太りやすい脳によりダイエットの悩みを抱える人は多い。痩せるのに最適な脳に導くマインドフルネスとは?食欲を抑える方法を最先端の脳科学で解説。
ダイエットは「食前の30秒」からはじまっている
松代さんは、食べる前に 30 秒待つよう言った。 「まず『何を食べようとしているのか』をちゃんと意識するようにしましょう。心のなかで『私はこれから1杯のお汁粉をいただく』と呟いてみるのもいいわ。そして、その食べ物の外観や匂いをよーく観察する。それだけじゃない。どうやってあなたの前にこの食べ物がたどりついたのかも考えてみて。北海道から東京までどうやって運ばれてきたのかしら?
つくり手はどんな顔のどんな人たちだったと思う?」
私は目を閉じて、「あん」づくりを思い出そうとした。小豆が姿を変えていく様子。途中の匂いや手触り。みんなの力が一緒になったこと。そして目を開けると、艶やかな光沢を放つ小豆たちは、コンビニに並んでいるのとは別格の、世界に一つしかない「あん」に見えてくる。 「次に、ゆっくりと呼吸を数回します。深呼吸をする必要はないわ。目の前の食べ物に向けていた意識を、自分の呼吸のほうに引き戻してみるの。さらに今度は、自分の身体に意識を向けましょう。お腹の具合はどう?
どのくらい空いているかしら? 『これ以上ない!』ってくらいの空腹感を 10 とすると、いまはどれくらいお腹が空いている?」
私の空腹度は頂点に達していた……つもりだったが、「 10」ではないかもしれない。そう思うと、さきほどまで耐えがたく感じていた空腹が少しだけ和らいだような気がする。 「次に、もう一度、自分に向けていた注意をお汁粉に戻しましょう。よく眺めてみたとき、身体にはどんな反応が起こるかしら? 匂いをかいでみたときは? 感覚の変化に耳を澄ますの」 甘い匂いに意識を向けると、お腹のあたりがグルグルする感じがした。いつのまにか口の中には唾液があふれている。「早く食べたい」と身体が意思表示しているようだ。 「そうか……食事のときって、身体がこんなにも反応してるのね」
タクがポツリと言った。 「身体の感覚は脳の反応の最前線。とても素直よ。でも、『自動運転』になっていると、私たちはこんな変化にもまったく気づかない。ただそれに『気づく』だけでいいの。すべてはそこからはじまるから」 松代さんがゆっくりと静かな声で言う。 「そして最後の締めくくり。『私はどうしてこのお汁粉を食べたいのか?』と自分に問いかけてほしいの。決して『お腹が空いたから』だけが理由じゃないはずよ。ここまでの過程を通じて、みんなこの『あん』がどんなにおいしいのか、味わいたくてたまらなくなっているわよね。ただ、空腹を満たすだけでなく、この食事を味わうことそのものに強い好奇心を持っている。そのことをしっかりとたしかめてみましょう」
何を食べようとしているのか心に問いかけることは抑止力になると思います。今食べよううとしているそれは、高カロリーで太りやすいものでないか、もしそうならば罪悪感のようなものが生まれる。それを増幅させるためにつぶやくのだ。
「続ける力」を高めてくれるサンキューメソッド
日々繰り返した。するといつしかストレス食いを引き起こしていたクレーヴィングは、私のなかでさざ波に変わっていった。それに伴い、二の腕は少しほっそりして、下半身のむくみも取れてきた。お腹周りのお肉もピーク時と比べると落ち着いてきている。
もはや私はそれほど無理しなくても、ごく自然に「なぜ、何を、どうやって」食べるかを意識するようになっていた。もちろんいまでも、食べたい欲求は波のようやってくる。しかし、波がやってくれば、決まったやり方で乗りこなすまでだ。だから結果としては食べる量が減っている。脱線したまま自動運転で暴走していた列車が、本来の線路に戻った感じだ。
ムー子にすすめられて、久しく乗っていなかった体重計に乗ってみる。もちろん体重がゴールでないことはわかっている。
その数字は、あの写真の頃にあとひと息のところまできていた。
なぜ、何を、どうやって食べるのかを意識することはそう難しくない。食前のわずかな時間でできるダイエット脳の作り方だ。食べたい欲求の波を沈める30秒。ぜひみなさんも食事の際は気にかけてみては?
※この書籍はKindle Unlimited読み放題書籍です。月額980円で和書12万冊以上、洋書120万冊以上のKindle電子書籍が読み放題になるサービスが初回30日間無料となっております。PCの方はサイドバーのリンクより、スマホの方は下の方へスクロールしていただければリンクが貼ってありますので興味のある方はどうぞ。なお一部の書籍はキャンペーンなどで無料になっていて現在は有料となっている場合もありますのでその場合はあしからず。
【サブスク】 Kindle Unlimited
僕が利用している読書コミュニティサイト
【本が好き】https://www.honzuki.jp/
【シミルボン】https://shimirubon.jp/