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人間の本性|丹羽宇一郎|「人間とは何か」を探求し続けること、複雑怪奇で不可解な人間

AIなどIT技術が発展する中、それらをコントロールすべき人間は進化しているだろうか?人間の心のあり方は普遍的テーマ。人を妬んだり恨んだりと自己中心的な他人を見て落胆しつつ、俺って成長しないなぁなんて思う毎日。稀代の読書家でもある著者が、その豊富な人生経験から考察。

AIは人間の可能性を浮き彫りにする

AIは人間がやる仕事を片っ端から奪い取る悪魔のような存在だという意見がある一方、労働はAIに任せ、人間の大半は政府が保障するベーシックインカムで自分の好きなことをして暮らす社会になるとポジティブに夢を語る人もいます。

AIの知性は、たしかに近年著しく進歩しています。車の自動運転を可能にしたり、人間と会話ができるロボットが開発されたり、さまざまな分野で実用化が進んでいます。

将棋や囲碁の名人と試合をしてAIが勝利したというニュースは、AIはそんなにも進化したのかという感想を多くの人に抱かせたと思います。

AIには膨大なアルゴリズム(解に至る手順)がプログラムされているわけですから、AIがここまで進化すれば、生身の脳に対して優位になることは想像できます。

ただし、AIが優秀だといっても、それは二進法をベースとする「量」の計算においてです。現実世界の微妙に変化する「質」をAIはとらえることができません。

たとえば、人間の「心」や「情熱」といったものは、記憶力や分析力ではなく、人間の感情や感覚の世界に属します。ですからAIには「心」や「情熱」といったものは、いまの段階ではわからないわけです。

あるいは、人間の脳は「疑う」ことができますが、この「疑う」ということはAIにはできません。「疑う」という思考はとても重要なもので、「疑う」からこそ、人類はさまざまなものを発明したり、危険から身を守ったりできるわけです。デカルトが「我思う、ゆえに我あり」といったように、「疑う」ことは人間を人間たらしめるものです。

AIの進化は逆に人間にしかないもの、人間にしかできない可能性を大きく浮き彫りにしてくれるのではないでしょうか。人間が人間らしく生きていくにはどうすればいいか?

そんな根源的な問いをAIはわれわれに突き付けているのです。

AIは疑うことができない。これは何事も疑ってばかりで前に進めない僕にとっては好都合なツールとなりうるかも。判断を悩むときにはAIに任せて仕舞えば自身が疑ったりして前に進めないのを後押ししてくれる存在になる可能性も。意外な盲点だった。

「お金持ちは幸せになれる」は幻想

現代人が相対的な幸福の尺度としてよく使うのは、やはりお金でしょう。お金がない人がお金持ちの人を見ると、自分は恵まれていないとつい感じてしまう。ITベンチャーの若手経営者が贅沢三昧の暮らしをマスコミに 喋っていたりすると「羨ましいな」と思い、逮捕されたカルロス・ゴーン氏が庶民からすればとてつもない額の報酬を得ていたなどと知ると、妬みが混じった怒りのような感情が湧いてくる。

では、お金持ちというのはお金の量に比例して幸せかというと、けっしてそうではないようです。現実は往々にして違うものです。

ノーベル経済学賞を受賞した米国プリンストン大学のダニエル・カーネマン教授の研究によれば、年収7万5000ドルまでは感情的幸福が収入に比例して増えるものの、それを超すと幸福感は頭打ちになるそうです。7万5000ドルという金額は日本でいうと、物価や為替などを考慮すれば約800万円といったところでしょうか。

なぜ年収800万円を超えると、感情的幸福がさほど大きくならなくなるのでしょうか。いくつかの理由が考えられます。

経済的な厳しさから生活のことを常に考えなくてはならないレベルの収入であれば、幸福度はおそらく低いでしょう。どうやって食べていこうか。家族をちゃんと養い、子どもにもしかるべき教育を受けさせることができるのだろうか。などなど、いつもお金のことを心配しなくてはいけない状況にあれば、必然的に不幸な気持ちが芽生えてくるかもしれません。年収が800万円を超してくれば、そんな煩しさが減ってくるということなのでしょう。

もう一つの理由としては、800万円を超してくれば、将来への安心感は別として、お金によって得られる生活の喜びが小さくなるからだと思います。

800万円より年収が下のときは、それが上がっていくにつれ感情的幸福は増します。

お金はあるに越したことがないが、一定量保有するとありがたみがなくなってくるというのは貧乏人にとって羨ましい悩みだ。一億円保有していれば投資で元本を減らさずに暮らすFIRE的なことも可能になるので、あらゆるしがらみから解放される目安がそのくらいかもしれない。

人間が持つ特有の感情、その裏側を徹底解剖。本当の自分を見つけてみる旅を始めませんか?本性というと仰々しいが、人間ほど複雑怪奇で不可解な存在はない。そんな不思議な存在と付き合う上で知っておきたい基本情報をゲット。

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