繊細すぎてしんどいあなたへ HSP相談室｜串崎真志｜51Blog｜「繊細でよかった！」読後にそう思えてくる一冊

繊細すぎてしんどいあなたへ　HSP相談室｜串崎真志｜「繊細でよかった！」読後にそう思えてくる一冊

2022年11月9日

人の顔色、匂いや音に敏感、これらの症状の原因は繊細すぎる性格です。生きづらさを抱えた人たちを6つのタイプに振り分けそれぞれを紹介。その特性を長所として生かす方法をレクチャー。読後はあなたもきっと繊細で良かったと思えるはず。

繊細な性格そのものは病気ではない

繊細な性格そのものは病気ではなく、治すべきものでもありません。しかし、ときにそれが高じて不安な気持ちが強くなったり、周囲とうまくいかなくなったり、ひどく落ち込んだり、場合によっては学校に行きにくくなったりすることもあります。そうでなくても思春期は、いろいろな悩みが噴出してくるときです。

その生きづらさが、自分の手に余るぐらいになったときは、誰に、どこに相談したらよいのでしょうか？

●誰に相談する？

自分の身近にいる保護者に相談できればまずはいいでしょう。なかには「親に相談しにくい」「心配かけたくない」という人もいるかもしれません。けれどもわが子の悩んでいる姿に気が付く親御さんもまた多いのも事実です。ゆっくりと話してみるのも一つの方法です。

でも、どうしても無理、と思うなら別の方法もあります。

●学校のなかで相談する

親など身近すぎる大人には相談できないな、と思うみなさんにとって、相談の相手として望ましいのは、スクールカウンセラーだと思います。あなたの学校にもきているはずです。校内に常駐している場合は、直接、話を聞いてもらえる日時を確かめてみましょう。常駐していない場合、また詳しいことがわからない場合は、保健室の先生に聞いてみることをお勧めします。来校する日や時間などを教えてくれるはずです。

スクールカウンセラーは、公認心理師という国家資格をもっていることが多く、相談を聞くプロフェッショナルです。みなさんを怒ったり、お説教したりすることはありません。話をきちんと聞いてくれますし、問題にどう対処したらいいかを一緒に考えてくれます。

ただし、繊細なみなさんは、「公認心理師であれば誰でもいい」とは思わないでしょう。

僕らの学生時代はスクールカウンセラーなどおらず、保健室の先生がその役割を担っていた。授業をサボり保健室に駆け込む生徒も一定数いた記憶が。スクールカウンセラーがせっかく学校に常駐しているのなら積極的に使っと方が良い。誰かに話すことで気持ちが和らぐし安心につながることもあるので。

好きなことだけ頑張る

ところで、繊細な性格の特徴は、これまで述べてきたとおりですが、一〇代の繊細な人は、もっと「もやもや」した気持ちになることもあります。例えば、

・毎日がつまらない、退屈……

・誰にもわかってもらえない

・どうせ私には何もできない

・めんどうくさい、どうでもいい

・投げやりな気持ちになる

・何もかもいやになる、やる気が起きない

・うまく言えなくてイライラする

といったように。一〇代の繊細な人のなかには、こんなふうに言葉にならない「もどかしさ」を抱えてしまっている人もいます。そうなると、２章で紹介した対処方法は、なかなか効きません。

「気持ちのバロメーター」はいつも「つらい」の位置だし、「自分の感覚を信頼する」こともできません。「自然から元気をもらおう」「自分のなかの直感を探ろう」と言われても、難しすぎてピンと来ないし、「一つひとつこなそう」にも、何もやりたいことがないのですから。ロールモデルになるような人も、「自分に合う場」も、いまのところ見つかっていません。

「お手上げです……」

という声が、聞こえてきそうです。こんなときは、どうしたらいいのでしょう？

私は、好きなことを見つけることが、突破口だと考えています。そして、好きなことをがんばって、それを誰かに聞いてもらうのです。

臨床心理士の岩宮恵子さんは、「自分が好きなものについて誰かに話をするだけでも、こころの奥にあるもやもやが少しずつ形をとって見えてくることもあります」（『好きなのにはワケがある ──宮崎アニメと思春期のこころ』ちくまプリマー新書）と、書いていました。実際のところ、一〇代の人のつまずきを回復させるには、これがいちばんだと、私は考えています。

好きなことだけしていればいい世界。そうも言っていられない世の中ですが、昔と比べてそれは実現しやすい環境が整っている気がします。ネットでなんでも検索できるので、自分の勉強したい分野をググれば動画などでレクチャーしてくれるサイトやYouTubeチャンネルが多数出てくる。独学も比較的簡単に可能。僕も動画編集をYouTubeで無料で学びました。

繊細すぎるあなたのサバイバル術。世の中にはやらなければいけないように思われているが実はそうじゃないことも多くある。逃げ道があるなら逃げても大丈夫。そんな繊細さんの自己防衛策。

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