何が起こるか予想のつかない時代を生きる人間に必要なのは問題を発見する力。問題解決はAIに任せ問題発見の思考回路に移行する必要がある。自分の頭で考えて、課題を見つけるにはどうするか?これからの時代を生き抜く思考法の基本。
問題発見とは新しい「変数」を見つけること
ここまで「なぜ? (Why)」が「関係性」であることを見てきました。
これを前節の表現でいうと、「点」である4W(「Who」「Where」「When」「What」) に対して、「線」(関係) である「Why」の違いということになります。
「点と線」という関係は、点が0次元に対して線が1次元という「次元の違い」になります。さらに言えば「面」が2次元で「空間」が3次元ということになります。「次元」というのは言い換えると、「変数の数」と言い換えられます。
別の言葉で表現すると、たとえば1次元の座標はx、2次元はxとy、3次元はx、y、zといったことです。
ここで、本書のテーマである「問題」というものを再定義してみると、それはまさにこのような変数の集合体である といえます。
例を挙げましょう。 「新商品の開発」という問題を取り上げてみましょう。
たとえば椅子でもパソコンでもお菓子でもよいです。これらを開発するということはそれらの「仕様」を決めることでもあります。椅子ならサイズや構造、材質や強度といったもの、パソコンならCPU性能、メモリ容量、SSD容量、画面サイズといったものです。
このような各製品の仕様を定めているものが変数ということになります。先に挙げたものは比較的定量化が簡単なものですが、たとえばデザイン性とか使いやすさといった定性的なものもあり得ます。このような変数を定義してそれを最適化するのが問題解決ということになります。
さらに言えば、ここでの 問題発見というのがこれらの「変数」を決定する行為に他なりません。
そこで定義された問題(=変数の集合) の各々の変数を最適化するのが問題解決ということになります。
問題解決とはその時々に起こった変数を割り出し評価し直すことの繰り返しだ。変数を炙り出せば問題解決の糸口となる。変数の数が多いほど問題は複雑化すると言っていい。一筋縄ではいかない問題の場合、この変数を一つづつ潰していかなければなならない。
「具体と抽象」のギャップが問題を生み出す
前々節の「線を引く」と同様、人間が武器とする知的能力である抽象化は抽象世界や精神世界という動物にはない巨大な世界を生み出しています。それが五感で感じることができる具体の世界とのギャップを作り出すことによって、さまざまな問題を生み出しているのはすでにお話しした通りです。
特に私たちの身の回りでいえば、 コミュニケーション上の問題は多くがこの「具体と抽象」の問題から来ています。
それはコミュニケーションにおける最大の武器と私たちが考えている言葉というものが、人類が抽象化によって生み出した産物であり、それゆえにここまで述べてきたような抽象化が宿命的に持っている具体と抽象のギャップから逃れることができないからです。
先の「専門家」や「現場の人」のように、多くのものを「十把ひとからげ」にすることで応用を利かせることができるのが抽象化の最大の武器だとすれば、ここで生まれる具体と抽象のギャップ(に気づいていないこと) がコミュニケーション上の共通課題になります。
具体と抽象によりコミュニケーションが複雑化することはままある。かつて「事件は現場で起きている」といったドラマもこの辺のコミュニケーション不足からきた日本特有の組織構造によりもたらされたもの。
問題発見力を鍛える強化書。解く力より発見する力が大事になってくるAI時代。問題解決はAIが担う時代に突入しています。そこで人間によって行われることの方が多い問題発見のプロセスを重視したスキルアップ法を提示します。
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