誰もが知る天才を例に挙げながらその「創造」「才能」がどうやって生まれるかを精神医学的見地から解き明かす書籍。過去の偉人たちの中には精神疾患の傾向が見られることも多い。そんな天才たちの特徴を深掘り。
「空気が読めない」「こだわりが強い」
この章においては主としてASD(自閉症スペクトラム障害)の特性を兼ね備えた「創造的な人々」を中心にして検討をすすめていきたい。
ASDは発達障害の代表的な疾患で、以前は広汎性発達障害と呼ばれていたものとほぼ一致している。ASDには、自閉症やアスペルガー症候群が含まれている。
ASDの特徴として第一にあげられるのは、対人関係、コミュニケーションの障害である。ASDの当事者は孤立しやすく非言語的なコミュニケーションが不得手で、他人の表情や言葉のニュアンスなどをくみ取れないことが多い。わかりやすく言えば、「空気が読めない」人が多い。
さらにASDの症状として、特定の事柄に対するこだわりの強さが特徴的である。彼らは興味を持った事柄に、過度に没頭しやすく、その没頭の仕方が独特である。自分の興味の対象を細かく記憶したり、書き上げたりすることに熱中することも多い。また本人なりの「マイルール」を持っていることもよくある。
社会性に障害を持つASDの患者は、平均以上の知的能力を持っていたとしても、対人関係に苦労し、集団生活において様々な問題が生じやすい。たとえば学校では、興味のない授業にはまったく参加しなかったり、他人の気持ちが理解できずに集団から孤立するため、いじめの標的になることが多い。
「空気が読めない」まさしく僕のこと(笑)集団生活ではそれがネックでいじめの標的になることも。集団からの孤立は今まで嫌というほど経験してきたのでもう初めから1人でいいよねと思う様になった。ネット上などの自分の存在を認めてくれる優しい世界だけで生きていくように。こだわりも強く、持ち物でも「なんでそんなものにお金をかけるのか分からない」などといった指摘を受けるのだが本人が欲しいのだから仕方がない(笑)
ケイト・スペードの栄光と死
うつ病はいまやありふれた一般的な病となっている。かつては、うつ病になりやすい特有の性格や特徴が存在すると言われた時期もあった。その点は必ずしも誤りとはいえないが、現在では病前性格とうつ病の関連については否定的な見解も多い。
ただ、本書でも述べてきたように、創造的な才能は、うつ病や躁うつ病との関連が大きいことが以前から指摘されてきた。
本章においては、うつ病や躁うつ病に罹患した過去の傑出者、著名人についてその生涯を振り返り、創造性と疾患の関連について検討したい。
米国のファッションブランド「ケイト・スペード ニューヨーク」は、世界中の若者に愛されている。日本でも、専門店だけでなく多くの有名デパートやファッションビルがこのブランドのコーナーを持っている。
ミズーリ州カンザスシティに生まれた ケイト・スペード(1962~2018)は、アリゾナ州立大学でジャーナリズムを学んだ後、ファッション雑誌『マドモワゼル』誌の編集者となった。その後、1993年に夫とともに「ケイト・スペード ニューヨーク」を立ち上げ、世界的に著名なブランドにまで成長させた。
ケイトは才能のある魅力的な女性であった。ファッションディレクターのジョー・ズィーは彼女について次のように述べている。 「彼女は、ファッションの世界で何が求められているか、考えなくても分かっていました。業界の中で何が言われていようと構わない。ケイトは、自分が正しいと感じたことだけ実行した。それで十分だったのです」
ケイトは、またたく間に成功への道を駆け上った。 95 年には米ファッションデザイナーズ協議会の新人賞を獲得、 97 年には同協議会の年間最優秀アクセサリー・デザイナー賞を受賞、さらに99年には、アクセサリー協議会「ACE賞」最優秀アクセサリー・デザイナー賞を受賞している。
アメリカ版『ヴォーグ』の編集長であるアナ・ウィンターは、ケイトについて次のように述べている。 「ケイト・スペードは、世界中の女性が何を持ち歩きたいか、何を身に付けたいか的確に把握できる、うらやむほどの才能を持っていました」
ところが2007年、ケイトはブランドの経営権を大手の会社に売却してしまった。その後、彼女は別のブランドを立ち上げていたが、2018年6月5日、ニューヨーク・マンハッタンの自宅で縊死しているのが発見された。55歳だった。 翌6日、ケイトの夫は、彼女が5年間うつ病と不安障害の治療を受けていたことを明らかにした。医師からは入院を勧められていたが、本人が拒んでいたという。
不安障害、僕の場合統合失調症の症状の一つとして現れている症状。近い将来の不安と漠然とした不安が行動を鈍らせます。いざ行動してみたらそんな不安は取り越し苦労であったことがわかるのだが、この不安がとめどなく訪れるので引きこもりがちに。
天才が抱える精神疾患について書かれた書籍で、同じ精神疾患を抱える人に向けたエールとなる書籍。自分に当てはめながら読むと少し希望が見えてきます。
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