病院で「痩せ」に特化した治療を行うスマート外来。科学的根拠に基づいた「スーパーで買える食材で」「一番落としやすい肝臓から脂肪を落として」いく方法とは?様々なダイエットで失敗してきた人へ捧ぐ毎日の食事で変わるダイエット本。
糖質オフに慣れたらタンパク質をプラス
「あとは、次回からはぜひ、タンパク源をプラスしてください」
「えっ、ダイエット中でせっかく体重が減っているのに、食品を加えるんですか?」
「そうです。最初の1カ月はまず糖質の摂取を控えて、余計な脂肪を減らすことに重きを置いて体重を減らしてきました。でも、 それだけでは体は弱ってしまうばかりか、筋肉が落ちて瘦せにくくなるんです。だから、 筋肉量を減らさない、できれば増やすようにしていくのが、ここからの食事スタイルです」
「そうなんですね。わかりました」
「野菜スープに卵を1つ落としたり、豚こま肉やとりつくねを入れたり。ツナ缶、サバ缶などで魚介を加えればうま味も増すでしょうし、豆腐を加えるのもいいでしょう。手間の少ない方法で、何か1つタンパク源を足してみてください。納豆を1日2パック食べるのもおすすめです」
なるほど。いろいろとアレンジが利きそうだ。
「タンパク源を加えることでお腹も満たされるので、空腹対策にもなりますよ。 厳密に守る必要はありませんが、毎食タンパク質を 20 ~ 30 g摂れるとバランスのよい食事になります。 肉と魚は100gでタンパク質量 20 g です。それから、 卵1個、納豆1パック、豆腐3分の1丁、無糖ヨーグルト150gは、それぞれタンパク質量が7g です。なので、この中から3つ選べばタンパク質量 21 gになりますね。ぜひ参考にしてみてください」
「はい。野菜スープに加えるのは、ベーコンやウインナーでもかまいませんか?」
「問題ありません。ただ、ベーコンやウインナーは、別の観点から注意したいこともあります。ちょうど由美さんにお伝えしようと思っていたことなので、このあと説明しますね。ちなみに、 納豆、豆腐、ゆで卵、サラダチキン、ツナ缶、サバ缶、チーズはタンパク質摂取のために常備しておきたい〝神セブン〟です」
●先生からの処方箋●
脂肪肝には、毎食20~30gの タンパク質を確保せよ!
ダイエット中のタンパク質の摂取は最近では一般的になりつつある。市販のプロテインで補うのも手軽で良いがやはり普通の食材で摂取したいという人は卵だったり納豆、豆腐だったりを一品プラスするだけでも大丈夫。意識してたんぱく質を摂取するようにするとダイエット中に筋肉が落ち代謝が落ちるのを防ぐことができる。
息抜きをして自分をいたわろう
「先生、よろしくお願いします」
「由美さん、こんにちは。何だか表情が明るいですね。いいことがありましたか?」
「不安ばかり先走らせても、体がよくなるわけじゃないと気がついたので」
「この3カ月でとても大切なことに気づかれたんですね。私もうれしいです」
先生は私が手渡した体重と食事の記録表、血液検査の結果を確認している。そして、じっと私の目を見た。
「由美さん。この1カ月で2・5㎏減。3カ月でトータル6㎏減。目標の5㎏を見事クリアしましたね。『マイナス2㎏の法則』の成功者が増えると、新しい減量挑戦者の方たちにも 励みになります。がんばってくださって、ありがとうございます」
とんでもない。お礼を伝えるのは間違いなく私のほうだ。
「肝臓の数値ですが、AST 21、ALT 33、 γ-GTP 13。由美さんの脂肪肝はだいぶよくなっていますね。ここまでがんばってきたので、ぜひ継続してください。3カ月の減量作戦は成功です。ただ、ALTが基準値になるように確認させていただきたいので、3カ月後にもう一度いらしてもらえますか」
「わかりました」
「3カ月間、本気で取り組んでみていかがでしたか?」
「肝臓を少しは休ませてあげられたでしょうか? 初診のときは、肝臓がどこにあるかさえわかっていなくて恥ずかしかったです。でも、脂肪肝とわかってからは、肝臓に手を当てて話しかけたりしていたんです。食べていいか、食べないほうがいいか、肝臓に聞いたりしていました」
「最高の『手当て』です。手を当てて病気が治ると言うつもりはありません。ただ、 肝臓の痛みに気づいていたわることは大切 ですね。では、3カ月後に会いましょう」
夏の日差しがまぶしい。水分補給用の水はちゃんと持参している。
●先生からの処方箋●
ストレスを上手に遠ざけて目標達成できると、 今までとは違った自分と出会える。
マイナス2キロの法則。とりあえず2キロ減るまで頑張ってみる。太っている自覚のある人なら少しの食事制限で2キロぐらい簡単に落ちます。そして減量できたという成功体験が励みになります。そして食事制限が習慣化すればそこからさらに減量することも容易になります。
食事によって無理なくダイエットする方法をレクチャー。実際多くの食材の中何を食べれば正解か?そんな悩みを解決してくれる書籍。毎日の食事を変えるだけで減量を無理なく続けるための処方箋。
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