富が偏在する世の中を象徴するかのように世界を震撼させたパナマ文書。タックス・ヘイブンの秘密が暴かれたのだが、暗号技術と仮想通貨の進化が新たなタックス・ヘイブンの出現を予感させる。超富裕層や世界のトップ企業に富が偏在する現代。租税回避問題とどう向き合うか?そのヒントを探る。
アップルは税金から逃げ切れるか
EUがアップルへの追加課税の根拠とした法律は、EU競争法である。EU競争法は、日本でいえば独占禁止法、アメリカでいえば反トラスト法(*7) と比較される法律で、EU加盟国間での条約である。1962年に制定され、その後時代とともに追加改正が行われてきている。もちろん、EU競争法は企業活動に対する規制を盛り込むものだ。その適用範囲は、反トラスト分野や企業結合に加えて、国家の市場介入によって自由競争の歪みを生む元凶である国家補助にも及んでいる。そして、この法律の特徴は、この規制がグローバルに適用されるという点にある。これを域外適用という。
国家補助は、国家が特定の企業と癒着することで、同業他社との公正な競争を阻害する状況をいう。数年前、JALが政府支援の下で企業再生を果たしたが、その過程でANAは、一企業に対して国が支援を行うということは競争の公平性を奪う、すなわち自由競争を妨げるものであると抗議したことがある。この主張の論旨は国家補助と同じものである。
想像すれば分かるように、グローバル化した今日の世界経済を前提とすれば、EU競争法による国家補助の規制は、EU域内にとどまらず、世界規模の経済活動にも影響を及ぼす可能性を持っている。域外適用は、新しい法律のあり方といえる。
一部のこうした大企業が租税回避を行っていると、まともに税金を納めている企業との間の溝が深まるばかり。一人勝ちの様相を許すまじと矛先はアップルへ。企業がより収益を上げるための方策とはいえ抜け道化したタックス・ヘイブンは糾弾されて当然。せっかく信者の多い大企業なのだからきちんと税金は納めてほしい。ひいてはそれが国力となり自国の経済を回すことになるのだから。
サイバー空間と国家
存在しない国境
私たちは、すでにサイバー空間に暮らしている。もちろん、これまで同様、現実空間は存在し続けるが、社会問題となったポケモンGO現象からも分かるように、今やサイバー空間は、現実空間を完全に覆い尽くす勢いで、その領域を拡大している。サイバー空間は、もはや現実空間の一部なのだ。これを仮想空間などと呼んで、非現実なものとして遠ざけるわけにはいかない、そんな時代に私たちは生きている。
子ども時代に初めてテレビが家にやってきた――そんな世代より前の世代では、サイバー空間の現実性にそれほどの実感はないかもしれないが、今の若者や子どもたちにとって、サイバー空間は物心ついたときからいつも 傍 にあった。
彼らが日常においてインターネットを利用せずに過ごすことなどまずあり得ない。そして、その子ら以上に現役世代のビジネスパーソンは、手帳と住所録に時計、そして電話、その上電子メールにインターネット検索までも可能なスマートフォンをいっときも手放せない。スマートフォンでは仕事ができないという高齢者たちとは違い、この世代は、電子書籍やPDFの資料を、あの小さな機械の上で広げて、器用に使いこなしてみせる。現実空間と切り離してサイバー空間を考えることが非現実的になりつつあることは、もはや火を見るよりも明らかである。
サイバー空間は、物理的に見れば、パソコン、ハブやルーターといった通信機器と光回線からできた集合体でしかない。その集合体でできたネットワークでは常時通信が行われており、特定の目的を持った通信の集まりが、それぞれにサイバー空間を形成している。したがって、個別の二者間通信というよりは、複数同時の双方向通信という方が、サイバー空間という概念を直感的によく捉えている。
サイバー空間の最大の特徴は、国境が存在しないことだ。通信機器や回線は、国境のある現実世界の国々に点在するが、それらを利用しインターネットに乗って、世界を駆け巡る通信からなるサイバー空間には、国境などない。そのため、サイバー空間では、国家や法の存在に対する意識が極めて希薄となる。これまで規制というと、国や地方自治体が現実空間において行うものであった。しかし、サイバー空間は現実空間とは認識されていないから、規制そのものがなかなか及ばない。その結果、サイバー空間はしばしば無法地帯となることがある。
最近ハマっているスマホゲームは世界中の国と地域でリリースされており世界各国のプレイヤーと戦闘しながら楽しむものなのだが、チャットの翻訳機能が脆弱で海外のプレイヤーと意思の疎通ができなくて揉めることがしばしば。英語だけでなくアラビア語やロシア語なども含むのでさらにややこしいことに。国境はないとはいえ言葉の壁が取り払われるにはもう少し時間がかかりそうだ。
金持ちや巨大企業が槍玉にあげられる世の中。不満があったら自分がそちら側になる以外ないという世知辛い世の中。経済成長の果実を分配とか言っている政府だが、自分でも投資することでその果実をかじることは可能なので貪欲にいきたい。
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