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定年バカ|勢古 浩爾|定年後こそ青春というバカ、生きがい追求バカ、健康バカ、資産運用に走るバカ

定年後を謳歌し、生きがいを追求、健康にも気を使う、そして退職金で資産運用。そんな行動に走る人をバカと呼ぶ。でもこれって結構当てはまりがちでは?「定年後は何かしなきゃ、生きがいをもたなきゃ病」の呪縛を解き放つ!

定年後いくら必要か決めるのは自分

ある調査によると、ゆとりのある定年後の生活をするには「月額 35 万円」必要だという(これも怪しい平均額)。しかし。先の『定年男子定年女子』の共著者である大江英樹氏は、岡崎氏のいうところとはちがって、現役時代には夫婦で月三四万円かかっていたのが、定年後は二二万円に減ったといっている。そう。結局問題なのは、自分の暮らし方である。定年後に一億円必要といわれようが、月に三五万円必要といわれようが、そんな額まで他人に決められることはない。そんなものは各人の生活次第である。

ただし、自分で生活をコントロールするといっても、そのためにはひとつ条件がある。定年後に住宅費がかからないことである。この小さくない固定費が定年後まであるようなら、さすがに年金だけでは苦しいだろうと思う。

わたしの退職金が少なかったのは、なんの裏もない。そのままの事実である。大江氏も正直にこんなことをいっている。「私は定年退職時に預貯金がたったの150万円しかありませんでした」。おお、親近感が湧くねえ、とわたしは思ったである。かれは大手証券会社に三八年間勤務した人だが、ふたりの娘を「中学校から大学まで私立に通わせ(エスカレーター式の名門校か……引用者注)、高校時代はそれぞれアメリカとオーストラリアに留学した」。商売に失敗した父親の「借金の肩代わりもしたため、お金は本当になかった」。

ところがそのすぐあとに、「もちろん、退職金や企業年金、公的年金がでるということが大前提として」あったから「老後についてさほど心配はしていませんでした」。なんじゃそれ。おそらく定年後の生活はそれらを全部合わせれば十分暮らせて、お釣りがくるくらいの額があったのではないか。あまり「150万円」を強調しないでもらいたい。仲間かな、と共感した親近感を返してくれ。

定年後にいくら必要かは自分で決める。現役時代は派手に遊んだけど定年後はひっそりと暮らす人だっているので、一概にいくら必要とは言いづらい。あくまで今世の中で言われているのは現役時代と同等の生活をすれば2000万とか3000万必要というもの。でも年老いたし旅行も趣味への散財もしなくなる人だっている。そういう人たちはもっと少ない額で暮らせるのに世間は騒ぎ過ぎだ。

健康診断は受けない

わたしは現在のわたしが、客観的に健康なのか不健康なのかを知らない。健康診断や他の検診を受けていないからである。しかし、ほとんど気にしていない。たまに「!?」と体内にわずかな異変を感じることがないわけではないが、思うだけで、解明しようとはしない。それがいつの間にか治まると、喉元過ぎればなんとやらで、「よしよし過ぎ去ったな」となる。医者からは自殺行為だぞ、といわれるかもしれない。

奥村彰太郎氏は、「QOLの観点」から「生活の質を高めるための健康診断」を勧め、「アンチエイジング・ドッグ」も「のちのちの不安を消す意味でも、余裕があれば受診しておいて損はありません」(前出『定年後のお金の不安を解決する本』)といい、元東レの取締役で、東レ経営研究所所長だった佐々木常夫氏もまた、「人間ドックとか自治体の健康診断のような病気のチェックシステムについては、その受診を習慣化してしまうことです。健康のための検査診断は定期的にやらないとあまり意味がありません」といっている(『定年するあなたへ』サンマーク出版、二〇一六)。

お断りである。わたしは最初、ただのずぼらで会社の健診をすっぽかしたのだが、それが習慣化して、それ以来、たぶん二十年ほど健診を受けていない。健診前日の午後九時以降はなにも飲み食いするな、当日は朝八時半までに診療所に集合も、めんどうくさかったが、バリウム検査には苦しめられた。健診をやめたら楽になった。近藤誠氏の『健康診断を受けてはいけない』(文春新書、二〇一七)を読んで、我が意を得た。「受けなくてもいいよ」ではなく、「受けてはいけない」なのである。

その本を読んでまず驚くのは、「欧米諸国には職場の健康診断の制度も、人間ドックも存在しない」ということだ。

僕は会社を辞めてから今まで健康診断というものをものを一切受けたこと事がない。面倒臭いし、下手に体の不調が見つかってしまうと、今後が不安になる。体の不調が出てきてからでいいや病院に行くのはというスタンス。確かに家族がいれば長生きした方が子供のためにもなるが、僕のように独り身だと適当にガンにでもなって平均寿命よりも先にステージ4の癌で亡くなるといったケースの方がかえって良いかもと思ったりもする。もちろん治療などせず諦めて死ぬ。その覚悟さえあれば健康診断なんて必要ないと思ったりもする。

定年後を過ごすために必要な考え方を一つ一つ考えて自分サイズに噛み砕いていく書籍。巷で言われている定年後の幸せってあまりにも狭義で多様化する社会から逸脱していると思う。それを感じさせてくれる面白い書籍。

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