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右脳思考を鍛える|内田 和成|「観・感・勘」を実践! 究極のアイデアのつくり方

インプットの労力を最小化しアウトプットを最大化する努力いらずの発想法。情報は放っておいて熟成させる。つまり発想に必要な情報収集と整理、そしてそれを寝かせてアイデアを生み出す方法について解説します。

情報は整理しないで放っておく

たとえば新聞や雑誌を読む場合は、私は気になった記事などの部分を破いてしまう。昔はハサミやカッターで丁寧に切り取っていたのだが、最近はそれも面倒くさくなって破いてしまう。破いたものをどうするかというと、透明なビニール袋に入れる。

これは、山根一眞氏が考案した山根式袋ファイルや、野口悠紀雄氏の「超」整理法などにヒントを得て、私が長年実践してきた方法だ。

袋はどこの文房具屋でも売っている A 4 判の入る A 4 L という大きさのものを重宝している。その袋をいくつか用意しておき、たとえば「リーダーシップ」などと、テーマを書いたシールを貼っておくわけだ。そのテーマは引き出しと同じで大雑把なほうがいい。あまりに詳細なタイトルにして、袋の数をやたらと増やしても意味がない。そして、その袋に、新聞や雑誌の切り抜きなどを入れていく。メモでも切り抜きでも、パワーポイントやワードで書かれた書類でも、とにかく突っ込んでしまう。私はあまりやらないが、気になって調べたサイト情報をプリントアウトしたとすれば、それも同じく放り込んでおく。

その分類は、それほど厳密である必要はない。ルールも厳密ではない。その時々で興味をもったテーマを選び、袋を用意して、投げ込んでおく。それだけだ。「しまう」とか、「入れる」よりも、「投げ込む」というイメージが一番近い。ここでいうテーマもまた、問題意識、あるいは関心領域と思ってもらっていい。

あとは放置して、熟成を待つ。そして折にふれて、この袋ファイルを見直す。そのときに、これは使える情報だと思ったものは、袋ファイルから昇格させる。ちゃんと背見出しをつけて少し立派なファイル(これを袋ファイルと区別するためにバインダーと呼ぶ)に綴じて書棚に並べるのだ。では残った袋ファイルの中身はもう必要ないから捨てるのかというと、そういうわけではない。2段階分類の1段目。いわばダムのようなものだ。

この袋ファイルやバインダーの使い方も、頭の中の引き出しのフォルダと同じだ。頭の中の引き出しを補強するものだと思ってもらってもいい。しかし、確実にリンクしているわけではない。

たとえば今度、ある経営者とお会いして話をしなければいけない。あるいは、なにか「リーダーシップ」に関する取材を受けることになった。リーダーシップをテーマに講演をする必要があるといった場合に、こちらも活用する。もちろん、会話の途中や講演の途中で引っかき回すことはできないから、こちらは事前準備に限られる。

そんなときに、まず頭の中の関連する引き出しを引っかき回す。それで話のネタを思い出してから「たしか、リーダーシップのバインダーまたは袋ファイルがあったな」と思い出して、そのバインダーや袋を開けて、中身を見てみるわけだ。

特に袋ファイルのほうは整理もされていないし、ちょっと興味を引いたものが突っ込んであるだけだから、正直にいって、大半は使えない。それでも、なにかと参考になる情報や話のネタが入っていることもある。バインダーのほうは、もう少し確度が高いはずだ。

引き出しと袋ファイル、あるいはバインダーのテーマは必ずしも統一されてはいないと述べたが、同じ時期に同じ人間がつくっているものだから、頭の中の引き出しと同じテーマの袋ファイルが見つかる可能性は高い。

最近はデジタル化が進み新聞の切り抜きなどではなくスクショやコピペで情報を残すことが多くなった。なのでそれらのデータは検索をかけることができる。ガンガン放り込んで後から検索で取り出す。この方法だと仕分けさえ不要。取り出したい記事のキーワードを検索すれば該当する情報が取り出せる。それも自分というフィルターを通した後の情報にアクセスできるのだ。グーグルなどによる検索を少しアップデートした感じ。

右脳と左脳の連鎖がアイデアを生む

よく、はじめてのレストランに行って、料理が期待した以上においしかったりすると、また来ようとその店の電話番号や住所が書かれたカード(ショップカード)をもらってきたりする。あのカードをそれこそ名刺のように整理して、あいうえお順やカテゴリー別に整理している人は、仕事でもない限り、あまりいない。

普通は、もらってきたら机の引き出しかどこかにしまうか、そこら辺に置きっぱなしにして、顧みることもない。だけど、ショップカードをもらってきたという行為そのものを頭の中でチェックしたことになる。そのお店に引っかかったことになる。それでその店を覚えてしまう。忘れてしまったとしても、なにかのきっかけで思い出す。だから、もはやショップカードはいらない。電話番号が知りたければ、あらためてネット検索をしてもたいがいわかるものだ。だけど、たまたま、引き出しにその手のカードがたまっていれば、それを実際にひっくり返して電話番号を知ることができることもある。

そんなふうに、とにかく緩く、緩く、がんばるのがいい。

まるで、大リーグボール養成ギプスみたいなものをつけてファイリングする必要などない。徹夜でカードを整理する必要もない。本能の赴くままに、楽をして情報を蓄え、熟成させる。ワインのようだと書いたが、ワイナリーのように歩留まりはよくない。多くは熟成する前に腐ってしまう。忘れ去られてほこりを被ってしまう。それでいい。右脳思考なら、それでも十分に、役に立っているわけだ。

ファイリングオタクになると情報を取り出すことではなく仕分けすることに喜びを感じるといった本末転倒なことになりがち。RPGのレベル上げのようにひたすら情報を溜め込むように。まあそれも悪くないが(笑)情報は溜めて寝かせて熟成を待つ、覚えておくといざという時役にたつ。

検索するな、整理するな、覚えるなとあるが全てこの通りにする必要はない。自分に合った形で運用すれば良い。僕も情報を放り込むところまでは一緒でそこからは自分のデータバンクを「検索」する。だからこの本の方法とは少し違う方法を用いて熟成を待つ。エッセンスを抽出することもこういった本を活用するときに大事。

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