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社会人1年目からの 「これ調べといて」に困らない情報収集術|坂口孝則

「〇〇くんこの資料作っておいて」若手社会人が上司からこの一言を言われた時どんな資料を作ればいいのか?情報収集の方法をレクチャー。限られた時間で広範囲な知識を入れておくための情報収集入門書。

情報には種類がある

また、どの情報であれ、その種類に注意する必要があります。たとえば、インタビューをするときや、現場取材をする際にも、 対象から出てきた情報が、「事実」なのか「分析」なのか「希望」なのかを意識すべきです。 たとえば、「今年は2015年と比べると、春物衣料の売上が5%落ちているんです。これは、きっと気温が下がっているからなんですよね。でも、夏からは挽回すると思いますよ」と聞いたとします。 そのときに、このまま情報を鵜呑みにしてはいけません。「売上が5%落ちている」というのは、確認する必要があるとはいえ、事実です。しかし、「気温が下がっているから」というのは分析です。 ここで、ほんとうに気温と売上の関係はあるのでしょうか。また気温は下がっているといえるのでしょうか。それ以外の要因があるのではないでしょうか。 さらにいえば、「夏からは挽回する」というのはたしかなのでしょうか。これは希望なのではないでしょうか。気温はどうなる予測で、かつ確実さはあるのでしょうか。 くわしくは次の項目でお話ししますが、私は誰かが述べたことの真偽を調べる癖があります。そのため、「雨の日は小売店の来客者が少ないから、値引率が高い」ということについても裏をとってみましたが、その傾向は見られませんでした。 このことからも、ただ情報を鵜呑みにすることの危うさがわかります。 また、「コンビニが日本各地に広がると、均一の商品ばかりしか買えなくなる」とよくいわれますが、実際にはコンビニは地域限定のバラエティ豊かなラインナップをむしろ増やしています。 さらに、事実ではなく、誰かの感想や分析の場合は、もっとつっこんで情報を集める必要があります。実は、この姿勢こそがみなさんの情報収集に価値を与えるのです。

情報がいくら優れたものであっても、それを受け取る側がミスリードしていたらその情報の価値は半減する。きちんとその情報の背景まで把握して正解へと導きたいですよね。多面からアプローチしてその情報の本質をきちんと見極めることが大事。よくネットから取ってきた数字を額面通りに受け止めて自分が切り取った部分的な状況把握だけで結論を出すと全く事実とは逆の誤答を導き出すなんてことも。データを切り取る際は細心の注意が必要だ。

「会社の何を調べるか」をはっきりさせよう

まず、会社について調べるケースについて考えてみましょう。 本来は企業がもっとも大きな概念で、そのなかに「個人企業」「会社」があり、さらに「会社」のなかに「株式会社」や「合資会社」などがあります。 ただ、ここではそのような厳密な使い分けなしに、いわゆるみなさんが働いているカイシャを想像してください。 会社について調べるケースは、大きく次の2つが考えられます。

1.会社の事業と特徴(商品の特徴や歴史などを含む)

2.会社の業績(売上高、利益、年度推移などを含む)

調べかたの詳細は次節以降で紹介するとして、ここでは概要を述べていきます。※会社のホームページしか見ないのはNG! まずは、 1.会社の事業と特徴(商品の特徴や歴史などを含む) について。 その会社がこれまでどのような事業をやってきたのか、そしてこれからどんなことをやろうとしているのかといった、いわゆる会社のビジネスに関する調べ物です。あるいは、その会社がかつてどのようなことで話題になったのか、あるいは創業者がどんなひとなのか、あるいはどういう不祥事を起こしたのかというのも、これにあてはまります。 会社の歴史を調べようと思えば、多くの場合、その会社のホームページに社史詳細が書かれていますから参考になります。 ただし、会社のホームページでは美しい過去しか語られませんので、新聞や雑誌などの過去の記事、あるいはインターネットを含む他の情報源から多面的に調べてみる必要があります。また、アマゾンのような書籍販売サイトにその会社名を入れて検索してみるのも一手です。

ネットでその会社の関連情報を調べる際に意外だったのはAmazonのサイトで会社名を入れて検索するというもの。試しに適当な会社の社名を検索窓に入れて検索してみたらこれが意外とヒットするものでびっくりした。情報収集する会社がそこそこの会社ならこの方法も試してみて欲しい。書籍が出ていたらより深く知るための一助になるだろう。

上司の「これ調べといて」に答えるための情報収集術が書かれています。新人時代情報収集方法を誰も教えてくれないなんて嘆いている人に救いの手を差し伸べてくれる書籍です。

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