方言って大分市民権を得てきたけど、やはり何を言っているかわからないのは困る。可愛い程度ならあえて方言を使う価値はあるかもしれないが。方言の魅力と知識がつく書籍。
名前は間違うと失礼に当たるので注意が必要
言葉に方言があるように、実は漢字にも方言がある。ある特定の地域だけで通用する「地域漢字」や、その地方ならではの読み方「地域音訓」など、漢字にも地域差があるのだ。学術的には「方言文字」と呼ばれ、早稲田大学の笹原宏之教授は、これを「方言漢字」と名付けた(『方言漢字』角川選書2013年刊)。 たとえば人名で「藤」という漢字は、西日本では「藤原」「藤田」など「ふじ」と訓読みする姓が多いのに対して、東日本では「佐藤」「斎藤」など音読みの「トウ」が多い。これは歴史的に、近畿の藤原氏が関東以北に来てそのように名乗ったことの名残とされている。 また、東日本では濁って読むが、西日本では濁らないケースもある。北海道出身の中島みゆきは「なかじま」で、鹿児島出身の中島美嘉は「なかしま」だ。山崎という姓も、東では「やまざき」、西では「やまさき」と清濁が分かれる。関西出身の「やまさき」さんが東京では必ず「やまざき」と呼ばれ、「やまさきです!」とムキになったりするのも、漢字の読み方に地域差があることからきている。 2013年1月に、芸名を本名の山崎邦正から、落語家として月亭方正に改名した兵庫県西宮市出身の彼も、正確には「やまざき」ではなく「やまさき」だった。
「なかじま」「なかしま」や「やまさき」「やまざき」などの濁音のあるなしも名前では注意が必要。名前はその人の顔のようなものなので間違うと失礼にあたるのできちんと確認する事が必要。
関東の大方言
「すし」を漢字で書こうとするとけっこう悩む。「寿司」「鮨」、あるいは「鮓」なのか。 実は、この「すし」にも地域性があると知って驚いた。業界団体「全すし連」(全国すし商生活衛生同業組合連合会)を構成する各県の組合名を見ると、たとえば東京は「東京都鮨商生活衛生同業組合」と「鮨」を採用している。一方、大阪では「大阪府鮓商環境衛生同業組合」と「鮓」を看板に掲げている。 早稲田大学の笹原宏之教授が全国のタウンページをチェックした調査によると、国内のすし店の名前は、「寿司」( 52%)、「寿し」( 27%)、「鮨」( 20%)、「鮓」(1%)となっている。特に「鮓」は、大阪を中心とした西日本に集中している。語源的に「すし」は、酸っぱいを意味する「酸(す)し」からきているといわれている。滋賀の鮒鮓に代表されるように、元来は、塩漬けにした魚と飯を発酵させた酸っぱい食べ物「なれ鮓」のことで、古くから「鮓」が使われていた。その伝統が関西に残っている。やがて「鮨」が当てられるようになり、幕末から明治にかけて縁起を担いで「寿司」という表記が登場。さらに「寿し」も出てきた。現在もその変化は進行中で、元祖の「鮓」が消えつつある。1999年に誕生した元祖デート系回転寿司店「柿家鮓」は、チェーン展開して成功しているが、いつのまにか看板を「柿家鮨」と掛け替えている。「鮓」だと酸っぱそうだし、そもそも読めないからだろうか。
「鮓」だと流石に読めない。看板やのれんにこの文字があっても寿司屋とは思わない人が多いのでは?観光客や他の地域からの客のことも考えると寿司とするのが一番いいような。
中部の大方言
かつて日本テレビに『ズームイン!! 朝!』という人気長寿番組があった。全国をリレー形式の生中継で結ぶ情報番組だが、その企画を担当していて、もっとも手ごたえがあったのが、食べ物の「境界線」を探し出すご当地グルメ企画だった。たとえば、JR東海道本線の駅構内のそば屋を東から西まで全部チェックして、つゆの色が変わるのはどこかといった類いのことを、全国のネット局を総動員して徹底調査した。そしてその境界線上から、「ここが分かれ目です」と生中継した。ほかにも「おでんのつゆ」の色や、「肉」と言ったら豚肉なのか牛肉なのか、「たまごやき」に砂糖は入れるのか入れないのか、などなどネタは尽きなかった。 「食の方言」もズームインの得意ワザだった。中でも大反響だったのは、愛媛の「みかんごはん」だ。ある地区で、みかんをほぐして熱々のごはんにのせ、醤油をかけて食べていた。これを紹介したところ、「そんな食べ方はしない」と苦情が殺到した。しかし、「じぇじぇじぇ」が200戸に満たない特定の地区でしか使われていない方言であるのと同じように、みかんごはんも特定の地区の食文化として厳として存在する。自分が知らないことは存在しないかのような態度は、最近ではネットでよく見かけるが、よく調べてから発言してほしいものだ。
多様化が叫ばれる時代なので、その地域地域の言葉や習慣にも配慮が必要。思わぬところで失礼にならないようにその地域特有の言葉や習慣も受け入れる心遣いが必要だろう。
方言を地域別に分別しながら解説。奥が深い方言の世界をちょっとチラ見してみると、その地域の魅力が存分に味わえるかと。
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