経営学は「経営戦略」や「マーケティング」「アカウンティング」「ファイナンス」「人・組織」「オペレーション」といった専門分野の集合体。それゆえ入門書はどれも各分野の寄せ集めでかえってわかりづらいものに。そうした「経営学」の入門書の常識を打ち破る書籍。
中核価値の変化に挑んだ企業
中核価値の変革に挑んだ企業〔Apple〕 ジョブズの「新製品」はある意味すべて「後追い」だった
2011年10月5日、巨星 墜 つ。文字通り一代で世界最大級のビジネスを創造した スティーブ・ジョブズ が、現役会長のままこの世を去りました。その最期は、長年 患った 膵臓 ガンから来る 心停止。自宅での眠るような死であったといいます。
その日、彼がつくり、追われ、戻り、再興して、爆発的成長へと導いたAppleの時価総額は3,500億ドル。前CEOの突然の 訃報 にもかかわらず、株価は378ドルと前日からほとんど動きませんでした。
Appleの巨大な売上と利益は、 いくつかの製品ラインからなります。そのほとんどは、 ジョブズのもとで21世紀中に生まれました。11年10~12月期で見ると、売上高463億ドルの内、82%が2001年以降の商品からあがっています。たった3ヶ月でiPhoneが3,704万台、iPadが1,543万台、iPodが1,540万台売れました。売上の4%を占めるiTunesには音楽だけでなくあらゆるコンテンツが載り、世界中のユーザーとクリエイターをつなぎました。
これらをもって、ジョブズを「独創的」と呼ぶ人もいるでしょう。まったく新しい世界をつくった、と。でも、これらの製品そのものは、決して「新規性」の高いものではありません。 全部、昔からあったもの です。
タブレット型PCの先駆は91年の PenPoint( GO) ですし、スマートフォンは96年の Nokia 9000 Communicator(ノキア) が最初で、99年の BlackBerry(RIM) で火が付きました。
デジタルオーディオプレイヤーに至っては、ソニーを始めとした国内外のメーカーが乱戦を繰り広げたあとに、最後発としての参入でした。iTunesだって同じです。ネットを通じての音楽配信は、その数年前からさまざまな企業が 試行錯誤 を続けていました。
事業戦略的に見たときに、ジョブズのやったことは、独創的アイデアの創出ではなく、過去の破壊と 再発明 でした。
iPhoneだって日本が作ろうと思えばできたはず。ウォークマンとガラケーとPDAをくっつけさえすればそれは出来上がる。なのに日本ではそうしたものは生まれなかった。後追いの形で今はiPhoneを凌駕するスペックのものが多く出回っているが売れ行きシェアは負けている。アイデアの創出ではなく破壊と創造とはうまく言ったものだ。
サードプレイスを目指すスターバックス
ハワード・シュルツイタリア出張で感動する
苦学し、アメフトの特待生として大学を卒業したハワード・シュルツ。彼は、ゼロックス、雑貨会社を経て29歳でスターバックスに入社します。店の数はわずか4店舗。そのイタリア出張中、ミラノの街角で彼はエスプレッソのカフェバールに感激します。
「ここは、ただコーヒーを飲んで、一休みする場所ではない。ここにいること自体が素晴らしい体験となる劇場だ!」 彼はアメリカ人にエスプレッソの美味しさを伝えようと、エスプレッソと大量のミルクを組み合わせた「シアトル風コーヒー」をつくり、それをテイクアウト型店舗で売り始めます。これがシアトルの学生や若い社会人女性に大受けし、2年後の1987年にはスターバックスの店舗と商標を400万ドルで買い取りました。
コーヒー自体を味わいつつ、そこにいることを楽しむ空間「The Third Place」がそのコンセプトです。家でも会社でもない、人生における第3の居場所。それを広めるために、彼はその全財産を投じたのです。
急拡大がスターバックスのバリューを歪めた
シュルツの賭けは当たり、スターバックスはあっという間に全米に拡がります。それまでアメリカ人にとってコーヒーは、ピザ屋かハンバーガー屋でついでに買って飲むものでした。せいぜい150円です。スターバックスはその倍以上! でも、売れました。
87年の17店舗から、10年後には1,412店舗、20年後の2007年には1万5,011店舗に達します。でも少し、急ぎすぎました。
無茶な出店を含む急拡大の中で、人材は不足し、ドリンク提供や接客の質が低下します。あらゆる町にスターバックスがあふれ、集客のためにピザまで提供して店内にはコーヒーよりもチーズの香りが立ちこめる始末。 もはやスターバックスは「いること自体が素晴らしいThe Third Place」ではなくなっていました。 08年、ついに既存店の売上伸び率が▲3%に落ち込みました。
バリューを維持し続けるための戦い
そしてシュルツがCEOに復帰します。彼は2000年に一度CEO職を後進に譲っていましたが、この難局を乗り切れるのはオーナーでもあった彼しかいません。シュルツは即座にピザ類をやめ、全店を休業してスタッフを集めてコーヒーの淹れ方を特訓しました。さらに設備面でも差をつけるためコーヒー機器メーカーを買収。09年の店舗増加数は▲45店。
投資と減収を覚悟して、彼はバリューの再構築に取り組みました。 2019年末、スターバックスの店舗は3万店を超えました。うち半分が海外の店舗で、日本では1,458店054に達しています。
僕にとってもスターバックスは気分転換の場所。読書をいつもと違う環境でしてみたり、パソコンでちょっとした作業をしてみたり。美味しいコーヒー(←お前はフラペチーノばかりだろとツッコミが入りそうだが)を飲みながらちょっと贅沢なひとときを過ごすのに最適。そんな顧客のニーズを拾い上げて成功した。
経営学を実際の企業をモデルケースとして取り上げその仕組みを解き明かす。経営学とはなんぞやというところから理解を深めるまでそう時間はかからないはずだ。ここで学んだことをベースに専門書に移行すると取っ付きにくかった経営学の全貌が見えてくる。
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