好む人もいるぐらい。僕は比較的新し物好きだが、それでも全てにおいて最新のものを手にすることは叶わない。「新しい=いい」という等式は成り立たないのだ。
努力にまつわる様々なことを解説。昔から変わらぬこの書籍に書いてあるようなことは真理に近いかと思います。
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