高校のサッカー部を独自の指導法によって日本一まで導いた監督によるコーチング論。ボトムアップの組織論で子供たちの力を最大限に引出します。スポーツコーチングを始めるには技術は必要ない!!
今、なぜボトムアップが必要なのか
上から下への流れではなく、下から上へ組織を吸い上げて構築していくという考え方です。会社や組織では、ビジネス用語としてよく耳にはしていましたが、スポーツチーム構築への発想はありませんでした。会社でたとえると、1000人の会社であれば、一人の社長からの指示命令が1000人の社員に対して下り、業務を推進していく形です。これは俗にいう「トップダウン」です。大半の日本の会社はトップダウンだと思われます。一方、「ボトムアップ」理論を用いた指導は、1000人の社員から意見や提案が次々と出されていき、トップの社長はこれらの意見を吸い上げ、認めたうえでコンセンサスを取り経営を進めていきます。実際のところ、「ボトムアップ」で実績をあげた企業には、アメリカのアップル社があります。社員を尊重し、現場からの提案を吸い上げて、iPadやiPhoneなど、今や生活や文化までも大きく変えてしまうほど影響を与えている商品やサービスを生み出していることはよく知られています。近年、日本にもボトムアップで実績を上げている企業が少しずつ出てきているようです。さて、話を戻しましょう。サッカーの指導現場でも、まだ「トップダウン」の指導が多いのは事実。監督やコーチが練習メニューを用意し、それにならって子どもたちは、練習に励みます。試合の場面でも同様に、監督やコーチが出場するメンバーを決め、システム(フォーメーション)や作戦を指示して、子どもたちはそれに基づいてプレーします。これも「トップダウン」です。
よく子供たちへスポーツを教える際はサッカー経験者の大人がトップダウンで教えるというのが一般的ではないでしょうか。そうではなくて子供たちの自主性に主眼を置き、ボトムアップの指導法を用いることで成功に導くのがこの書籍の指導法。大人に言われてやるのではなく子供たち個々がスキルアップには何が必要かを考え、それぞれに練習メニューを考え実践していくこと、それを尊重して指導していく。今はネットで調べれば筋トレの方法やこの場合サッカーの練習法などはいくらでも出てくるので、そう言ったツールを活用して子供たちに自身で練習することを促します。
ボトムアップは誰にでもできる指導法
まず、前提として伝えておきたいのが、「ボトムアップ」の指導は誰でもできる指導法ということです。たとえば実績のある元サッカー選手であったり、指導者資格のライセンスを所持したキャリアのあるコーチであったりしなくとも、十分に指導に活かすことができます。むしろ、これまで全くサッカーに携わっていなかった方のほうが、先入観なく自然に導入がしやすいのかもしれません。学校の授業ではサッカーを経験したことがあるけれども、それ以来ボールを蹴ったことがないというお父さんや、子どもが大好きで一緒にサッカーを始めたいと思っているお母さん、また、サッカー以外の競技の経験はあるけれど、サッカー未経験者の指導者や保護者の方などであると、先入観にとらわれず、子どもたちと接することができるでしょう。なぜなら、「ボトムアップ」は、サッカーのテクニックを指導するものではなく、子どもたちや選手の能力を認めてリスペクトする、いわゆる「心」の指導なのです。ですから、子どもが好きで、人を大切にする気持ちさえあれば、誰にでもできる指導法なのです。逆に「トップダウン」の指導法は、指導する側自体に、かなりハイレベルの指導ノウハウが必要となります。誰にでもできるというわけにはいかないでしょう。
ボトムアップの指導法は誰にでも出来ます。サッカー未経験者の親御さんでもサッカーの指導は出来ます。技術的な面では教えることは出来ませんがそこはネットなどを活用して子供たちに自分たちで練習メニューを考えさせるなど方法はいくらでもあります。これはトップダウンではかなわない指導法です。
選手同士でキャプテンを決めさせる
毎年、選手権(全国高校サッカー選手権大会。9月から 11 月あたりまでが県大会予選)を終えた後に、クラブを引退していく高校3年生が約 40 名集まって話し合い、次の世代のキャプテンを決めるのです。子どもたちが決めたキャプテンに対して、私が口をはさむこともありません。それが決定したら、指名された子どもはキャプテンとしてがんばっていかなければならないのです。これまで選ばれたなかには、チームをまとめるのにふさわしい積極的な子どもが選ばれることもあれば、一方で組織づくりが苦手そうな子どもや、どちらかというとワンマン的な子どもも選ばれることがありました。しかし、そのキャプテンの指名が一度たりとも、失敗したということはありません。 「地位が人を変える」まさにこういった表現のように、どんな子どもがキャプテンに選ばれても、興味深いことに、統率力を磨いて立派に成長し、チームをまとめあげていくのです。もちろん、子どもたちが成長していく過程で、さまざまな体験をくり返し、日々変化を遂げていくのです。
キャプテンを指導者が指名して決めるのではなく、子供たちに決めさせることで、まとまりを作ることが可能になります。子供達自身に決めさせたので不満などが噴出しにくいというメリットも。
子供にスポーツを教える際に注意したいことがわかる書籍。ボトムアップの指導法はそのスポーツ未経験の大人でも可能なため部活やクラブでも活用できるのではないかと思います。逆に未経験だからこそうまくいく面もあるボトムアップ指導法。
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