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日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのかを読んで平和を願う

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日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』矢部宏治著のベストセラー化が記憶に新しいが同氏の著作が新しく刊行されていたので読んでみた。今回は日米間で交わされた「戦争になったら、日本軍は米軍の指揮下に入る」という「統一指揮権密約」について、その密約の誕生から現在に至るまで経緯が条文を読み解くというスタイルで記されています。国家にとって難しい問題を、日本は60年以上にわたりアメリカに丸投げし、経済面だけの発展に注力してきたことにより冷戦期に経済的大発展を遂げた。しかし、それと引き換えに軍事などの面で身動きができなくなってしまった。私たちはアメリカの呪縛から逃れるために何をすべきか?最後にはフィリピンやドイツのケースをあげ完全な独立への処方箋を筆者なりに提案している。

日米合同委員会とは

「地位協定のなかの『関係法令の範囲内で』という表現に関して、もし日本の法律が米軍の権利をじゅうぶんに保障しない場合は、それらの法律の改正について、日米合同委員会で協議する」

これは国民の反感を買い民意をコントロールできなくなるような日本にとって不利な内容。つまり国民には見せられない問題については、アメリカのいうとうり密室で合意するということ。公になる条文には盛り込まず首脳による口頭でのやり取りや「交換公文※」などで扱うブラックボックスだ。

※国家間でかわす合意文書のひとつで、内容を往復書簡の形式で書き、そこにそれぞれサインして交換するという形式のもの。条約や協定のように公には発表しないので、正式な条文としては書けない微妙な問題を半分密約に足がかかったような内容を扱うケースが多い。

統一指揮権密約

統一指揮権密約とは、基地県密約のような生易しいものではない。ご存知の通り、現在の自衛隊には、独自の攻撃力はあたえられておらず、哨戒機やイージス艦、掃海艇など防御を中心とした編成になっている。自衛隊に知り合いがいる人は聞いたことがある人もいるかもしれないが、自衛隊が守っているのは日本の国土ではなく「在日米軍と米軍基地」という認識が自衛隊内部にもある。それが自衛隊の現実の任務だと彼らは言う。「戦争になったら、米軍の指揮下に入る」しかも、その「戦争に入った」という判断を下すのは米軍司令部だという。

「完全にアメリカに従属し、世界中のあらゆる場所で、戦争が必要と米軍が判断したら、その指揮下に入って戦う自衛隊」

悪夢のような話だが、この本では数々の条文や密約、交換公文などを読み解き、今日本が置かれている立場を解説している。アメリカにとっては他国(=日本)の国土と経済力と軍事力を自国のために自由に使うことができる「統一指揮権密約」。加えて昨年の安保法案の審議で起こったこと。ちょっと大げさかもしてないが、例えば「日米安全保障協議委員会(ツー・プラス・ツー)」で日米の外務・防衛大臣4大臣が協定を結んでしまえば、国民の意思に関係なく憲法改正をおこない、三権分立の原則を無視することも、基本的人権を弾圧することも、自由にできるようになっている。

僕たち国民はこういった事実を知り、沖縄の人たちのように声を上げ続けることで、間違った方向に進むのを軌道修正しなければならないのだろうが、僕はデモとかそういうのは苦手なので「戦争、起こらないで」と祈るだけです。

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