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乱読のセレンディピティ|外山 滋比古|思考を養い人生が変わる読み方を伝授 !

思いがけない発見をする能力「セレンディピティ」を乱読によって引き出す術を教えてくれる書籍。「本は身ゼニを切って買うべし」「知識と思考」など、「知の巨人」思考を養うことで人生の質を上げる読み方をレクチャー。

ジャンルにとらわれない

乱読ができるのはベーター読みのできる人である。アルファー読みだけでは乱読はできても解読はできない。

小説ばかり読んでいては乱読できない。ベーター読みもうまくいかない。文学読書をありがたがりすぎるのは、いくらかおくれた読者である。ノンフィクションがおもしろくなるには、ベーター読みの知能が必要である。哲学的な本がおもしろくなるには、かなり進んだベーター読みの力が求められる。

ベーター読みの能力を身につければ、科学的な本も、哲学も、宗教的書物も、小説とは異なるけれども、好奇心を刺激する点ではおもしろい読みができるはずである。

ベーター読みの力のない人は、自分の親しむ一つのジャンルにしがみつく。小説好きはあけてもくれても小説を読む。新しい小説でもアルファー読みをするから、読者の成長は限られる。文学青年も、中年くらいになると、アルファー読みにあきがきて、本離れするようになる。

乱読はジャンルにとらわれない。なんでもおもしろそうなものに飛びつく。先週はモンテニューを読んでいたがちょっと途中で脱線、今週は 寺田寅彦 を読んでいる。来週は『枕草子』を開いてみようと考えて心おどらせる、といったのが乱読である。ちょっとやそっとのことでは乱読家にはなれないのである。

とにかく小さな分野の中にこもらないことだ。

広く知の世界を、好奇心にみちびかれて放浪する。人に迷惑がかかるわけではないし、遠慮は無用。十年、二十年と乱読していればちょっとした教養を身につけることは、たいていの人に可能である。

文科の人が理系の本に手を出さないのを純粋だと思っているらしいのは 滑稽 である。悪い専門主義で、モノが見えるものが見えなくなっていることが多い。つとめて、遠くのものに心を寄せる努力をしない。

大学が、小さな専門のタコツボをこしらえて、隣は、なにをする人ぞ、というのを正統的であるとするのは、技術的、常識的学問の錯覚である。

アメリカあたりで、せまい専門主義の害に気づいた人たちが、学際研究(インター・ディスプリナリ)の必要を訴えて新風をおこしたが物理学と化学の壁をとって物理化学、言語学と社会学とが合併して、言語社会学、社会言語学という分野が拓けたのは収穫であるが、学際研究がふたつの専門の結びつきであるのは、いかにも窮屈である。いくつもの専門の枠を外し多元的学術を構想する力はまだ生まれそうにない。

それは文化社会のことである。個人として考えれば諸学綜合の人間学とでも言うべき世界を創り出すことはそんなに難しいことではないように思われる。  乱読すればいい。

いろいろなジャンルの本を、興味にまかせて読んでいく。ひとつの専門にたてこもっていると、専門バカになるおそれがあるけれども、乱読なら、そうはならない。それどころか、専門主義、瑣末主義が見落としてきた大きな宝をとらえることが可能である。

僕は学生の頃は今の学生と変わらぬように月に1冊も本を読まない学生だった。しかし社会人になって必要な知識を得るためにやむなく読書を始めると習慣に。小説もいいが日々の生活を支えてくれる知識というのも重要かと思います。考え方や行動にまで影響を及ぼす読書は日々の糧になっています。何か壁にぶつかったとき読書はその答えを同じ壁にぶつかった人々の経験を追体験することで解決に導いてくれます。

最高の状態にある朝の頭

夜より朝がよい。

朝を中心に生きていこうと考えていて、それまで、別のことだと思っていた忘却が新しい意味をもつことに気づいた。忘却は夜中にすすめられていて、朝、目のさめたとき、ほぼ完了している。朝の頭は、忘却による清掃済みの頭である。一日のうちでもっともよい状態にある。つまらぬこと、どうでもいいこと、いやなことの大部分がゴミのようにすてられていて清々しい。新しいことを受け入れるには最高の状態にある。一日のうちで、もっとも頭のよくはたらく朝は、忘却のおかげであると考えた。

忘却をすすめるには快眠が必要である。夜ふかししては、よく眠ることができない。そう考えたから、早起きを励行することにした。テレビなどで気になる番組があっても、あきらめて、九時になったら、就寝するようにする。  家族は不平らしかったが、かわいいわが頭のため、ひいては、健康のため、と言って寝てしまう。

それで頭がよくなったかどうかはわからないが、健康にはよかったらしい。繰り返しになるが、二十年ごしに、定期的に、健康診断、血液検査を受けている。七十代には、血液検査項目 47 のうち、H(過多)L(過少)が五か六あったように記憶するが、早寝早起きをするようになって、HもLもだんだんへった。そして先ごろの九十歳になって最初の検査では、全項目すべてよし、HもLもなし、ということになって主治医も少しおどろいたらしい。ひそかに、朝と忘却がいいのだと勝手にきめている。

朝の効用はそれだけにとどまらない。

散歩も朝の散歩ときめた。散歩は数十年前からしているが、歩くことが主体で、時間はきめていなかった。ひるの時間、勤めのない日に歩いたこともある。ただ、歩けばいい、と思っていたのである。歩いているほかの人も時間はまちまちであるように思われた。

あるとき、散歩をもっとも規則的にできるのは朝の時間であると気づいた。早朝なら、じゃまの入ることもない。

気分一新するには、近所をうろうろするのはおもしろくない。

早朝の地下鉄に乗って都心まで行き、皇居のまわりの周回道路を歩くことにする。毎日、歩く。六カ月定期を求める。そうすると、少しおっくうな朝も、せっかくの定期を遊ばせてはもったいないという気がする。心をはげまして出かける日もある。早朝の地下鉄はガラガラに空いているが、朝の仕事のある人がいて、なんとなく同志のような気のすることもある。

僕は7年ほど前から朝活を始めました。朝のコンディションが良い時間帯に読書をするのだが、週に2回は自宅とは違うカフェで気分を変えます。カフェまでの道のりもちょっとした散歩になるので普段家にいるのがデフォルトな僕にとってより良いリフレッシュになります。

ジャンルにとらわれず乱読をすることを勧める書籍。自己啓発書やビジネス書ばかり読んでいる人には小説をその逆もまた然り。ジャンルを跨いで読書することで新たな読み方も身につきます。

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