新卒で入社後11カ月でリタイアしニートに転落した著者。仕事を辞める前から始めた地下アイドルだけが主な活動として虚しく残る。しかし、やはりアイドルはやめられない。そこで正社員アイドルを目指し活動することに。無名の地下アイドルが80名集客したPR術とは?
自分に合わない職場からの解放
新卒入社から 11 カ月目で私は仕事を辞めました。事務仕事ができなさすぎて、リアルに精神病になりそうだったからです。自分に合っていない仕事や環境に居続けることほど健康に悪いものはないと、私は身をもって学びました。
「そのタイミングで仕事を辞めたのなら、次はアルバイトしながらアイドル活動をしたのかな?」と考える人は多いかもしれません。しかし私には母からの正社員圧がやばかったので、「次の仕事はアルバイト」という選択肢は全くありませんでした。しっかりハローワークに通いながら、ボイトレのレッスンに通う日々。
レッスンが水曜日だったのと、彼氏と会うために日曜日は休みがいい、とのことで、水・日が休みの会社に絞って探したところ、1件だけピンポイントヒットしました。それが隣町の眼科の診療事務だったのです。
「また事務かよ。全然懲りてねえじゃん」と思った方もいらっしゃるかと思います。私もそう思います。今タイムマシンが Times で簡単に借りられて、タイムスリップができる世の中だったとしたら、「お前、とりあえず事務はやめとけ」と、当時の自分を全力で止めるでしょう。
当時の自分は、「診療補助などは事務のうちに入らないだろう」と安直な理由と「正社員にさえなれたら、地下アイドル活動をしようが、母には文句を言われることはない」という想いで眼科の求人に飛びつきました。(完全なあほう)
その眼科には見事採用。田舎には「地元進学校ブランド」というものがあり、地元で有名な進学校出身というだけで「頭いい」「仕事できそう」な良いイメージが付くため、地元の就職に有利でした。(そこはラッキー)
就職も決まり、残り1カ月のアイドルニート生活を堪能しました。
正社員とアイドル一件その振り幅は大きく見えるが、自己プロデュース能力といった点ではどちらにも必要。最近ではサラリーマンでもこうしたPR術を利用して副業をする人が増えている。格差社会において底辺から抜け出すには勉強しかない。いわゆる情弱が経済活動による富の恩恵を受けられないままでいるのは残念なことだ。
レッドオーシャンで突出する方法
競争の激しい既存市場を「 レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「 ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」といいます。競合の多い市場で突出するにはブルーオーシャンを切り開くべきといわれています。
今回の発表会は完全なレッドオーシャンでした。歌のステージはソロで出る方が多く、王道歌手のコピーばかりなのです。
そこで突出するには、スーザン・ボイル並みに歌がめちゃくちゃうまいか、橋本環奈くらいの美貌がないと厳しいですよね。
例えば、私と冬斗さんがそれぞれソロで出演し、お互い好きな歌を歌っていたとしたらどうでしょう。自分が歌う時間は長くなるかもしれませんが、ここまで目立てなかったと思います。「発表会に記念に出た」という感じで終わっていたかもしれません。
しかし ■個人ではなく、ユニットで出る ■誰も知らないマイナーな選曲 ■女性ユニットだが一見男女ユニット(宝塚っぽい)
このような個性を爆発させることで、目立つことに成功しました。 発表会を見に来てくれた友達からこんなことを言われました。
「他のアイドルが歌っていた時にずっと後ろでぺちゃくちゃしゃべっていたヤンキー3人組が、ゆびちゃんたち出てきた瞬間黙ったよ。ずっと静かに聴いてて笑った」
音楽に興味のないヤンキー3人組にすら私たちのインパクトは届いたということですね。このたった3分の出演後、知らない方から取り囲まれ、写真の嵐。スクール内で一躍有名になり、父母の世代からもファンが生まれました。
何が売りになるかわからない時代、〇〇+アルファといった戦略を取ることで成功することも。他のライバルにはないところをニッチ作戦で戦うのだ。近道やショートカットはできないが確実に顧客やファンを確保できる方法だ。
配信アプリなどをやっていると様々な分野の卵たちが活動しています。そんな中突出する子はやはりファンを煽るのがうまかったり、一人一人のリスナーに丁寧だったりする。それと同じで推される技術というのはある程度存在する。それを論じた書籍。
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