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営業はいらない|三戸 政和|テクノロジーの進化が進むいま、個人の営業力頼みの商売はもはや時代遅れ

商売において基本となる営業だが、ネットの普及により購買行動はBtoB、BtoCともに激変。ググれば価格からスペックまでたいていのことはわかる。個人の営業力頼みの商売はもはや時代遅れ。テクノロジーの進化が進み、もう営業はいらない時代。そこで最新の営業手法を紹介。

広告すら不要の世界

テスラ社の行っているエクスペリエンス戦略が、圧倒的に功を奏している証拠たる報道が、2019年5月8日の「フォーブスジャパン」の報道においてなされた。

報道によればなんとテスラ社は、SNSに広告費をまったくかけていないというのだ。一方、トヨタやBMW、ポルシェやフォードなどは、莫大な金額をSNS広告に支払っている。  テスラ社のニュースをよくSNS上で見かけると思うが、そのすべてはテスラ社が広告を使わず独自に配信しているものである。

しかも1カ月の調査期間中にテスラ社が得たSNS上の反応は、実に200万件以上。この効果は、他の自動車メーカーが有料で実施した広告キャンペーンを超える数字になっている。つまりテスラ社は、他社が有料で行っている広告の効果を、無料の施策によって超えたのだ。

これは正しいエクスペリエンス戦略を採る会社には、これが可能であるということの証左であり、マスク氏自身のTwitterのフォロワー数は、彼がそれまで顧客に与え続けた「感動体験」を生み出す生き様によって、2938万人にものぼる膨大なものになっている(2019年 11 月時点)。

2019年3月 12 日、「CNET Japan」の報道で、テスラ社が店舗閉鎖の計画を一部撤回したというニュースも流れたが、同時にテスラ社は「世界中のすべての販売は今後もオンラインで行われるということを明確にしておきたい」と発表している。マスク氏の全面オンライン販売化への意欲は、決して消えていないのだ。

テスラ社が、まったく営業マンを必要としない会社になるのは、そう遠くない未来の話だろう。

価格からスペック、口コミに至るまでなど商品の情報はググれば大抵のことはわかる。商品の性能やデザイン、コンセプトが顧客ニーズにばっちりハマれば勝手に売れる時代。営業よりも商品開発へ比重が移るある意味正しい世界。そんな変革の兆しがある今、今後のための戦略の基本がわかる。

ファンを生み出せ

さて、ブルーポンド戦略第二のミッションは「高い顧客ロイヤリティを生み出す」である。これは端的に言えば、顧客がその製品やサービスに熱狂している状態を生み出そうということであり、顧客に自社の商品やサービスの一番のファンになってもらうということだ。

この方法の一つとしては、第2章でご紹介した「エクスペリエンス戦略」が有効である。エクスペリエンス戦略を採っている企業は、顧客の熱烈な支持を受けやすい。

また顧客のロイヤリティを高めるにあたってもう一つ大切なことは、そのビジネスを行うあなたの熱量を高めておくこと、逆に言えば、本人が高い熱量を持って取り組むことのできる事業領域でビジネスをする必要があるということだ。

サービスや商品の提供者として、提供者自身が没頭できるものでなければならない。なぜなら本人が自ら夢中になり、圧倒的な熱量を注ぐからこそ、その思いが周囲に伝播していくものだからだ。

たとえば、本書の推薦帯を引き受けてくれた堀江貴文氏が、数々のビジネスの中で最も熱狂しているのは、インターステラテクノロジズというロケットベンチャー事業である(私は、このインターステラテクノロジズの社外取締役も務めている)。

多くのプロジェクトを抱える堀江氏が、中でも最大熱量を持って進めているだけあって、このロケットのプロジェクトには、強烈でコアなファンが大勢ついている。

堀江氏がこの事業に対してクラウドファンディング(後で詳述) で集めた資金は、2019年 11 月成立分までで合計、約8400万円に達している。そして、2019年5月に打ち上げが成功したMOMO3号の後には、クラウドファンディングとは別に、 12 億2000万円もの資金調達に成功した。堀江氏は自らの熱により、派手な営業などすることなく 10 億円以上もの資金を集めたというわけだ。

ここまでの資金が堀江氏のロケット事業に集まる背景には、このプロジェクトが「宇宙」と「ロケット」という「夢」を追う事業であったことと、そこに堀江氏の並々ならぬ熱狂があったという側面が大きい。

将来性がどうの、収益性がどうのということではなく、誰もが一度は思い描いた宇宙とロケットという「夢」と、堀江氏のもと集結した稲川貴大社長はじめメンバー全員の「熱」、この二つがあることでいやが上にも投資する側の熱量も上がる。

実際、このロケット事業への資金提供者は、ファイナンスのリターンを見込んでいるというよりも、とにかく「応援したい」という人が多い。これは、堀江氏の宇宙事業にかける熱い思いが、周囲に広く、深く伝わった証拠である。

商品や事業のファンを増やせば、資金の調達や売上はきちんと上がっていくもの。応援したいと思える人間でありたいという願望とはよそに、自分が応援させるに至らない理由が見えて憂鬱な気持ちになるのだが(笑)僕はいつも応援する側の人間でありたいとも思っている。人の応援は自分に余裕がないとできないのでそうした余裕を身につけるために試行錯誤して生きる。そんな毎日です。

営業いらずの人気商品やサービスを生み出し拡散で物を売る時代。企業は価値ある商品でガチンコの勝負を挑む消費者にとって望ましい社会が形成されつつある。そんな現在の実情を写した書籍。

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