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中国を捨てよ|石平 , 西村 幸祐|稀代の中国問題評論家と保守論壇の雄による、憂国の提言!

軍事に重きを置き近隣諸国と対峙する習近平政権。強硬な姿勢をとり続ける隣国に対して日本が取るべき戦略を考える。もう中国は捨てる時代がやってきた。反日韓国は中国にくれてやる。稀代の中国問題評論家と保守論壇の雄による、憂国の提言!

戦後民主主義という「空気」

アメリカのつくった戦後体制のなかで安全を保障された状態で経済活動だけをやっていればいいとなって、日本人は経済活動だけにのめりこんでいく。朝鮮戦争という隣国の戦争はあって実際に日本人も死んでもいるけれども、ほんとうにそれは少数でほとんどの日本人は国家存亡の危機を感じることはなくて済んできた。平和憲法が日本を守ったなどという 世 迷いごとが本気で信じられるくらいに平和な時代を謳歌することができたわけです。ところが、本来ならば九〇年代が始まったとき、つまり、八〇年代の終わりに東西冷戦が終焉を迎え新しい世界秩序がどうなっていくのかまだはっきりしなかったとき、日本人は外部のリアルに気がつかなければいけなかった。例えば、中国は九〇年代に東西冷戦の崩壊をきわめてうまく利用して、アメリカに接近したんです。九〇年代初頭に 鄧小 平がアメリカに行って、アメリカから資本を入れて、アメリカの工場として経済を発展させるという交渉をした。それまでの八〇年代の中国というのは、文化大革命を終わらせて経済を立て直す必要に迫られて「日本に学べ」で、日本に急接近した。鄧小平が来日して新幹線に乗ってそのスピードに驚いたというエピソードがその時代です。日本の製造業に学んで、自分たちで工場を運営できるようになろうとしていた。しかし、中国の文化のなかでは結局、日本モデルは成立しないということがわかったのが八〇年代の終わりでした。ちょうど東西冷戦がなくなって国境が自由に行き来できるグローバリズムの時代になっていた。このグローバリズムをチャンスと見たのが中国だった。やはり一番偉かったのが鄧小平で、これは 山崎 養世 さんの言葉を借りれば、資本とマネージメントを入れてしまえば中国は発展できるという決断をした。それが九〇年代です。だから、九〇年代に中国は離陸したんです。

ふんだんな人口と資本というリソースにより力をつけてきた中国。資本を投入すれば中国はより発展できるという自信からなる暴挙は見逃せない。世界はこの暴走をどうみるのだろうか。中国資本が頼みの綱であるアフリカ勢は頭が上がらないため世界的にみてもやばい動きをする中国をなかなか止めるのは難しい。

中国は近代以前の帝国主義

西村  こうも言えますね。西側はもうポストモダンなのに、中国はいまだ近代以前というギャップから問題が噴出してきたわけです。グーグルが中国からの撤退を表明してから、急速に米中の間の緊張が高まった。アメリカは台湾への武器供与を決定し、F─ 16 戦闘機とヘリコプター、パトリオットミサイルPAC-3を供与する準備に入った。さらにオバマ大統領がダライ・ラマ一四世とホワイトハウスで会った。それに対する中国の反発は激しかった。ほとんど脅迫に近いメッセージが続きました。

 アメリカ以外にも、実は中国はイギリスとも強硬な態度で臨んだ事件が一件ありました。ヘロインを持っていたイギリス人が一人、中国で逮捕され死刑判決を受けた。パキスタン系のイギリス人でしたが、精神的に不安定で、鬱病の疑いもあるということで、イギリス政府は、精神鑑定と死刑判決の再考を求めていました。イギリス政府はなんと二七回も中国に対して要求しているのです。ところが、中国はそのイギリスの要求を完全に無視して、二〇〇九年一二月二九日に死刑を執行した。当時のイギリスのブラウン首相はすぐに中国に対して、「イギリス政府としては最大限の強い言葉で死刑執行を非難する」という声明を出した。ブラウン首相は、この二〇一〇年の二月に訪中の計画があったのですが、急遽それも取りやめになりました。中国政府は、「われわれは法治国家だから、嘆願されても死刑を減刑することはできない」と説明をしていますが、誰もそんな言葉は信用しません。中国は一度も法治国家になったことなどないからです。いままでの中国だったら、このような場合は西側に対してそれを取り引きの材料に使ってきました。例えば、外国人に懲役八年の刑を求刑したとします。外国から減刑の要求が出れば、それを何らかの外交上の取り引き材料に使ってからその人を釈放して外国に送り出す。そういうことをこれまで何回もやってきたのに、なぜかイギリスにだけはやらなかった。それが二〇〇九年の年末の話です。

香港の民主活動家が数多く中国を背景とする法で捕まっています。見せしめとも言えるこれらの所業を見過ごすわけにはいかない。未だ中国では共産党に不利益が生じる事象や人間、言論を弾圧しています。世界の流れと逆行するこのような態度は今後も変わらないのではと考えると、日本は距離を置くのが得策ではないかと思ったりもする。生産拠点を中国に多数持つ日本だが、国内回帰をはかっても良いのではとも。国内生産回帰は農業などの分野で少しずつ成功したりしている。そのほかの生産物も輸入に頼らない生産体制に国費を投入する方が長い目で見て有効なのではと思う。

文化面では日本とそこそこの関係を築いている韓国だが、政治となると一気に反日色が強くなる。そんな韓国は中国とともに捨ててしまえという趣旨の書籍。近隣諸国どうし仲がいいのに越したことはないが世界的に中国包囲網が敷かれるなかこれからはどのような路線を歩むのか注視が必要。

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