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人を動かす「正論」の伝え方|藤井聡|正しいことを主張する時は 「言い方」が10割!

「正論」と聞くとどんなイメージ?日本では「どうもあいつは正論ばかり振りかざすヤツだ」とか、「正論の前に、あなたの本音は?」などと言い、イメージがすこぶる悪い。これが欧米だと「正論」を主張するのは当たり前、それが社会のためにもなるのだという確信の下、主張されるわけです。

立場が弱い時こそ正論は力を発揮する

私から言わせれば、まさに「無理が通れば道理が引っ込む」。財政赤字削減こそが喫緊の課題であると国民に思わせることで、デフレ経済の下では絶対にやってはいけない消費税の増税を無謀にも行ったのです。

財務省の好きにさせていたら、日本が潰れてしまう。とてもこのまま見過ごしておくわけにはいかない──というところで、 声を上げる時に必要になるのが、「正論」なのです。

もちろん、相手が巨大であるほど、それを覆すのは容易ではありません。

しっかりと論理を構築する必要があります。同時に、相手のどこに誤謬や問題があるかを明確にし、こちらの理論こそ正しいものだということを明示しなければなりません。

少なくとも自分の理屈に道理があれば、相手は反論に窮するはずです。また、同じように考える人たちを味方にして、少しずつでも増やしていくことができます。

自分が少数派で立場が弱い時こそ、「正論」は本来の力を発揮する のです。その意味で「正論」とは、弱者が強者に対して立ち向かう時の「唯一無二の武器」だと言えるでしょう。

それが、私がこれまで主張してきた「積極財政論」 であり、その根幹の理論である「現代貨幣論(MMT)」 であり、 大阪都構想に対する反対理論 なのです。

いきなり財務省という大きな組織を例に挙げましたが、 私たちが「正論」を掲げるべき状況は、いまやあらゆるところに生まれている ように思います。

組織の論理や場の空気に支配され、「無理」が通って「道理」が引っ込んでいる状況があちこちにあります。

そのままだと組織自体が潰れてしまうし、その前に自分自身が潰れてしまう。そういう切迫したケースもあるでしょう。

そこまで深刻な状況ではなくても、たとえば企画の提案やプレゼンなどで自分の考えを相手に伝える時、常識や思い込みに捉われている相手を説得する場合など、あえて「正論」をぶつけることで、説得力を高めることができます。

「正論」はこのように、その本質と使い方を理解すれば、あなたの周りの環境や状況を変え、さらに生き方までも大きく変えてくれるものなのです。

正論と言うとギャンブル依存症の人にいかにギャンブルが不毛かを解く時によく使うアレ。「胴元が儲かるようにできてるんだから絶対やめた方がいい」と言うもの。例えばカジノのルーレット。赤と黒で確率は二分の一のように見えて「00(緑)」があることによって確率は下がっている。これでは回を重ねていくと確実に負けてしまう。確率の元では必勝法などないことに気付かせることが必要だ。

一人でも多くの「他者」を動かすには?

正論を通して、少しでも理想に近づくためには、多くの人に賛同してもらわなければなりません。ただし、多勢に無勢、道理が引っ込んでいる世の中では、なかなか思うようにはいきません。

いまの世の中、いきなり正論が通って理想が実現するということは、まずありません。理想と現実のかい離を、何とか埋めようとする努力が不可欠です。

一歩一歩が大事なのです。

ただし、そうした地道な努力が、たとえばダイエットのように、自分だけがこだわる話なら、自分でやると決めて自分で実行するだけでよいのですが、社会の中で理想を実現しようとする場合、そういうわけにはいきません。 一人でも多くの「他者」に動いてもらわなければならないからです。

それが研究室の中であっても、オフィスであっても、自治体や政府であっても本質は同じです。

一人ひとり、共感者、賛同者を増やしていくこと。

そこには正論に対する深い思いがなければならないことは、何度もお話しした通りです。その思いと物語が、人を感化し波紋のように広がっていくのです。

社会学で「限界質量」 という言葉があります。

もともと物理学の言葉で、ある種の質量が一定の量を超えると質的な変化をする、その際のギリギリの質量のことです。「 閾値」と言った方がわかりやすいかもしれません。ある変化を起こさせる最小の量という意味です。

正論が世の中に認められるかどうかも、この限界質量=閾値が関係しています。

それまでは多くの人に否定されていたり、無視されていたりする考え方も、それに 賛同する人たちがある一定の人数を超えると、それが正論として、一気に世間全体に広がり、スタンダードな世論になる。

マーケティングでは、宣伝広告やキャンペーンなどを大々的に行って商品の認知度をアップする戦略がとられます。利用者が一定の閾値を超えることで、一気にスタンダード商品として、シェアを拡大することがあります。

私が正論を正論として認めてもらう活動の中で、意識しているのがこの「限界質量」という閾値なのです。とにかく、それを超えることを頑張って目指しているわけです。

マスメディアなどをたくさん活用して、一気にその数を達成することも可能でしょうが、いきなりそんな「飛び道具」を使える人は限られています。それこそそれまで社会的に認められていた考え方に対して異議を唱える場合など、多勢に無勢、メディアもなかなか味方してはくれません。

そこで、地道ではありますが、一人ひとりに自分の意見を聞いてもらい、少しずつ賛同者を増やしていくという活動になります。

そして、このことは大学においても、会社の中でも、社会全体であっても変わらないことだと考えています。

正論と呼ばれるためには閾値を超えた賛同が必要ということは、逆に現在正論と呼ばれているものは一定数の理解が世間にあるということ。それを認めさせることが説得には必要ということだ。正論と呼ばれるために必要な下地づくりは地味で時間のかかるもの。それだけ社会的に認められることは難しいのです。

正論をぶつけて相手を懐柔したければまずその本質を知ること。自分の思いを正論に乗せてうまいこと説得するにはどのようなステップが必要かを解いた書籍。

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