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働く君に贈る25の言葉|佐々木 常夫|過酷な運命を受け止めながら逞しく社長にまで上り詰めたビジネスマンの生き様

自閉症の子を持ち、妻は病魔に伏す。そんな過酷な運命を受け止めながら逞しく社長にまで上り詰めたビジネスマンの生き様を「仕事力」と「人間力」の両面から描く。若いうちに身につけておくべき「仕事の仕方」から、幸せを手にするための「生き方」まで読みやすい形でお届け。

「それでもなお」という言葉が、君を磨き上げてくれる

40 代になって、課長として現場を取り仕切る立場になると、仕事が面白くてならなくなりました。それまでに身に付けた力をいかして、さまざまな困難な事業を成し遂げていくことができたのです。

この私の成長過程は、そのまま「マズローの欲求 5 段階説」にあてはまるかもしれません。マズローは人間の欲求を、「① 生理的欲求」→「② 安全の欲求」→「③ 所属と愛の欲求」→「④ 承認の欲求」→「⑤ 自己実現の欲求」という 5 段階の階層で理論化しました。そして、「人間は、自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」と仮定したのです。

私は、 20 ~ 30 代を通じて、 ① から ④ までの欲求段階を登り、 40 代に入って、自分のもつ能力を最大限に発揮し具体化したいという「自己実現の欲求」の段階に入ったのです。そして、当時、私は、この「自己実現」のためにこそ働くのだ、と確信していたものです。

50 代に入っても、さらに自己実現を果たそうと努力しましたが、同時に、「本当にそれだけだろうか?」という微かな疑問も生まれました。「人は生活のために働く段階を過ぎ、自分の仕事が認められ、生き甲斐を感じられればそれでいいのだろうか?もっと大切なことがあるのではないか?」と考えるようになったのです。

マズローのこの五段階の欲求については知っている人も多いだろう。人生に当てはめると50代に入ってもさらに自己実現のステージから上がれないことに気づくだろう。もしかしたら自己実現を追い求めるのは終わりのない戦いなのではないか?そう思うと適当に戦ってそこそこの成果が出ればよしとするのも人生。僕の場合生活に困らない衣食住をバックボーンに持っているのでもうこれ以上頑張る必要はなくて、今までの人生で得たものから、生産すれば生活できるそんなことさえ思ったりする。

書くと覚える、覚えると使う、使うと身に付く

若いうちは、覚えなければならないことがたくさんありますから、手帳よりノートのほうがいいでしょうね。それも、ノートは 1 冊のほうがいい。なかには、テーマごとに複数のノートをつけようとする人もいますが、私はあまり勧めません。何事も、習慣化するにはシンプルにすることです。面倒くさくなってしまうと継続しませんからね。

私は、 1 冊のノートに時系列でどんどん書いていきました。会議のメモの次に取引先の売上数値を書き、その次のスペースには読んだ本の印象的なフレーズを書き込む。それで何の問題もありません。

人間の記憶というものは、時系列で刻まれていきます。ある記録を読み返したいと思ったときも、「あれは、去年の夏ごろだったな」などと覚えているものです。その記憶を頼りにノートをめくっていけば、意外にすんなりとそのページにたどり着けるのです。

ただし、書くだけではモノになりません。

先ほども少し触れましたが、書いたものを読み返して、確認することが大切です。何度も繰り返し読み返すことで、はじめて物事は記憶として定着します。あるいは、読み返しながら、その事柄の意味を再考することで、そこに隠された意味や矛盾に気付くこともあります。

たとえば、私は、前日に記録したことを、朝の通勤電車で必ず読み返すことを習慣にしていました。前の日の会議記録や人の発言を反芻するのです。そして、記憶を手繰り寄せながら、もう一度、そのことについて考えます。

すると、「昨日、会議で決まった結論はどうもおかしい」という疑問が生まれることがあります。そして、出勤後、関係部署にもう一度確認すると「たしかにおかしい」と言い出します。それで、再度検討し直すことで軌道修正できたことが何度もあります。そのまま、見過ごしていたら、後で大事になっていたかもしれません。

ノートや手帳を読み返す最大のメリットは、過去のスケジュールを振り返ることによって、自分の仕事ぶりをフォローアップできることです。

私など、手帳を読み返しながら「反省」ばかりしていました。

過去のスケジュールを眺めながら、「ああ、この段階で、上司に情報を上げておけばもっとスムースに仕事が進んだのに……」「この作業はまったく必要がなかったな、なんてムダなことをしてるんだ……」などと自分の仕事を評価するわけです。

僕は普段から読んでインプットしたら書いてアウトプットを繰り返している。ここまでは誰でもできるルーティーンだが、それを使うとなると自分がそれを使えているかは微妙だったりする。ここが差がつくポイントだろうと思うので、得た知識はどんどん取り入れて使っていくように心がけている。自分がやろうと思ったことは大抵先人たちもその道を通ってきているので本から学べることは多い。それをいかに自分に落とし込めるかが肝。

仕事ばかりが人生ではないが、働くなら知っておきたい25の言葉が身に染みる書籍。

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