10人に1人の医療ミス、燃料切れで墜落したパイロットの警告無視、検察のDNA鑑定お構いなしで有罪と言い張る行為。あらゆる業界を横断し、失敗の構造を解き明かす!
「完璧な集中」が事故を招く
学習の原動力になるのは事故だけではない。「小さなミス」も同様だ。パイロットはニアミスを起こすと報告書を提出するが、 10 日以内に提出すれば処罰されない決まりになっている。また、現在航空機の多くには、設定した高度などを逸脱すると自動的にエラーレポートを送信するデータシステムが装備されている。データからは、操縦士が特定されない仕組みだ(2)。
例を挙げよう。2005年、ケンタッキー州のレキシントン空港近辺で、複数の航空機から次々とエラーレポートが送信された。滑走路までのアプローチに問題が発生していたのだ。当時、空港のすぐ外側の空き地には、地元の自治体が設置したばかりの巨大な壁画があり、その上部には夜間用のライトがついていた。
このライトがパイロットを混乱させた。壁画のライトを滑走路のライトと見誤り、進入高度を間違えていたのだ。幸い事故には至っていなかったが、匿名のエラーレポートのおかげで、死亡事故が出る前に潜在的な問題が明らかになった。この件にかかわった航空安全専門家のショーン・プルチニッキは私にこう話してくれた。「ものすごい数のエラーレポートが届きました。おかげで、対処しなければならない問題があることにすぐに気づくことができました」
数分のうちに、レキシントン空港に着陸予定の全フライトに連絡が送られ、壁画のランプへの注意が促された。そして数日後には壁画もランプも撤去された。おそらく、壁画が設置された空き地が空港の管轄だったら、もっと早く対策が施されていただろう。いずれにしても、事故は未然に防がれた。
パイロットは何百人という数の乗客の命を預かっている以上ミスは許されない。しかし、実際にはニアミスは結構起こっていたりしてそれも罰せられない仕組みだそうだ。今でこそレーダーなどの技術でこうしたミスが起こらないようアラートで知らせてくれる仕組みが秀逸なので事故に至ることはほとんどないが、空の旅って密室で逃れられないのでやっぱり怖い。
誰でも、いつからでももう力は伸ばすことができる
2004年、アメリカの心理学者、アンジェラ・リー・ダックワースは、ウェストポイントの士官候補生を対象に、「 グリット(やり抜く力)」に関するアンケート調査を行った。その内容は、上述の「全候補生スコア」とは比べ物にならないほどシンプルだ。5分もあれば終わるもので「始めたことは最後までやり抜く」「失敗や障害は気にならない」といった基本的な 12 項目について、士官候補生が自分自身を1~5で評価するだけだ。
ダックワースは、この「グリット・スコア」──いわば、失敗しても根気強く「やり抜く力」のスコア──を使えば、陸軍の科学的な「全候補生スコア」よりも効率的に、ビーストバラックを完遂する精鋭を見極められるのではないかと考えた。
結果は明白だった。「グリット・スコア」のほうが、「全候補生スコア」よりはるかに高確率で誰が精鋭かを指し示していた。ダックワースはその後5年間このアンケート調査を続けたが、5年とも結果は同じだった。知力や体力よりも、「やり抜く力」の高さのほうが、より確かな指針となったのである。
ダックワースは、2005年の全米スペリング・ビー(子どもたちが英単語のスペリング力を競う大会)の出場者にも、同様のアンケート調査を行った。単語は勝ち進むごとに難しくなっていく。たとえば2013年大会の決勝では、「kaburi(オカガニ)」「cipollino(大理石の一種)」「envoûtement(呪術の儀式)」などの単語が出た。
この調査でも結果は明白だった。グリット・スコアが平均以上だった出場者は、そうでなかった同年齢の出場者より、 40%も多く勝ち進んだのである。
勉強には地頭の良さに加え、やり抜く力(GRIT)が大事。なんでも集中して続けていれば10,000時間費やしたあたりでプロレベルの知識が身につくからだ。皆の悩みはこの続かないところにある。「 GRIT(やり抜く力)」については←のリンクへ。
歴史的著名人も今をときめく有名人も失敗なくして成功した人はほとんどいない。失敗をどのように消化し次へ繋げる糧とするかが肝。経験値は裏切らないと信じて日々頑張ることをやめないのが大事。
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