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入社1年目から差がつく ロジカル・シンキング練習帳|グロービス|すぐに使えて一生役立つ20の技術を徹底解説

わかりやすいロジカルシンキングの入門書。ドリルで身につく即実践可能な役立つ20の技術を徹底解説。徐々に難易度が上がってく問題を解いてビジネスマンとしての必須教養を身につけよう。

家電量販店にて

家電量販店に、あなたはパソコンを買いに出かけました。同じパソコンについて、3人の店員が説明をしてくれました。

店員Aは、「このパソコン、重さは800gで、8時間使えます」。

店員Bは、「このパソコン、軽くて、バッテリーも長持ちします」。

店員Cは、「このパソコン、持ち運びが楽で、外でも使えます」。

さて、3人の店員のメッセージの違いは、何でしょうか。

店員Aは、「事実」を中心に説明をしてくれています。重さ、使える時間が数字と一緒に語られています。

店員Bは、「評価」にまで踏み込んで説明をしてくれています。単に事実を述べるだけではなく、それがよいことなのか、あまりよくないことなのか、ここでは、「800g」を「軽い」、「8時間」を「長持ち」と、事実を良し悪しの情報に変換してくれています。

店員Cは、「評価」からさらに一歩踏み込んで「相手にとっての意味合い」について言及しています。「軽い」から「持ち運びが楽」、「長持ち」だから「外でも使える」と、相手の利用シーンをイメージしてコメントしています。

店員A、B、Cの説明のどれがよいのかは、相手によって変わりますが、とかく、コミュニケーションで起こりがちなのは、店員Aのパターンです。

なぜならば、事実を伝えることは、自分が持っている情報をそのまま伝えればよい内容で簡単だからです。一方で、店員Bや店員Cのように、評価や意味合いに踏み込もうと思ったら、事実を起点に、一手間かけて、思考の範囲を広げた上でないとコメントできません。

コミュニケーションは、相手に伝わって初めて意味があるもの。 自分が持っている情報だけを伝えるのではなく、相手にとって意味のあるメッセージに換えてコミュニケーションできるようになりましょう。  自分が伝えたいことが出てきたら、「自分と相手、一人二役で会話のキャッチボールを複数回繰り返すようにしましょう」。ポイントは3つです。

これを複数回、繰り返します。具体的に、先の例で考えてみましょう。

❶自分の言いたいことは、「パソコンは、800g」です。

❷相手の視点で考えましょう。「パソコンは、800g」と聞いたとき、どのようなことが頭に浮かびそうかを考えてみましょう。たとえば、「800gと言われてもそれは重いのか軽いのか?」が想定できます。

❸自分の視点に戻します。❷で想定した問いに応えると、「パソコンは、軽い(もしくは重い)」となります。

さて、ここからは2周目です。

❶自分の言いたいことは、「パソコンは、軽い」。

❷相手の視点で、たとえば、「軽いと何がよいの?」。

❸自分の視点に戻して、「持ち運びが楽」。

このように伝えたいことが出てきたら、そのメッセージを受け取った相手がどのように感じるのかを丁寧に考えましょう。

実際には、ひとつの発言に対しても、相手の視点から複数の問いが考えられます。また、何が本当に相手の頭に浮かぶかはわからない状況です。

軽く、バッテリー長持ちで持ち運びも便利で外出時に役立ちます。そんなに言葉数を用いなくてもこのパソコンの特徴は伝えられます。既にノートパソコンを所有していてスペックに興味がある人なら800gがどれだけ軽いかわかるが、家電量販店でパソコンについて質問する程度の知識しかない客にはちょっと難しいと考えた方が良い。

「論点」と「意見」

少し前の話になりますが、ある人が、会話の中で、「私は体操の内村選手はリオ・オリンピックで活躍すると思う」と発言したとしましょう。

さて、この人の発言を「論点」と「意見」に分けて整理します。 「論点」:何について話をしているのか 「意見」:論点に対してどのような考えなのか

ひとつの整理として、以下のように考えることができます。 「論点」:「体操の内村選手はリオ・オリンピックで活躍するか」 「意見」:「活躍する」

これ以外に、あと2つの整理ができます。 「論点」:「誰が、リオ・オリンピックで活躍するか」 「意見」:「体操の内村選手」

「論点」:「体操の内村選手はどのオリンピックで活躍するか」 「意見」:「リオ・オリンピック」

もし、論点を「体操の内村選手はリオ・オリンピックで活躍するか」と捉えると、意見は、「活躍する」か「活躍しない」のどちらかです。そうすると活躍するという意見の人と活躍しないという意見の人との間で次のようなやりとりがなされることが想定できます。  活躍するという意見の人:  「十分な経験があるのと十分なトレーニングを積んでいるので活躍するのではないか」  活躍しないという意見の人:  「いやいや、それでももう年齢も重ねているし、若手の台頭もあるので難しいのではないか」

また、もし、論点が「誰がリオ・オリンピックで活躍するか」であれば、「体操の内村選手なのか」、「水泳の萩野選手なのか」、「卓球の石川選手なのか」について意見交換がされることになります。

このように「論点」によって、やりとりされる意見が変わってくること、イメージが持てたでしょうか。意見はその人それぞれの見解ですので、違いがあるのが普通です。したがって、意見が異なることは、むしろ健全なことです。

聞き手として、ここで、気をつけなければならないことは、話し手の発言が、どの論点に対する意見を言っているのかを正しく理解することです。具体的には、「活躍する」ということが意見なのか、「内村選手は」が意見なのかを正しく理解することが重要です。

聞き手としてこの話を聞いた後の対応は人によって分かれるが相手の意見を汲み取る質問をいくつかすれば誤解や話のベクトルを間違えなくて済む。いきなり内村選手の活躍についてか誰がオリンピックで活躍するかについて語ろうとすれば地雷を踏むことになるかもしれない。相手の話を理解するためにはその辺に探りを入れながら会話しなくてはならない。

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