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論理的美術鑑賞 人物×背景×時代でどんな絵画でも読み解ける|堀越 啓

今すぐ実践できるフレームワークを使った鑑賞法を解説します。見るべきポイントがわかり、どんな作品でも自分で読み解けるようになります。美術を深く理解することで、感性も磨かれます。感性を高める「美術の見方」を手に入れませんか?

感性が鋭い人しか美術を理解できないという誤解

「美術って感性とかセンスがある人にしかわからないものでしょ? だから、自分には一生理解できないはず」という先入観から抜けられない方も多いかと思います。私も長い間、「美術を理解するためには感性が不可欠」だと信じていました。「美術は、正体不明でつかみどころがなく、一部の感性の鋭い人にしか理解できないもの」「美術を深く理解するには、生まれつき備わっている感性という『才能』が必要なんだ」と思い込んで、理解することをどこかで諦めていました。

しかし、これは「誤解」です。はっきりいってしまえば、このように感じられる原因は、「美術は何の情報や知識も入れずに感性で理解するもの」という誤った前提 がはびこっているせいです。しかし、 20 世紀までの「西洋美術」と呼ばれる作品を真の意味で理解するためには、その作品に関する情報や知識が不可欠です。なぜかというと、西洋美術は日本人が理解しづらい要素が満載だからです。文化・宗教的な土台が全く異なるだけでなく、「当時の人々の政治、経済、社会生活などの状況が想像できない」というケースもあります。そうした前提知識がなければ いくら感性が優れていたとしても、美術を真に理解することはできません。

これらのわからなさが相まっていくことで、「美術は難しい」という固定観念が定着してしまったのでしょう。確かに、このような違いを「感性だけ」で理解することは、とてもできません。もともと感性が優れている人であっても、この前提を理解していないと、西洋絵画の奥深さを味わうことが難しく、いつまでたっても展覧会が物足りなく感じられてしまうのです。つまり、時代背景や知識などを上手に取り入れるための「読み解き方」を身につければ、美術を深く理解できるようになるということです。そして、「型」を使った美術鑑賞の経験を積んだ結果、わからなかったものがわかるようになり、さまざまな情報がつながっていきます。作品を鑑賞した瞬間に、その絵画の後ろに流れる人や時代、時間の流れ、場所の空気などがどっと自分の中に入り込んできて、「絵が生き生きと輝いて見えるようになる」体験ができるようになるのです。

この様子は、はたから見れば、あたかも「感性によって、絵画を一瞬で読み解いた」かのように見えるでしょう。しかし、実際は感性ではなく、このあと本書で解説するようなロジックを用いて読み解いているのです。

いつも思うのだが芸術っていうのは解釈がどうとか面倒なことを考えずに自分なりになにを感じるかがキモ。うんちく語るより感じたままということが大事。美味しいものを食べて美味しいと思うのと似てる。

さあ、美術鑑賞をしに美術館に行こう!

実は、日本にはたくさんの美術館があります。突然ですが、ここで問題です。いったい、どのくらいの数の美術館が日本にあると思いますか?

NTTの「タウンページ・データベース」によると、日本全国の美術館数(美術館登録件数) は、なんと1505件にもなります(2016年時点)。また、平成 27 年の文部科学省による社会教育調査によれば、いわゆる美術館施設数は、1064件(類似施設含む) との結果があり、単純計算で各市町村に約1件の美術館が存在していることになります。したがって、皆さんのお住まいの地域には、形態はさまざまですが、何らかの美術館が存在しているのではないでしょうか。

そして、このような美術館の中でも特に「県立美術館」や「市立美術館」といった都道府県名や都市名がついている美術館は、本書で取り扱ってきた西洋美術の作品を収蔵していることが多く、その収蔵作品を展示している常設展が行われています。たとえお気に入りの展覧会をやっていなくとも、足を運べば、思いもよらない作品に出会えることがあります。しかも、常設展で展示されている作品は 各美術館が検討に検討を重ねて選び抜いた作品 です。ぜひ、お近くの美術館の常設展にふらっと出かけてみてください。企画展よりもお手頃な価格で、そして、きっと素晴らしい作品に出会うことができるでしょう。

なお、常設展については、展示替えもありますので、お目当ての作品がある場合は事前に確認するようにしましょう。

意外と多い美術館。美術品の数々も全部見て回るのは不可能と思われるぐらい。お目当ての美術品を見にいくときは展示期間等注意。せっかく見に来たのに展示がないなんてことが結構あったりします。

名画などの価値は目に見えないが人の心に訴えかける何かがある。人物、背景、時代などを知ることでより深く美術品の魅力を味わえる。それを可能とする書籍。

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