クリスマスはいつから恋人たちのものになったのか?ファシズムの勃興、回転ベッドの衰退、浮遊する月9ドラマ、宮崎勤事件。バブル期のあれこれや80年代を回顧し対峙する書籍。
〝戦後生まれの子供向け〟の商品
では、マンガはいつから若者のものになったのか。
日本のマンガが始まったのは、1947年の手塚治虫の『新宝島』からである。
1950年代には少年マンガがブームになる。ただ、まだ社会を巻き込むような力はなかった。主流は月刊少年雑誌だった。教養的要素の強い雑誌だ。それと関西系劇画家による貸本マンガだ。
この時代のマンガはあくまで少年のものである。少女のものでさえない。雑誌はかなりの部数を売っていた。でもそれで全部である。メディアミックスというものが存在しない当時、マンガのマーケットはおそろしく限定されていた。メディアミックスというのは、一つの話を違うメディアで使いまわすことだから、メディアの数が少ないと、まわしようがないのだ。そもそも、おとなにマンガを読む習慣がない。あくまで消費者が限定された商品だった。
つまり、マンガは〝戦後生まれの子供向け〟の商品でしかないのだ。
もちろん、戦前からマンガはあった。ただ、マンガを商品として大量に消費し始めるのは1947年から1949年に生まれた世代である。大東亜戦争大敗戦の直後の出産ブームで生まれた世代だ。国が滅びようとした直後だから、過剰に人が生まれたのだ。
この世代が成長するにつれ、マンガのターゲットがどんどんと高く広くなっていった。彼らを先頭として、その下の世代がそろってマンガを読み続けたのである。マンガのブームを大雑把に言ってしまえば、そういうことになる。彼らがある年齢に達するごとに、マンガがいろんな変化をしてきたのだ。
僕らが学生時代は漫画やアニメ好きというとオタク扱いされたが小さいことからそれらに触れてきた世代にとってはそれはもう文化として成り立っていたので全然平気。海外への輸出も多く、産業としても結構大きな存在に。コスプレなんかも普通にみんなやるようになったし、制服などもセーラー服が学校指定の子はブレザーに憧れコスプレ(その逆も)するのが案外普通だったりします。ハロウィンには様々なコスプレ商品がドンキで飛ぶように売れたりとオタクの専売特許だった時代はもう終わっています。
無理を承知で現状維持
使えなくなるシステムを維持することに決めたのだから、ここで一つの物語が終わる。
そもそも社会システムの1タームの基本はおよそ 60 年である。それは一人の人間が使いものになる期間が、だいたい 60 年だからだ。 15 歳から 75 歳くらいまで。社会システムの耐用年数と人一人ぶんの生涯と、だいたいリンクしている。それはシステムの継続が人間の記憶をもとにしているからだ。だから初期記憶がとても強く、それが継続されるならば、システムは2ターム、3タームと続く。ある集団がもの狂いしたように始めたシステムは、耐用年数をだいたい 60 年くらいと見たほうがいい。ソビエト連邦は1917年から始まって1991年に消滅した。 74 年。そんなものだろう。つまり「1917年のボルシェビキの熱狂」を、現場に立ち会っていない世代にうまく伝えられなかったのだ。ちなみに中華人民共和国は1949年に始まっているため、2009年で1タームを終える。そろそろいろんな部位の改変が始まっているはずである。
日本が近代国家を始めたのが1868年。そのシステムをやめたのが1945年。これは 78 年もった。大敗戦後のシステムは1945年に始めて、さてどこまで延命できるだろうか。早いと2015年。もって2030年だ。
僕もアラ還まであと10年。1ターム生きたことになるのも間近。世の中の様相はだいぶ変わったように思います。若い頃は渋谷新宿池袋あたりまで普通に遊びに行っていましたが、近頃人の多さと都市開発による迷路化で足が遠のいています。戦後のシステムからの脱却まであと5年程度となりこれからどのような変革がもたらされるのか、僕らはついていけるだろうか?現在も昭和的な発言をして失脚する政治家が多くなり老害の論理は通用しなくなっている。
高度成長期を生きた人々によって構築された普通が今揺らいでいます。新しい潮流に身を置きつつ昔の考えが通用しなくなるニュースが毎日耳に入ってくる。そんな変革の時代を振り返り考察します。
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