先輩が後輩をサポートする文化があるANAではどのような仕事ぶりか?先輩がチームを引っ張るリーダーではなく、後輩のフォロー的役割を担うという考え方をもとに仕事にあたる。アルバイトから経営幹部まで使える一冊。
後輩の自律を促すため、先輩が教える
「教え方」というのは、「その会社が自分の会社の社員に対して、どのように育ってほしいか」を表したものです。
私たちANAグループが人財育成をする際に最も大切にしていること。 それは社員一人ひとりの「自律」 です。
自律とは、「自分自身で成長の過程を考えて意欲的に成長する」ことです。
20 年以上客室センターに在籍するCAで、ANAビジネスソリューション接遇マナー講師の 烏田智子はこう話します。 「飛行機のなかで最も大切なことは、チームプレーです。機長やチーフパーサーなど、チームを指揮する上役が、自分ですべてのことをできるわけがありません。各現場で判断して最善を尽くすのは、その現場にいる社員たちです。自分で判断できる人間として成長するには、先輩が後輩に教え込むのでなく、後輩が自ら学んでいくことが大切です」 なぜ、「自律成長」が必要なのか ANAの先輩たちは、中間管理職から経営陣まで「自分たちは後輩のサポーター役」と口を揃えます。ここには、 主役は自分たちではなく、現場で働く一人ひとりである、という思いがこめられています。
カリスマ的なリーダーが、「こうやるのが正しい」と細かく指示を与え、メンバーはその通りに動く。こうしたマネジメント手法もたしかに存在します。いわゆるトップダウンの考え方です。
一方で「サポーター」は、相手を縁の下で支える役割。人をぐいぐい引っ張る「リーダー」とは真逆の言葉です。少し頼りない感じもするかもしれません。
でも、私たちは、この言葉を前向きな意味に 捉えています。リーダーよりもサポーター、トップダウンよりもボトムアップのほうが、現場での対応力が上がると考えているからです。
チームワークが必要な現場こそボトムアップの効果が出る。現場に立つ上司もいればさらにその上司を管理する立場の者もいる。トップダウン方式をとると現場での細かな対応をわかっていない上司と軋轢が生まれたりする。
「場数」を踏むから解決策を示せる
ANAにおけるいい先輩とは、究極のサポーターのこと。すなわち、「後輩が本当に困ったとき、助けを求めたときに解決策を示せる人」です。自分が「頼りになる存在」となれるかどうかで、後輩がついてきてくれるかが決まります。
では、後輩が助けを求めてきたときに解決策を示せる先輩になるためには、どうしたらよいでしょうか。
ANAビジネスソリューションの八島は、「自分自身が場数を踏むことが大切」と言います。
「もちろん程度の差はありますが、後輩は自分が成長してきたプロセスと似たような経験を通じて成長するものです。ということは、自分の経験と同じような場面で壁にぶつかることが多い。自分自身が経験していれば、多少のアレンジで解決策がイメージできるのは当然です」
八島は、大阪国際空港勤務時代に、こんな経験をしたと振り返ります。 「当時私は、いわゆる施設改修案件の調整を任されていました。狭い施設のなかでなんとか2つの機能を両立させることが求められていたのですが、双方の機能の代表部署の主張がぶつかり合い、いくら調整会議を重ねても合意に至らないまま、私は困り果てていました。そんななか、本社から本件の最終調整のために先輩がやってきました。状況を聞いた先輩は、『決められないならしかたがない。期限も迫っているから、これで発注するしかないな』と、双方の部署の主張を半分ずつ図面に書き入れ、出て行ってしまったのです。
関係者は一様に驚きました。そして『あのままの施設ができたら使い勝手が悪くてしかたがない。何とかしなければ』と危機感を抱き、心をひとつに結集しました。結果、双方の機能が両立したプランがまとまり、使い勝手のよい施設ができました。後日、その先輩に話を聞くと、『何とかなると思っていた。
自身の経験から生まれる問題解決策は仕事をする新人にとって役に立つものが多い。同じところで躓いた経験からアドバイスができたら部下からの信頼も得られる。とにかく場数を踏むことでさまざまなトラブルが生じる可能性が上がりその対処法を蓄積していくことで経験豊富な先輩が出来上がる。
チームを円滑に動かしたいのならこの本は一役かってくれるだろう。自分が成長し続けることで部下からの信頼も得られて最高のフォロワーになることができる。
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