プーチンによるロシアのウクライナ侵攻により世界のパワーバランスが大きく変化。20世紀に逆戻りしたかのようなロシアVS欧米の対立構造は、「新・東西冷戦」の到来ともいえる。そして、忘れてはならないもう一つの大国「中国」はどう動くのか?
アメリカは大統領より議会が強い国
2022年の 11 月、アメリカで中間選挙 があります。この前、大統領選挙があったばかりなのに、「もう?」という感じですね。アメリカの大統領選挙は4年に1度で、その大統領任期の真ん中にある選挙だから中間選挙と呼ばれます。上下両議院の選挙です。
アメリカの政治体制がどんな仕組みになっているのか、意外と多くの人が知らないようなので説明しておきましょう。
アメリカは日本と同じ三権分立 です。「立法権(国会)」「司法権(裁判所)」「行政権(内閣)」を分けて、お互いを監視しよう、それぞれの独立を守ろうという政治体制です。
でも、日本は議会制民主主義です。私たちが国会議員を選び、その国会議員が内閣総理大臣を選ぶ。だから議会と内閣が、完全に分立しているとはいえません。その点、アメリカというのは 大統領も議員も、別々に国民が直接選ぶ仕組み で、三権の分離がより厳格になっています。
中でも議会の力が強いのですね。議会が圧倒的な力を持っていて、たとえばアメリカの大統領に法案の提出権はありません。日本だと、法案提出権は国会議員にも内閣にもあって、とくに予算案は内閣が提案します。アメリカは大統領に予算案をつくる権限はないので、大統領は議会へ行って「 予算教書演説」をします。大統領として「こんな予算をつくってください」とお願いするのです。この演説を受けて、「じゃあ、議会としてどうする?」ということを考えるわけです。しかし連邦議会で可決された法案は、大統領の署名を得て初めて発効するという仕組みです。
また、日本の場合は、総理大臣が都合のいい時期を選んで衆議院を解散する「解散権」を持っています。解散が行われるとすべての衆議院議員は任期満了前であっても議員としての地位を失います。
しかしアメリカの大統領に解散権はありません。そもそも連邦議会には解散という仕組みがないので、2年ごとに必ず国政選挙が行われるのです。
より厳格な三権分立のアメリカ。その中でも議会の力が日本よりも強いという。一人の指導者により無茶な決定がなされないといったメリットがあるのはアメリカ的民主主義。解散権もないのでより一層議会が力を持つ形に。2年ごとの国政選挙で決まる仕組みなので日本より頻繁に選挙の話題があるように思います。
国連は機能不全に陥っている?
「国連は何をしているんですか?」という質問を多くの人から受けます。
2022年2月 24 日、ロシアのウクライナ侵攻を受け、国連(国際連合) の安全保障理事会は2月 25 日に 急遽、会合を開きました。しかし、制裁はおろか、非難決議すら採択できませんでした。
国連は「平和の番人ではないのか」と 訊ねられても、「 国連の安全保障理事会には5つの常任理事国(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国) があって、拒否権を持っている ことを学校で習ったでしょう」としか言えません。 空しさを感じました。
今回、ロシアは当事国です。少なくとも紛争当事国は拒否権を使えなくすればいいと思うのですが、ルールを改めようとすると「脱退する」と言い出しそうですね。そもそもは、 第2次世界大戦の戦勝国が常任理事国となりました。
ただ、設立当初は、中華民国(台湾) とソ連が常任理事国でした。ソ連が崩壊してロシア連邦が継承国になることや、中華人民共和国が常任理事国になることは、国連総会で決議しているのです。
常任理事国が拒否権を乱発できないようにするには、国連憲章を変えなければなりません。 憲章の改定には総会の3分の2と、すべての常任理事国の賛成が必要です。これでは不可能と言わざるを得ません。実際のところ、中国、ロシア以外の常任理事国だって、〝特権〟を手放したくはないでしょう。
国連の安全保障理事会は、完全に機能不全に陥っています。どうせ国際社会は何もできないだろうとあざ笑っている人物の顔が浮かびます。
拒否権の発動により自国の有利になるよう国連で発言する中国やロシアを止める方法がないのが問題。はっきりいって拒否権によって国連は完全に機能不全。常任理事国の暴走を誰も止められない状態に。
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