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一生ボケない脳をつくる77の習慣|和田 秀樹|前頭葉を鍛えるには計算やパズルより感情や思考を刺激

前頭葉、感情や意欲、そして記憶を司る部位。衰えると思考が平坦となりアイデアが出なくなり、ものを思い出すのにも影響が出てきます。そんな前頭葉を鍛えるには計算やパズルより感情や思考を刺激すること。それに役立つ習慣を提案。

人付き合いをよくする

人との「付き合い」、「会話」には、 脳とりわけ前頭葉を刺激し、活性化させ、 快感を覚えさせる効用がある。 脳のアンチエイジングには人付き合いへの 「投資」が欠かせない「人付き合い」には気持ちの若返りはもちろんですが、「うつ防止」の効果もあります。 実際にうつになってしまうと人と会うのも億劫になるのですが、そうなる前に、「ちょっと危ないな」と感じたら、あえて人と会って話をする、人と付き合うことが大切です。 こういうときは、気心知れた友人や信頼できる職場の仲間がいちばんです。気持ちが沈んでいるとき、家族の前では意外に虚勢を張ったりなんでもない顔でやり過ごしたりしていても、こうした気の置けない知人の前ではぽろっと本音を出しやすいものです。 あるいは何も話さなくても、その心中を相手は知ってか知らずか、いつもと同じように朗らかに話をして、楽しい食事やお酒も相まってその場を盛りあげてくれることでしょう。 するとあなたは、「彼は(彼女は)ほんとにいつも元気だなあ」と、そう思うでしょう。そうしてそれまで心に影を落としていた悩み事がなんだかばかばかしく思えてきて、「自分も元気にならなくっちゃ」と自分を奮い立たせることにもなるのです。 つまり、「人様から元気をいただく」というわけです。人との会話で悩み事そのものが解決できるわけでなくても、元気になれれば前向きな思考にもなれ、悩ましい問題の解決にも一歩前進です。こんなにありがたいことはないと思います。

人間関係というのは思いのほか脳の活動を必要とする。実際に人付き合いにはアンチエイジング効果があるらしく、うつ防止にも役立つそう。うつだからといって完全に引きこもってしまうと脳的には悪い影響しかない。人と会うのが億劫でも気の許せる相手とだけは会って繋がっておくべき。気心知れた相手がいるよいうのは良いものです。

若い人と付き合う

「リタイアしたら、一気に老け込む」 のは、張り合いのない生活のなかで、 老け込みの悪循環に陥るため。 心を若く保てる環境を自ら求め、行動することが大切。定年退職後に「わずか半年で数年分も老け込んだ」とはよく聞く話で、リタイア後は、老化が始まると心がしぼんでさらに老け込む悪循環に加速がついてしまうようです。 仕事をしていた頃には、たとえ同じことの繰り返しのような毎日であっても、「張り合い」もあったはず。 また、時には取引先の人や社内の同僚・部下たちと飲みに行ったりゴルフに行ったり、「それも仕事のうち」とはいっても、その交流を通して何かしらの刺激を受けていました。 組織のなかにいれば様々な年代の人との関わりがあり、下の年代との付き合いは心の若さを保つ恰好の機会にもなっていました。勤めていた頃は普通に行動するだけで「心を若く保つ」環境が十分に整っていたのです。しかしリタイア後は、自らそのような環境を求めて行動しない限り老け込みは免れません。 例えば多少お金をかけてファッションに気を配るだけでも、見た目若くなります。見た目の若さから自信も生まれ、どこかに出かけたくなり、アクティブになれます。アクティブになれたら、できるだけ「想定外」が起こるような行動を起こすことです。こうして前頭葉を刺激することで、老け込みの悪循環を断ち、若返りの循環を生むのです。

リタイアしたら若者との接点がいよいよなくなり老け込む人が続出。そんな時はSNSや配信アプリで若者と交流してみることをお勧めします。こうしたツールは若い人の割合が多そうなのですが意外と年配の方もいて、良い具合に若い人たちからパワーをもらっているのです。有名になりたい、アイドル、俳優、ミュージシャンになりたいなど夢を持った若い子たちがいっぱいいるので、それを応援しつつパワーを分けてもらえます。

高い洋服を買う

買えば着たくなる。 着れば「それなりの場所」に行きたくなる。 「オトナの贅沢」は、感情を若返らせ、行動範囲を広げ、 脳を活性化する。平日はスーツに身を包んでおけばとりあえずOK、休日はそこらにあるものを着ていればいいや─そんな生活を長く続けて慣れてしまうと、おのずとおしゃれ心も失われ、タンスのなかのコーディネートアイテムも限られてきてしまいます。 「もう、おしゃれをする歳でもない」と感じたら、ここでタンスのなかを今一度見直してみましょう。すると、「おしゃれをする歳でもなくなったから」ではなく、「おしゃれをする服がないから」おしゃれをしなくなってしまった自分に気づくかもしれません。せっかく気づいたなら、早速、デパートにでもファッションショップにでも足を運び、頭の先(帽子)から爪の先(靴)まで一式、自分自身が「これだ!」と思うファッションアイテムを探して買ってくるのです─が、このときに決してケチってはいけません。 「ホントはこっちのほうがいいけど、あっちの安いほうを買っておこう」なんていうのは厳禁。お財布の許す限りの贅沢を楽しむのです。 こうしてとびきりのお気に入りを買ってくれば、当然身につけたくもなります。身につければどこかおしゃれな場所にでも出かけたくなります。「あの頃のときめき」がよみがえって心も若返り、行動範囲も広がり、未知の自分との出会いもあるはずです。

若い頃はファッションを積極的に楽しんでいた人も社会人になってスーツを着るようになると平日はスーツ、休日はそこらへんにあるものを適当にという人が多いのではないだろうか。そこであえて全身コーディネートを組んでみる、そして若い頃と違って経済力のついた今、若い頃手が出なかった洋服を手に取ってみるのはいかがでしょうか。

ボケないために脳を使っていく習慣を身につける。定年を迎えて無気力になったあなたを再び若い頃のようにいろいろな物やことに興味を持てる人間にシフトチェンジしていきましょう。

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