この書籍では「多重人格」と言っても精神病理学上のもの(ある人物のの中に「複数の人格」があり、一つの人格が表に出ているとき、別の人格の存在に気づかない状態や、その別の人格が自分であることに気づかない状態)ではなく「多重人格のマネジメント」(自分の中にある様々な人格の、どの人格も自覚してをり、置かれた状況や場面に、どの人格で処するかを、意識的に判断し、瞬時に、人格の切り替えができること)を指す。
みんな持ってる「複数の人格」
少しの訓練で、誰でも、この「多重人格マネジメント」はできるようになる。一流のミュージシャン、アスリート、役者、経営者、政治家でなくとも、誰でも、「複数の人格」を持っているのだという。それを自覚しているだけで「多様な才能」が開花するのだという。「仕事ができる人」になりたいなら自分の中に「様々な人格」を育て切り替えながら、仕事に取り組むべきと説く。
日常の仕事や生活においては、その立場や状況にふさわしいと思う「表の人格(ペルソナ)」を意識的・無意識的に選んで生きている。このペルソナが硬く柔軟に切り替えることができないと仕事や生活に支障が出たり「不器用な人」という印象を与えてしまう。
表層意識では「自分の才能を開花させたい」と思っていても深層意識の世界で「自分には才能が無い」「自分にはできない」と思っているならばその深層の想念が才能を萎縮させ、抑圧してしまうため、それを開花させることはできないからです。
才能を開花させたいのなら、「硬いペルソナ」に気づき深層意識で抑圧してしまっている「隠れた人格と才能」に気づく必要がある。
才能を開花させる技法
現在の人格を変えるのではなく、自分の中に必要な人格を育てることだ。「起こりやすい人格」の人が「寛容な人格」に変えようとすると、抑圧された「起こりやすい人格」が「爆発」することになる。この場合、「寛容な人格」を育てることだ。「表層人格」を開花させるには、自分が、今の仕事に「どのような人格」で取り組んでいるかを、自己観察すること。自分でも気づいていない人格や才能は育てようがないのでまずは自己観察。苦手とする仕事をすることで隠れた才能を開花させる技法もある。
僕自身、基本人見知りだが接客の仕事をすることで隠れた人格を見つけることができた。その後、本物の多重人格的要素のある病気(幻聴がいろいろなことを語りかけてくる)にかかり職場を離れたが、それも現在の寛容な人格を形成するのに役立ったとも言える。
「匿名」の自己表現について
ネットの世界で「匿名」で自己表現するとき、だれでも、「隠れた人格」が表に出てくる傾向が強くなる
しかし、過激な自己表現はお勧めできない。匿名といっても発言の人物を特定して攻撃の対象にする人もいるので、実名でも発信できる内容のものにと止めておくべきだ。僕自身、十数年前ホームページに過激な物言いをして後悔したことがある。
今まで生きてきた中で、なんとなく自分の人格は理解してきたつもりだったが、この本を読んで抑圧された人格や隠れた才能を開花させる技法を実践してより深い人間になれたらと思う。
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