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破戒のススメ|堀江貴文|日本社会全体に蔓延する「我慢」という名の宗教に抗う

我慢が美徳とされる日本。生活のあらゆる面でその傾向が強く「我慢」が当たり前になっていて、それを強いる社会。令和に入った日本に蔓延する「我慢」を宗教になぞらえ「破戒」していく。

自問しろ。それは本当に欲しいものか?

目に見えないものが大事な時代が到来している

意外に思われるかもしれないが、若いころの僕はモノへの執着が強かった。ビジネスで成功してお金を稼げるようになってから、最新のパソコンや、仕事道具のほか、車にバイク、時計、ゴルフ用具、家具など、「ぜいたく品」と呼ばれるモノをひと通り買いまくった。割と気軽に友だちにあげたり、捨てたりしていたけれど、六本木に家があったときは、けっこうな量のモノが部屋にあふれていた。

2011年の6月、ライブドア事件の裁判を経て、僕は長野刑務所に収監されることになった。その直前、持ち物をごっそり処分した。家の片づけがすんで、がらんとなった部屋でしみじみ思った。「なんで、あんなにたくさんモノを持っていたんだろう?」と。持ち物の大部分を捨てた僕が感じていたのは、喪失感ではなく、「身軽になれた」という爽快感だった。

あなたにも経験があるだろう。なくしてすぐは悲しいけれど、落ち着いて考えたら、「なんであんなものを大事にしていたんだ?」と、首を傾げてしまう。モノを手放したとき、いかに自分はモノに縛られていたか、気づかされるものだ。

僕は、物欲を否定しない。欲しいモノを得たい情熱や、宝物を守り続ける意欲が、成長を後押しするモチベーションになることもある。若いころの僕も、そうだった。欲しいモノを揃えた生活こそが、豊かさだと思っていた。

だが、モノを一掃して強く感じた。ほとんどのモノは「大切という思いこみ」に覆われた不要品だ。灯台もと暗し。本当に必要なものは気づかないところにあるものだ。

究極お金で手に入るものを大抵手に入れると物欲って無くなるんだなと(笑)僕は貧乏なので欲しいものがいっぱいで優先順位の高い買い物はどれかといつも考えています。生活の一部となったものへの課金が優先で贅沢品の類は後回しに。保有する株式が上がったときにちょこっと現金化して楽しんでます。

働かない勇気を持て

人間社会も「働かないアリ」を必要としている  

多くの企業でリモートワークが導入され、出勤のストレスや内容の薄い会議が、大幅に減った。コロナ禍は社会経済に打撃を与えたが、働き手の生き方を効率化するには、それなりに有意義だったといえる。

しかし、一部では「リモートワークがつらい」という声を聞く。チームメンバーとの連絡関係がスムーズにいかなかったり、雑談ができなかったり、会社からパソコンごしに監視されているような圧迫感を感じる、と。

何より、家での作業はオン・オフの切り替えがしづらい。朝もオフィスで目覚めたような感覚に陥って、通勤時とは違うストレスに悩んでいるというのだ。人はどんな便利な環境になっても、自らストレスを作り出してしまうものだなぁ、と思う。

効率化でムダを削っていくのが必ずしも高い生産性に直結するわけではない、というビジネスの不思議さもあらためてわかった。会社に行った方が心の状態が安定して仕事に意欲的になれる人も、現実に一定数いるのだ。

リモートワークはオンオフの切り替えが自分の匙加減でできるので人によっては生産性が上がるが、会社としてみればよほど社員の信用がないのか生産性が落ちると考えるところも。効率的にサボるぐらいの心意気で働かない勇気は大事。

我慢の奴隷から抜け出すための行動哲学。全てにおいて不要不急こそ生きる力。仕事から遊びまで無駄なようで無駄ではない行動原理。

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